群馬県利根郡で、日暮れ後の川淵に聞こえる洗濯の音。狸が化けたものといいます。

センタクババとはどんな妖怪か
センタクババはひとことで言えば、川で聞こえる洗濯の音です。群馬県利根郡の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、根岸謙之助「妖恠聞書」(『上毛民俗』通巻32号、1956年、7頁)を典拠に、日が暮れて、イツトキ位たった時分、浅い川淵などで、よく誰かが洗濯でもしているような音を耳にする。これは「センタクババ」と言って、狸が化けるのだと言うと記します。
姿は出てきません。聞こえるのは音だけです。
時刻も決まっています。 日が暮れてイツトキ、つまりおよそ2時間後です。
センタクババの漢字表記と読み方
読みは「せんたくばば」です。
「センタク」は洗濯、「ババ」は老婆を指すとみられます。 音から付いた名です。
正体は狸とされました。 群馬では狸の仕業とする話が多く残ります。
この図鑑には小僧狸(徳島)も収めています。そちらも狸の話です。
センタクババ(せんたくばば)
日文研データベースが示す呼称。
洗濯婆(せんたくばば)
洗濯をする老婆の意とみられます。
センタクババの姿と特徴
センタクババに姿はありません。記録にあるのは、音と時刻です。
時刻 … 日が暮れてイツトキ位たった時分。
場所 … 浅い川淵など。
聞こえるもの … 誰かが洗濯でもしているような音。
正体 … 狸が化けたもの。
姿を見たという記述はありません。 あるのは音だけです。
センタクババの伝承記録
日暮れから二時間
日が暮れて、イツトキ位たった時分といいます。
イツトキはおよそ2時間です。 夜の入口にあたる時刻です。
浅い川淵の音
浅い川淵などで、よく誰かが洗濯でもしているような音を耳にします。
布を打つ音とみられます。 川は、女たちが洗濯をする場所でした。
その音が、人のいない時刻に聞こえます。
狸の仕業とする
これはセンタクババと言って、狸が化けるのだと言います。
害があったとは書かれていません。 残っているのは、音の名づけです。
この図鑑には小僧狸(徳島)も収めています。
センタクババの伝承地域
公的データベースの地域欄は群馬県利根郡昭和村を示します。
利根郡は赤城山の北側にあたります。 川の名は書かれていません。
センタクババの正体と考えられているもの
センタクババは、音だけで伝わった狸の化けです。
時刻と場所が決まっています。 日暮れの二時間後、浅い川淵です。
姿を見たという話は伝わっていません。
この図鑑には小僧狸(徳島)も収めています。どちらも狸にまつわる話です。
センタクババが登場する作品
センタクババを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは県の民俗学会の雑誌です。
音の妖怪は各地にあり、小豆洗いのように水辺の音として語られます。この図鑑には小僧狸(徳島)も収めています。
センタクババが登場する民俗雑誌
上毛民俗
上毛民俗学会の雑誌です。通巻32号に根岸謙之助の聞書が載ります。
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センタクババについてよくある質問
センタクババとは何ですか。
群馬県利根郡昭和村で、日暮れ後の川淵に聞こえる洗濯のような音のことです。
いつ聞こえますか。
日が暮れてイツトキ、およそ2時間ほどたった時分といいます。
正体は何ですか。
狸が化けるのだと言われました。
姿は見えますか。
姿を見たという記述はありません。伝わるのは音だけです。
センタクババと併せて覚えたい言葉・用語
イツトキ(いっとき)
昔の時間の単位。およそ2時間にあたります。
川淵(かわぶち)
川の深みや、よどんだところを指します。
狸(たぬき)
化けるとされた獣。音を出す話が各地にあります。
センタクババの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。