昼寝を邪魔した行商人に、葬式と亡霊を見せた四匹の狐。
篠崎狐とはどんな妖怪か
篠崎狐は、江戸の奇談集にある化け狐です。
江戸時代の奇談集『梅翁随筆』に登場します。
四匹いました。
武州篠崎村(現・東京都江戸川区篠崎)に、4匹の悪戯狐が住んでいました。
話は、夏の昼です。
ある夏の日のこと。草原で狐たちが昼寝しているところへ、1人の行商人が通りかかりました。
行商人です。
商人は日頃の悪戯の仕返しとばかりに、大声で狐たちを脅かしました。
狐たちは飛び起き、慌てて駆け去っていきました。
篠崎狐の漢字表記と読み方
読みは「しのざきぎつね」です。
篠崎の狐、という形の名です。
土地の名がついています。
武州篠崎村(現・東京都江戸川区篠崎)です。
江戸の東のはずれにあたります。
そこに、四匹住んでいました。
4匹の悪戯狐が住んでいたといいます。
「悪戯狐」と書かれています。
日ごろから、人を化かしていました。
商人は日頃の悪戯の仕返しとばかりに脅かしています。
先に手を出したのは、狐のほうでした。
篠崎狐(しのざきぎつね)
もっとも一般的な表記。
篠崎村(しのざきむら)
現在の東京都江戸川区篠崎。
篠崎狐の姿と特徴
篠崎狐の姿は、狐です。
4匹の悪戯狐とあります。
そして、化けます。
この話で化けたのは、次のものです。
女房の亡霊です。
女房の亡霊が現れ、行商人に噛み付いてきたといいます。
噛みつきました。
さらに、周りの出来事も作りました。
その家の女房が亡くなったという知らせ。
主人が野辺送りに行くという場面。
家ごと化けています。
篠崎狐の伝承物語
留守を預かることになった
その日の夕方、行商人は知人の家に寄りました。
行商人が知人宅に立ち寄ると、その家の女房が亡くなったとのことでした。
亡くなったと言われました。
そして、留守を頼まれます。
家の主人は野辺送り(亡くなった人を埋葬地まで見送ること)に行くと言い、行商人に留守を預けて家を出て行きました。
留守番です。
一人になりました。
行商人がその家で主人の帰りを待っていました。
そこへ、出ます。
女房の亡霊が現れ、行商人に噛み付いてきました。
噛みつかれました。
水をかけられて正気に戻った
行商人は、逃げ惑いました。
行商人は悲鳴を上げ、血を流しながら逃げ惑いました。
血が出ていました。
そこへ、通りかかった人がいます。
そこへ通りかかった農夫は、さてはあの悪戯狐に化かされたかと、行商人に水をひっかけました。
水をかけました。
それで、戻ります。
行商人に水をひっかけたところ彼は正気に戻りました。
正気に戻りました。
血も傷も、化かされていたものでした。
農夫は、すぐに見抜いています。
土地では、よく知られた狐でした。
小豆飯と油揚げで謝った
行商人は、謝りに行きました。
反省した行商人は、あの狐たちが昼寝していた場所へ行きました。
昼寝の場所です。
そこへ、供え物をします。
小豆飯と油揚げを備えて謝ったということです。
小豆飯と油揚げです。
どちらも、狐に供えるものとされます。
そして、話はそこで終わります。
仕返しは、一度だけでした。
謝れば済みました。
脅かしたことへの、釣り合った仕返しになっています。
命を取られてはいません。
篠崎狐の伝承地域
篠崎狐は、武州篠崎村(現・東京都江戸川区篠崎)に伝わります。
4匹の悪戯狐が住んでいたとされます。
草原で狐たちが昼寝していたとあります。
篠崎は、江戸の東のはずれにあたる土地です。
草原の場所は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。
篠崎狐の正体と考えられているもの
篠崎狐については、次のように整理できます。
一つめは、出どころです。江戸時代の奇談集『梅翁随筆』に登場する化け狐です。
二つめは、きっかけです。草原で狐たちが昼寝しているところへ行商人が通りかかり、大声で狐たちを脅かしました。
三つめは、仕返しです。その家の女房が亡くなったという話に始まり、女房の亡霊が現れ、行商人に噛み付いてきました。
四つめは、見破りです。通りかかった農夫は、さてはあの悪戯狐に化かされたかと、行商人に水をひっかけたところ彼は正気に戻りました。
五つめは、詫びです。反省した行商人は、あの狐たちが昼寝していた場所へ行き、小豆飯と油揚げを備えて謝りました。
この話は、釣り合いが取れています。 脅かした分だけ、脅かし返されました。
篠崎狐をめぐる妖怪のつながり
篠崎狐が登場する作品
篠崎狐は、釣り合いの取れた仕返しです。
昼寝を脅かされた四匹が、葬式と亡霊を見せて返しました。
資料は江戸の奇談集に集まります。
篠崎狐が登場する古典
梅翁随筆
江戸時代の奇談集。篠崎狐の話を載せます。
篠崎狐が登場する研究
篠崎狐が登場する漫画・アニメ
化け狐を扱う作品
人を化かす狐として取り上げられます。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
篠崎狐についてよくある質問
篠崎狐とは何ですか。
江戸時代の奇談集『梅翁随筆』に登場する化け狐で、武州篠崎村(現・東京都江戸川区篠崎)に、4匹の悪戯狐が住んでいました。
何が起きたのですか。
商人は日頃の悪戯の仕返しとばかりに、大声で狐たちを脅かし、その夕方に女房の亡霊が現れ、行商人に噛み付いてきました。
どうやって正気に戻ったのですか。
通りかかった農夫は、さてはあの悪戯狐に化かされたかと、行商人に水をひっかけたところ彼は正気に戻りました。
その後どうしたのですか。
反省した行商人は、あの狐たちが昼寝していた場所へ行き、小豆飯と油揚げを備えて謝りました。
篠崎狐と併せて覚えたい言葉・用語
野辺送り(のべおくり)
亡くなった人を埋葬地まで見送ること。
行商人(ぎょうしょうにん)
品物を持って売り歩く人。
小豆飯(あずきめし)
小豆を炊き込んだ飯。狐に供える。