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京都府

おはぐろ婆(おはぐろばば)とはどんな妖怪か|姿と伝承

おはぐろ婆  / オハグロババ

狐と狸 各地の伝説

京都の大徳寺門前で、おはぐろをつけて人を脅かした狸。按摩に捕らえられた。

おはぐろ婆の姿を描いた図

z tanuki 「大徳寺 勅使門(京都府京都市北区)」 2009年 / CC BY 3.0 出典

おはぐろ婆とはどんな妖怪か

おはぐろ婆はひとことで言えば、歯を染めて見せた狸です。京都府京都市北区の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、香具屋彌平雑纂 狸の咄し」(『郷土趣味』通巻17号、1920年、37頁)を典拠に、大徳寺のおはぐろ婆という狸は、門前の松林でおはぐろの道具を前におき、おはぐろをやたらにつけて人をおどかしていた。盲目の按摩が袋を使って狸をつかまえたと記します。

「おはぐろ」は歯を黒く染める化粧です既婚の女性が行いました。

道具を前に置いて、やたらにつける——見せるための所作です。

そして、捕まえたのは盲目の按摩でした。

おはぐろ婆の漢字表記と読み方

読みは「おはぐろばば」です。

「おはぐろ」は歯を黒く染める化粧で、既婚の女性が行いました

そちらは顔に目鼻がなく、口だけがある妖怪です。

この記録の相手はです。

おはぐろ婆(おはぐろばば)

日文研データベースが示す表記。

お歯黒(おはぐろ)

歯を黒く染める化粧。

おはぐろ婆の姿と特徴

この記録にあるのは、狸のふるまいです。

正体 … 狸。
場所 … 大徳寺の門前の松林。
持ち物 … おはぐろの道具。
していたこと … おはぐろをやたらにつけて人をおどかす。
捕らえた人 … 盲目の按摩。
捕らえ方 … 袋を使った。

婆の姿がどう見えたかは書かれていません。

おはぐろ婆の伝承記録

  1. 門前の松林でつける
  2. 盲目の按摩が捕らえる

門前の松林でつける

大徳寺の門前の松林に、その狸はいました。

おはぐろの道具を前におき、おはぐろをやたらにつけて人をおどかしていました。

「やたらに」という言い方が、見せるためにやっていたことを示します。

夜道で、女が歯を染めている——それだけで足が止まります。

盲目の按摩が捕らえる

盲目の按摩が、袋を使って狸をつかまえました。

目の見えない人には、おはぐろは見えません。

脅かす手立てが、この相手には効きませんでした

「按摩」はもみ療治を業とする人です。 目の不自由な人が多く就いた仕事でした。

化かす側の弱点を突いた結びになっています。

おはぐろ婆の伝承地域

公的データベースの地域欄は京都府京都市北区を示します。記録は大徳寺の門前と記します。

大徳寺は現在も京都市北区にある臨済宗の寺です。 拝観の範囲は寺の案内をご確認ください。

大徳寺(だいとくじ)

記録が示す寺

地図で開く

大徳寺の所在地:京都府京都市北区

記録は「大徳寺の」と記します。門前の松林が舞台です。

拝観の範囲は寺の案内をご確認ください。

おはぐろ婆の正体と考えられているもの

この記録の正体は、はっきり書かれています。です。

化けたのではなく、道具を使っています。

おはぐろの道具を前に置き、実際につけて見せていました

この図鑑には、京都の狸としてシクマ狸も収めています。

捕らえたのが盲目の按摩という点が、この話の要です。 見せる化かし方は、見えない相手に通じません。

おはぐろ婆が記録された資料

おはぐろ婆を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『郷土趣味』の記事です。

題のとおり、狸の話を集めた記事で、他の狸の話も並びます。この図鑑にはシクマ狸(京都)も収めています。

おはぐろ婆が記録された民俗資料

雑纂 狸の咄し

香具屋彌平が『郷土趣味』通巻17号(1920年)に載せた中心資料です。

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おはぐろ婆についてよくある質問

おはぐろ婆とは何ですか。

京都の大徳寺門前の松林で、おはぐろをつけて人を脅かしたという狸です。

おはぐろとは何ですか。

歯を黒く染める化粧です。既婚の女性が行いました。

誰が捕らえたのですか。

盲目の按摩です。袋を使って捕らえたと記録されています。

お歯黒べったりと同じですか。

別のものです。お歯黒べったりは顔に目鼻がなく口だけの妖怪で、この記録の正体は狸です。

おはぐろ婆と併せて覚えたい言葉・用語

おはぐろ(おはぐろ)

歯を黒く染める化粧。既婚の女性が行いました。

按摩(あんま)

もみ療治を業とする人。目の不自由な人が多く就きました。

大徳寺(だいとくじ)

京都市北区の臨済宗の寺。門前の松林が舞台です。

おはぐろ婆の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「おはぐろ婆,狸」