本文へ移動

奈良県

おうてくれ地蔵(おうてくれじぞう)とはどんな妖怪か|姿と伝承

おうてくれ地蔵  / オウテクレジゾウ

狐と狸 各地の伝説

奈良県磯城郡三宅町の話。負うてくれと言う女を背負って帰ると地蔵で、狸の仕業とされた。

おうてくれ地蔵の姿を描いた図

Nankou Oronain (as36… 「屏風の杵築神社(奈良県磯城郡三宅町)」 2012年 / CC BY-SA 3.0 出典

おうてくれ地蔵とはどんな妖怪か

おうてくれ地蔵は、背負って帰ると地蔵だったものです。奈良県磯城郡三宅町の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、乾健治おうてくれ地蔵」(『近畿民俗』近畿民俗学会、1954年)を典拠に、昔、3人の若衆が酒を呑んで夜に帰ってくると、女の人がおうてくれと言うので、言われるままにおうて帰った。そして家へ帰っておろすと地蔵だったと記します。

謝ったのは地蔵です。

そこでこの青年は怒って地蔵を責めたところ、堪忍してくれと行った。狸がそばでふるえていたから、狸の仕業と言っていると結ばれます。

この図鑑には行倒れ人(奈良)も収めています。

おうてくれ地蔵の漢字表記と読み方

読みは「おうてくれじぞう」です。

「おうてくれ」は「負うてくれ」で、背負ってくれという意味です。

「若衆」は、村の若い男たちのことです。

「堪忍」は、こらえて許すことです。

この図鑑には行倒れ人(奈良)も収めています。

おうてくれ地蔵(おうてくれじぞう)

日文研データベースが示す呼称です。

おうてくれ(おうてくれ)

「負うてくれ」で、背負ってくれという意味です。

おうてくれ地蔵の姿と特徴

おうてくれ地蔵の話は、記録に順を追って書かれています。

その人たち … 3人の若衆。
そのとき … 酒を呑んで夜に帰るとき。
現れた者 … 女の人。
その言葉 … おうてくれ。
したこと … 言われるままにおうて帰った。
家でのこと … おろすと地蔵だった。
青年のしたこと … 怒って地蔵を責めた。
地蔵の言葉 … 堪忍してくれ。
そばにいたもの … 狸がふるえていた。
土地での見立て … 狸の仕業。

女の顔かたちは書かれていません。

おうてくれ地蔵の伝承記録

  1. 夜道の女
  2. 背負って帰る
  3. おろすと地蔵
  4. 堪忍してくれ
  5. そばの狸

夜道の女

昔、3人の若衆が酒を呑んで夜に帰ってくると、女の人がおうてくれと言いました。

声をかけたのはです。

背負って帰る

言われるままにおうて帰りました。

背負ったのは言われるままです。

おろすと地蔵

家へ帰っておろすと地蔵でした。

背にあったのは石の地蔵です。

堪忍してくれ

この青年は怒って地蔵を責めたところ、堪忍してくれと言いました。

謝ったのは地蔵です。

そばの狸

狸がそばでふるえていたから、狸の仕業と言っています。

ふるえていたのはです。

おうてくれ地蔵の伝承地域

公的データベースの地域欄は奈良県、市郡名の欄は磯城郡、区町村名の欄は三宅町を示します。

報告の題はおうてくれ地蔵で、一篇まるごとこの話に当てられています。

三宅町(みやけちょう)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

三宅町の所在地:奈良県磯城郡三宅町

報告の題はそのままおうてくれ地蔵です。

奈良盆地の中央にある町です。

おうてくれ地蔵の正体と考えられているもの

おうてくれ地蔵は、背負って帰ると地蔵だったものです

害を加えるわけではありません。 語られているのは、背負って帰るまでと、責められて謝ったことです。

地蔵が口をきいたのに、そばでふるえていた狸の仕業とされているところが面白い点です。

この図鑑には行倒れ人(奈良)も収めています。

おうてくれ地蔵が登場する作品

おうてくれ地蔵を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦後の民俗雑誌です。

背負ってくれと頼むものの話は各地にあり、負ぶさり幽霊・オンボノヤスの名で語られます。

おうてくれ地蔵が登場する雑誌

近畿民俗

近畿民俗学会が出した雑誌です。1954年の号におうてくれ地蔵が載ります。

近畿の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

おうてくれ地蔵についてよくある質問

おうてくれ地蔵とは何ですか。

奈良県磯城郡三宅町で、背負って帰ると地蔵だったという話です。

誰が背負ったのですか。

酒を呑んで夜に帰る三人の若衆だといいます。

地蔵は何と言いましたか。

責められて、堪忍してくれと言ったといいます。

正体は何ですか。

狸がそばでふるえていたので、狸の仕業と言われています。

おうてくれ地蔵と併せて覚えたい言葉・用語

負う(おう)

背負うことです。

若衆(わかしゅ)

村の若い男たちのことです。

磯城郡(しきぐん)

奈良県の中部にある郡です。

おうてくれ地蔵の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「おうてくれ地蔵」