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埼玉県

伊草の袈裟坊(いぐさのけさぼう)とはどんな妖怪か|姿と伝承

伊草の袈裟坊  / イグサノケサボウ

水の妖怪 各地の伝説

袈裟を纏った河童の親分。周りの河童から人の腸を中元に贈られた。

伊草の袈裟坊とはどんな妖怪か

伊草の袈裟坊は、埼玉県川島町に伝わる河童です。

法師のように袈裟を纏っていることからこの名で呼ばれたといいます。

袈裟は、僧が身につける衣です。

そして、贈り物を受け取ります。

周辺の河童たちは、毎年袈裟坊に人間の腸を中元として献上したといいます。

中元は、夏の贈り物です。

人間の腸が贈られます。

河童の親分にあたる立場です。

笹井の竹坊小畔の小次郎小沼のかじ坊といった河童と仲が良かったともいわれます。

伊草の袈裟坊の漢字表記と読み方

読みは「いぐさのけさぼう」です。

伊草は、埼玉県川島町の地名です。

「袈裟坊」は、袈裟を纏った坊主という意味です。

法師のように袈裟を纏っていることからこの名で呼ばれました。

河童に僧の名がついています。

そして、仲間にも名があります。

笹井の竹坊小畔の小次郎小沼のかじ坊

土地の名+個人の名という形です。

河童一体ずつに名があり、交流まで語られているのが、この地方の特徴です。

伊草の袈裟坊(いぐさのけさぼう)

もっとも一般的な表記。

袈裟坊(けさぼう)

短く呼ぶ形。

伊草の袈裟坊の姿と特徴

伊草の袈裟坊の姿は、次のように伝わります。

法師のように袈裟を纏っている
大男として道に立ちふさがる。

大きいのです。

そして、悪戯をします。

落合橋付近を夜遅く通ると呼び止められます。
振り向くと大男が道に立ちふさがります。
車を挽いて行くと後ろに吊下るなどして悪戯をしました。

荷車の後ろにぶら下がります。

重くなります。

日本妖怪変化語彙では宮城県柴田郡の河童と記されています。

伊草の袈裟坊の伝承物語

  1. 腸を中元に贈られる
  2. 車の後ろに吊下る
  3. 河童どうしの付き合い

腸を中元に贈られる

伊草の袈裟坊は、河童の親分でした。

周辺の河童たちは、毎年袈裟坊に人間の腸を中元として献上したといいます。

毎年です。

中元は、夏の贈り物の習わしです。

人の世の作法を、河童が真似ています。

そして、贈り物は人間の腸です。

河童が人を襲って尻子玉を取るという話は、各地にあります。

それを、親分に届けます。

同じ話が、他の土地にもあります。

所沢市の曼陀羅淵に棲む河童も、襲った子供の腸を竹坊や袈裟坊への贈り物にしていたとされています。

贈り物のために襲うわけです。

車の後ろに吊下る

袈裟坊の悪戯は、夜道で起きます。

落合橋付近を夜遅く通ると、呼び止められました

声をかけられます。

振り向くと、大男が道に立ちふさがります。

大男です。

そして、荷車にぶら下がります。

車を挽いて行くと後ろに吊下るなどして悪戯をしました。

重くなります。

荷車が進まなくなります。

牛や馬を引く道で起きる怪異の形です。

害を与えて殺すわけではありません。

呼び止め、立ちふさがり、重くする どれも、足を止めるいたずらです。

河童どうしの付き合い

この地方の河童には、交際が語られています。

笹井の竹坊小畔の小次郎小沼のかじ坊といった河童と仲が良かったともいわれます。

その交流を語る伝承も複数残されています

河童に友だちがいます。

贈り物のやりとりもあります。

所沢市の曼陀羅淵に棲む河童は、襲った子供の腸を竹坊や袈裟坊への贈り物にしていたとされます。

そして、夫婦の話もあります。

伊草の河童持明院の曼陀羅堂の河童(曼荼羅淵の河童)は夫婦だったともいわれています。

夫婦です。

川ごとに河童がいて、名を持ち、行き来しているという形になっています。

伊草の袈裟坊の伝承地域

伊草の袈裟坊は、埼玉県川島町に伝わります。

落合橋付近を夜遅く通ると呼び止められたといいます。

交流の相手も、土地の名で呼ばれます。

笹井の竹坊小畔の小次郎小沼のかじ坊
所沢市の曼陀羅淵に棲む河童とも関わりがあります。
持明院の曼陀羅堂の河童(曼荼羅淵の河童)とは夫婦だったともいわれます。

なお、『日本妖怪変化語彙』では宮城県柴田郡の河童と記されています。

橋や淵そのものが舞台であり、この名で祀られた社や碑は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。

伊草の袈裟坊の正体と考えられているもの

伊草の袈裟坊については、次のように整理できます。

一つめは、袈裟を纏った河童です。法師のように袈裟を纏っていることからこの名で呼ばれました。

二つめは、親分です。周辺の河童たちは、毎年袈裟坊に人間の腸を中元として献上したといいます。

三つめは、悪戯です。落合橋付近を夜遅く通ると呼び止められ、振り向くと大男が道に立ちふさがり車を挽いて行くと後ろに吊下るなどしました。

四つめは、交際です。笹井の竹坊小畔の小次郎小沼のかじ坊といった河童と仲が良かったといい、持明院の曼陀羅堂の河童とは夫婦だったともいわれます。

五つめは、記録の食い違いです。日本妖怪変化語彙では宮城県柴田郡の河童と記されています。

この河童は、名と付き合いを持っています。 川ごとに河童がいて、贈り物をやりとりする世界が語られました。

伊草の袈裟坊をめぐる妖怪のつながり

伊草の袈裟坊が登場する作品

伊草の袈裟坊は、名と交際を持つ河童です。

竹坊、小次郎、かじ坊。川ごとに河童がいて、贈り物をやりとりしました。

資料は埼玉の民俗の記録が中心です。

伊草の袈裟坊が登場する研究

妖怪事典

村上健司編著、2000年。埼玉の河童として整理しています。

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綜合日本民俗語彙

各地の民俗語を集めた辞典。河童の地方名が引けます。

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柳田國男『妖怪談義』

名を持つ河童と、その土地との結びつきを論じています。

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伊草の袈裟坊が登場する漫画・アニメ

ゲゲゲの鬼太郎

河童が繰り返し登場します。

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妖怪をまとめて扱う作品

名のある河童として、各地の河童と並べて取り上げられます。

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伊草の袈裟坊についてよくある質問

名前の由来は何ですか。

法師のように袈裟を纏っていることからこの名で呼ばれたといいます。伊草は埼玉県川島町の地名です。

中元とは何ですか。

夏の贈り物です。周辺の河童たちは、毎年袈裟坊に人間の腸を中元として献上したといいます。

どんな悪戯をしますか。

落合橋付近を夜遅く通ると呼び止められ、振り向くと大男が道に立ちふさがり車を挽いて行くと後ろに吊下るなどしました。

仲間はいますか。

笹井の竹坊小畔の小次郎小沼のかじ坊といった河童と仲が良かったといいます。持明院の曼陀羅堂の河童とは夫婦だったともいわれます。

伊草の袈裟坊と併せて覚えたい言葉・用語

袈裟(けさ)

僧が身につける衣。この河童の名の由来。

中元(ちゅうげん)

夏の贈り物の習わし。

落合橋(おちあいばし)

埼玉県川島町の橋。袈裟坊が現れたという。