狐と狸の妖怪一覧|化ける動物の種類・階級・尻尾の数
日本で「化ける動物」といえば、狐と狸です。
狐は化かし、狸も化かす。ただし、やり方が違う。
狐は美しい女に化けて人の中へ入り込みますが、狸は自分の姿を面白おかしく変えます。同じ「化ける」でも、語られ方が正反対です。
そして狐には位があります。尾の数が、その力を表します。
このページでは、収録している狐と狸を横に並べて見わたします。
狐の妖怪とは|位と尾の数 2体
人と交わる狐|葛の葉と白蔵主 2体
狸の妖怪|化け狸と隠神刑部 3体
この図鑑では、化け狸とムジナと隠神刑部を「獣の妖怪」として収めています。 ここでは狐と並べて読めるように、あわせて挙げます。
化け狸は人を化かし、人の姿に化けます。腹つづみと大きな陰嚢で知られ、
四国に伝えが濃く残る。
隠神刑部は八百八匹の狸を率いた総帥で、松山城を守ったとされます。狸が城を守るという筋立ては、狐にはほとんどありません。
狐との違いは、はっきりしています。
狐は人の中へ入り込み、狸は人を笑わせる。
狐の話は悲劇か災厄になりますが、狸の話は騙されて終わりです。命を取られる話がほとんどありません。
ムジナはもう一段ややこしく、指している動物そのものが土地によって違います。アナグマを指す土地もタヌキを指す土地もあります。
狐と狸を並べる
同じ「化ける動物」でも、役目が違います。
| 狐 | 狸 | |
|---|---|---|
| 化け方 | 美しい女になり人の中へ入る | 姿を変えて驚かす・笑わせる |
| 位 | 天狐など位がある。尾が増える | 位はない |
| 話の結末 | 別れ、または討伐 | 騙されて終わる |
| 伝えの濃い土地 | 各地。信太の森・那須 | 四国・佐渡 |
| 祀られ方 | 稲荷の使いとされる | 寺や城の守りとされる例がある |
並べると、狐のほうが物語の格が高く扱われているとわかります。
狐には位があり、狸にはない。
狐は稲荷の使いとされ、信仰の側に組み込まれました。位が立ち、尾の数で力が量られるのは、そのためと説明されます。
狸は違います。城を守り、寺を助け、人を笑わせる。位を持たないぶん、身近です。
もうひとつ。狐の話には必ず正体が見破られる場面があります。玉藻前も葛の葉も、そこで話が終わります。
化けることは、いつか解ける。
狸の話にはこの緊張がありません。腹つづみを打ち、騙し、それだけで終わります。同じ「化ける」でも、賭けているものが違います。
狐と狸についてよくある質問
狐の妖怪にはどんな種類がありますか。
位で分ける考え方があります。千年を経て天に通じた天狐がもっとも上に置かれ、その下に空狐・気狐・野狐といった位を立てる説が伝わりますが、書物によって並べ方が違います。
狐の尻尾の数は何を表しますか。
力の目安とされます。玉藻前は白面金毛九尾の狐で、九本の尾は狐の到達点として語られます。ただし何年で何本という決まった表はなく、書物ごとに数字が動きます。
狐と狸の化け方はどう違うのですか。
狐は美しい女に化けて人の中へ入り込み、狸は自分の姿を変えて人を驚かせたり笑わせたりします。狐の話は別れや討伐で終わり、狸の話は騙されて終わることがほとんどです。
狸の伝えが濃いのはどこですか。
四国です。八百八匹の狸を率いたとされる隠神刑部は松山城を守ったと語られ、化け狸の伝えも四国に多く残ります。
安倍晴明の母は狐だったのですか。
そう語られます。信太の森の白狐である葛の葉が人の妻となり、安倍晴明を産んだのちに正体を知られて去った、という物語が伝わります。ただし史実として確かめられたものではありません。
狐と狸の一覧(収録しているすべての妖怪) 99体
本文で取り上げなかったものも含めて、この種別に属する妖怪をすべて並べています。名前を押すと個別ページへ移ります。