夜道を塞ぐ小僧へ化け、押しのけたり斬りつけたりするたび二人、四人と増えた阿波の狸。

紫煙 「江川の湧水(徳島県吉野川市)」 2011年 / CC BY-SA 3.0 出典
小僧狸とはどんな妖怪か
小僧狸は、小僧の姿で道を塞ぐ狸です。徳島の旧学島村の話です。夜道へ一人の小僧として現れ、旅人の前を塞ぎます。
旅人が押しのけたり斬りつけたりすると、小僧は倒れるどころか数を増やしました。一人が二人、二人が四人となり、相手にするほど道いっぱいに増えていきます。旅人は先へ進めないまま、一晩中惑わされました。
小僧狸の漢字表記と読み方
小僧狸は「こぞうたぬき」と読みます。小僧は寺で働く年少の僧を指し、夜道へ現れた人の姿です。
小僧狸(こぞうたぬき)
小僧へ化ける狸の姿を表す名称。
小僧たぬき(こぞうたぬき)
「狸」を平仮名で記す表記。
小僧狸の姿と特徴
最初は一人の小僧に見えます。旅人が力を加えるたび、同じ小僧が二人、四人と増えていきます。一つ目や角を持つのではなく、同じ姿が倍に増えることが特徴です。
小僧狸の伝承物語
夜道を一人の小僧が塞ぐ
旅人が夜道を進んでいると、一人の小僧が前に立ちました。小僧は道を空けず、旅人の行く手を塞ぎます。
最初の姿は、力で退けられそうな一人の人間です。旅人は立ち止まって話を終わらせるのではなく、押しのけるか、持っていた刃物で斬りつけようとしました。
一人を退けると、同じ小僧が二人になる
旅人が小僧へ手を出すと、相手は倒れません。一人だった小僧が二人になりました。
二人を相手にしても同じです。退けようとするたびに数が倍になり、二人が四人へ増えます。力を加えるほど障害が大きくなるため、旅人は自分の行動で道をさらに塞いでいきました。
増え続ける小僧に囲まれ、一晩を明かす
旅人は増えた小僧を前にしても、先へ進めません。相手にすればまた増える。かといって、夜道を抜ける道も見つかりません。
こうして小僧狸は旅人を一晩中惑わせました。強い一体が襲うのではなく、手を出すたび同じ姿が増えるため、旅人は自分の力では終わらせられない夜へ閉じ込められたのです。
小僧狸の伝承地域
小僧狸は旧麻植郡学島村、現在の吉野川市川島町周辺に伝わります。地図は伝承地域を示し、現在の特定の道路を出現地点とはしません。
小僧狸の正体と考えられているもの
小僧狸は、旅人が力で退けようとするほど数を増やします。最初の一人を小さな障害だと思った判断が、二人、四人という終わりのない夜へ変わりました。小僧姿の親しみやすさと、同じ姿が増殖する不気味さが並ぶ狸話です。
小僧狸をめぐる妖怪のつながり
小僧狸が登場する作品
小僧狸は、手を出すほど増える妖怪です。
一人を退けると二人になり、二人が四人へ増えます。 力を加えるほど障害が大きくなるため、旅人は自分の行動で道をさらに塞いでいきました。
強い一体が襲うのではありません。自分の力では終わらせられない夜へ閉じ込める。それが小僧狸の化かし方です。
小僧狸が登場する民俗学
小僧狸が登場する事典
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小僧狸についてよくある質問
小僧狸とはどんな妖怪ですか。
小僧へ化けて夜道を塞ぎ、押したり斬ったりするたび数を倍に増やした阿波の狸です。
小僧狸は何と読みますか。
「こぞうたぬき」と読みます。小僧へ化ける狸の姿を表す名です。
小僧狸はどうやって人を惑わせますか。
最初は一人で道を塞ぎ、旅人が退けようとすると二人、四人と増えます。相手にするほど先へ進めなくなります。
小僧狸と一つ目小僧は同じですか。
別のものです。小僧狸は狸の変化で、退けるたび倍に増えます。一つ目であるという話はありません。
小僧狸と併せて覚えたい言葉・用語
小僧狸(こぞうたぬき)
小僧へ化け、力を加えられるたび同じ姿を増やした阿波の狸。
学島村(がくしまそん)
小僧狸の話が伝わった徳島県麻植郡の旧村。
小僧(こぞう)
寺で働く年少の僧。小僧狸が夜道で取る人の姿。
小僧狸の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。