力自慢の少年が十数匹の河童と相撲を取り、憑かれた。
正吉河童とはどんな妖怪か
正吉河童は、豊後に伝わる河童の伝承です。
豊後国(現在の大分県)に伝わります。
寛永時代の古書『川太郎伝』や、大分県日田郡(現・大分県日田市)の地誌『日田郡誌』に記述があります。
名は、後からついたものです。
「正吉河童」の名称は妖怪漫画家・水木しげるの著書によるものです。
話の主人公は、少年です。
その昔、日田郡竹田村に正吉という12歳の少年がいました。
父親は相撲の力士で、正吉も子どもながらに力持ちであったといいます。
正吉河童の漢字表記と読み方
読みは「しょうきちかっぱ」です。
憑かれた少年の名が、そのまま呼び名になっています。
河童の名ではありません。
「正吉河童」の名称は妖怪漫画家・水木しげるの著書によるものです。
古い書物には、この名がありません。
寛永時代の古書『川太郎伝』と、
大分県日田郡の地誌『日田郡誌』に記述があります。
「川太郎」は、九州で河童を指す呼び名です。
弁慶堀の河太郎も、同じ「河太郎」の名を持ちます。
正吉河童(しょうきちかっぱ)
水木しげるの著書での呼び名。
川太郎(かわたろう)
九州で河童を指す呼び名。
正吉河童の姿と特徴
この話の河童の姿は、子どもです。
川の中から数人の子供が現れ、相撲をとろうと言い出したといいます。
子どもに見えました。
そして、数が増えます。
今度は十数匹もの河童が現れたといいます。
十数匹です。
ただし、途中から見えなくなります。
正吉は正気を失った様子で、目に見えない何者かと相撲をとっているかのようだったといいます。
父には、相手が見えませんでした。
河童の姿を細かく書いた記述はありません。
正吉河童の伝承物語
川で懲らしめて帰った
話は、水浴びから始まります。
ある夏の日。正吉が川で水浴びをしていると、何者かにいたずらをされました。
いたずらです。
正吉は、黙っていませんでした。
正吉は川にもぐり、正体のわからない相手を懲らしめて帰りました。
懲らしめました。
相手が誰かは、わかっていません。
そして、その夜のことです。
正吉は家で寝ていましたが、なぜか水浴びがしたくなり、川までやって来ました。
呼ばれたようなものです。
昼の仕返しが、始まります。
十数匹を相手に相撲を取った
川には、相手が待っていました。
すると川の中から数人の子供が現れ、相撲をとろうと言い出しました。
相撲です。
正吉は、気づきました。
正吉はこれを河童と気付き、すぐに相撲を取り、2人の子供を倒しました。
二人倒しました。
そこから、数が増えます。
すると今度は十数匹もの河童が現れ、正吉は無数の河童を相手に、夢中で相撲を続けました。
きりがありません。
一方、家では気づきました。
自宅では、正吉の父が息子の姿が無いのに気付き、川へやって来ました。
すると正吉が、何やら1人で暴れ回っているので、父は無理やり連れ帰りました。
脇差しを置くと震えた
家に帰っても、止まりませんでした。
その後も正吉は正気を失った様子で、目に見えない何者かと相撲をとっているかのようなので、父は河童に憑かれたと考えました。
憑かれた、と見ました。
そこで、刀を使います。
ある者が河童の祟りに効くものとして、郷義弘の銘入りの脇差しを正吉のそばに置いたところ、正吉は布団をかぶって震え始めました。
震えました。
効いています。
ただし、置いている間だけでした。
だが脇差しをどけると、正吉はまた暴れ出す始末でした。
戻ります。
最後は、祈祷で収まります。
その後、修験者の祈祷により、ようやく河童の祟りは去ったといいます。
正吉河童の伝承地域
正吉河童は、豊後国(現在の大分県)に伝わります。
大分県日田郡(現・大分県日田市)の地誌『日田郡誌』に記述があります。
話の舞台は日田郡竹田村です。
九州では、河童を「川太郎」と呼びます。
寛永時代の古書『川太郎伝』にも記述があります。
村の川そのものが舞台であり、この名で祀られた社や碑は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。
正吉河童の正体と考えられているもの
正吉河童については、次のように整理できます。
一つめは、出どころです。寛永時代の古書『川太郎伝』や、大分県日田郡の地誌『日田郡誌』に記述があり、「正吉河童」の名称は水木しげるの著書によるものです。
二つめは、正吉です。日田郡竹田村に正吉という12歳の少年がいて、父親は相撲の力士で、正吉も子どもながらに力持ちであったといいます。
三つめは、きっかけです。正吉が川で水浴びをしていると、何者かにいたずらをされ、川にもぐり、正体のわからない相手を懲らしめて帰りました。
四つめは、相撲です。十数匹もの河童が現れ、正吉は無数の河童を相手に、夢中で相撲を続けました。
五つめは、脇差しです。郷義弘の銘入りの脇差しを正吉のそばに置いたところ、正吉は布団をかぶって震え始めたが、脇差しをどけると、正吉はまた暴れ出す始末で、修験者の祈祷により、ようやく河童の祟りは去りました。
この話は、勝った側が憑かれます。 懲らしめたことが、そのまま仕返しを呼びました。
正吉河童をめぐる妖怪のつながり
正吉河童が登場する作品
正吉河童は、相撲の話です。
十数匹を相手に取り続け、目に見えない相手と暴れるようになりました。
資料は九州の古書と郡誌に分かれます。
正吉河童が登場する古典
川太郎伝
寛永時代の古書。この伝承を記します。
日田郡誌
大分県日田郡の地誌。同じ話を載せます。
正吉河童が登場する漫画・アニメ
河童を扱う作品
相撲を取る河童として取り上げられます。
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正吉河童についてよくある質問
正吉河童とは何ですか。
豊後国(現在の大分県)に伝わる河童の伝承で、「正吉河童」の名称は水木しげるの著書によるものです。
正吉とは誰ですか。
日田郡竹田村に正吉という12歳の少年がいて、父親は相撲の力士で、正吉も子どもながらに力持ちであったといいます。
何が起きたのですか。
十数匹もの河童が現れ、正吉は無数の河童を相手に、夢中で相撲を続けました。その後正気を失った様子で、目に見えない何者かと相撲をとっているかのようだったといいます。
どうやって収まったのですか。
修験者の祈祷により、ようやく河童の祟りは去ったといいます。
正吉河童と併せて覚えたい言葉・用語
川太郎(かわたろう)
九州で河童を指す呼び名。
郷義弘(ごうよしひろ)
南北朝期の刀工。名刀として知られる。
修験者(しゅげんじゃ)
山で修行し、祈祷を行う者。