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東京都

弁慶堀の河太郎(べんけいぼりのかわたろう)とはどんな妖怪か|姿と伝承

弁慶堀の河太郎  / ベンケイボリノカワタロウ

水の妖怪 怪談・百物語

江戸城の外堀にいた河童。手招きして人を引き込んだ。

弁慶堀の河太郎とはどんな妖怪か

弁慶堀の河太郎は、江戸の堀にいた河童です。

江戸城の外堀である弁慶堀に住んでいたといわれます

松浦静山の『甲子夜話』に記述があるもので、名称は妖怪漫画家・水木しげるの著書によるものです。

話は、夜の帰り道です。

その昔のこと。江戸のとある侍に仕える従者が、帰り道に弁慶堀のそばを通っていました

既に夜も更け、周囲には灯りもなくまったくの闇でした

そこで、声がします。

ふと、堀の中から従者を呼ぶ声が聞こえました

見ると、堀の中で小さな子供が手招きをしていました

弁慶堀の河太郎の漢字表記と読み方

読みは「べんけいぼりのかわたろう」です。

場所の名と、河童の呼び名を合わせた形です。

この名は、江戸の書物にはありません。

名称は妖怪漫画家・水木しげるの著書によるものです。

松浦静山の『甲子夜話』に記述があります

「河太郎」は、河童を指す呼び名です。

正吉河童の話も、『川太郎伝』に載っています。

九州でも、この呼び名が使われました。

弁慶堀は、江戸城の外堀です。

現在の東京都千代田区にあたります。

弁慶堀の河太郎(べんけいぼりのかわたろう)

水木しげるの著書での呼び名。

河太郎(かわたろう)

河童を指す呼び名。

弁慶堀(べんけいぼり)

江戸城の外堀の名。

弁慶堀の河太郎の姿と特徴

この河童の姿は、小さな子供です。

堀の中で小さな子供が手招きをしていたといいます。

子どもに見えました。

ところが、動きませんでした。

その子供は、まるで岩か何かのようにまったく動かなかったといいます。

岩のようでした。

そして、においが残ります。

従者は放心状態の上、全身がずぶ濡れでひどい悪臭が漂っていたといいます。

悪臭です。

家人たちは水をかけて洗ってやったが、臭いはどうしてもとれなかったといいます。

弁慶堀の河太郎の伝承物語

  1. 助けようとして引き込まれた
  2. 洗っても臭いが取れない
  3. 河太郎の仕業と噂された

助けようとして引き込まれた

従者は、助けるつもりでした。

従者は、さては子供が水に落ちたかと思い、助けるために手を差し伸べました

手を出しました。

ところが、動きません。

しかしその子供は、まるで岩か何かのようにまったく動かず、それどころか従者の方がどんどん堀の中へ引き込まれてゆきます

逆に引かれました。

助けようとした側が、落ちかけています。

従者は必死の思いで手を振りほどき、家へ逃げ帰りました

振りほどきました。

闇の中の出来事でした。

既に夜も更け、周囲には灯りもなくまったくの闇でした

顔は見えていません。

洗っても臭いが取れない

家に着いた従者は、変わっていました。

家に帰りついた従者を家人たちが迎えると、従者は放心状態の上、全身がずぶ濡れでひどい悪臭が漂っていました

ずぶ濡れです。

そして、臭いました。

家人たちは水をかけて洗ってやったが、臭いはどうしてもとれませんでした

取れませんでした。

翌日、意識は戻ります。

翌日になると従者は正気に戻ったが、異様な疲労感に満ちていました

疲れが残りました。

それも、日にちがかかりました。

やがて4〜5日が過ぎると、疲労感は抜け、全身の悪臭もようやく消え失せました

河太郎の仕業と噂された

この一件は、噂になりました。

一連の出来事を知った人々は、弁慶堀に住む河太郎(河童)の仕業だろうと噂したということです

河童の仕業、とされました。

根拠は、いくつもあります。

堀の中にいたこと。
手招きをしたこと。
引き込もうとしたこと。
悪臭が残ったこと。

どれも、河童の話によくある形です。

江戸城の堀に河童がいる、という話です。

弁慶堀は、江戸城の外堀です。

町の真ん中にあります。

そこに、河童がいると噂されました。

弁慶堀の河太郎の伝承地域

弁慶堀の河太郎は、江戸城の外堀である弁慶堀に伝わります。

弁慶堀は、現在の東京都千代田区にあたります。

江戸のとある侍に仕える従者が、帰り道に弁慶堀のそばを通っていたとされます。

堀は、今も残っています。

ただし、この話で祀られた社や碑は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。

弁慶堀の河太郎の正体と考えられているもの

弁慶堀の河太郎については、次のように整理できます。

一つめは、出どころです。松浦静山の『甲子夜話』に記述があるもので、名称は水木しげるの著書によるものです。

二つめは、現れ方です。堀の中から従者を呼ぶ声が聞こえ堀の中で小さな子供が手招きをしていました

三つめは、引き込みです。その子供は、まるで岩か何かのようにまったく動かず、それどころか従者の方がどんどん堀の中へ引き込まれてゆきます

四つめは、悪臭です。全身がずぶ濡れでひどい悪臭が漂っていたといい、水をかけて洗ってやったが、臭いはどうしてもとれませんでした

五つめは、回復です。翌日になると従者は正気に戻ったが、異様な疲労感に満ちており、4〜5日が過ぎると、疲労感は抜け、全身の悪臭もようやく消え失せました

この話は、助けようとした者が狙われます。 手を差し伸べたことが、そのまま危険になりました。

弁慶堀の河太郎をめぐる妖怪のつながり

弁慶堀の河太郎が登場する作品

弁慶堀の河太郎は、町なかの河童です。

江戸城の堀で手招きし、助けようとした者を引き込みました。

資料は江戸の随筆に集まります。

弁慶堀の河太郎が登場する古典

甲子夜話

松浦静山。この出来事を記します。

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弁慶堀の河太郎が登場する研究

妖怪事典

村上健司編著、2000年。江戸の河童の話を整理しています。

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水木しげるの妖怪画

「弁慶堀の河太郎」の名で紹介しています。

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弁慶堀の河太郎が登場する漫画・アニメ

河童を扱う作品

人を水に引き込む河童として取り上げられます。

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弁慶堀の河太郎についてよくある質問

弁慶堀の河太郎とは何ですか。

江戸城の外堀である弁慶堀に住んでいたといわれる河童で、松浦静山の『甲子夜話』に記述があります

何が起きたのですか。

堀の中で小さな子供が手招きをしており助けるために手を差し伸べたところ、従者の方がどんどん堀の中へ引き込まれてゆきました

その後どうなりましたか。

全身がずぶ濡れでひどい悪臭が漂っていたといい、水をかけて洗ってやったが、臭いはどうしてもとれませんでした

いつ治ったのですか。

4〜5日が過ぎると、疲労感は抜け、全身の悪臭もようやく消え失せました

弁慶堀の河太郎と併せて覚えたい言葉・用語

甲子夜話(かっしやわ)

松浦静山が書いた江戸時代の随筆。

従者(じゅうしゃ)

主人につき従う者。

外堀(そとぼり)

城の外側をめぐる堀。