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愛知県

磯天狗(いそてんぐ)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

磯天狗  / イソテング

水の妖怪 各地の伝説

名は天狗だが河童の一種。怪火を出し、魚を奪う。

磯天狗とはどんな妖怪か

天狗は、海に伝わる妖怪です。

愛知県佐久島、和歌山県新宮市、三重県北牟婁郡・尾鷲市須賀利町に伝わります

名前と中身が食い違います。

民俗学者・日野巌による『日本妖怪変化語彙』によれば、天狗という名前に反して天狗の類ではなく、河童の一種とあります

河童の一種です。

そして、火を出します。

怪火を出すものとされます

和歌山、三重では、磯辺で火を灯しているともいいます。

磯天狗の漢字表記と読み方

読みは「いそてんぐ」です。

磯にいる天狗、という形の名です。

ただし、中身は天狗と別のものです。

天狗という名前に反して天狗の類ではなく、河童の一種とされます。

河童です。

「天狗」の字は、名だけのものです。

海の妖怪には、こうした名の食い違いがよくあります。

海坊主も、僧の姿を借りただけの名です。

宿守も、家を守る名を持ちながら人を責めに来ました

磯天狗も、その一つです。

磯天狗(いそてんぐ)

もっとも一般的な表記。

日本妖怪変化語彙(にほんようかいへんげごい)

日野巌による、妖怪の呼び名を集めた本。

磯天狗の姿と特徴

磯天狗の姿は、として現れます。

怪火を出すものとされます

和歌山、三重では、磯辺で火を灯しているといいます。

磯辺の火です。

愛知では、火の玉になります。

どこからか火の玉が飛来したといいます。

そして、白い煙にもなります。

海上に小さな白煙が回転しながら現れて次第に大きさを増し、竜巻のような凄まじい風と共に山へ飛来し、また飛び去ってゆくといいます。

竜巻のような姿です。

磯天狗の伝承物語

  1. 採った魚が消えた
  2. 白煙が竜巻になって飛ぶ
  3. 退治しようとして飛ばされた

採った魚が消えた

愛知県知多郡南知多町には、漁の話があります。

ある漁師が雨の夜に海に出たところ、大量の魚が採れました

大漁でした。

そこへ、火が来ます。

どこからか火の玉が飛来しました

漁師は、まじないをします。

草鞋を頭に乗せて念仏を唱えたところ火の玉が消えました

草鞋を頭に乗せます。

火は消えました。

ところが、代わりに失いました。

気づいたときには採った魚が無くなっていたといいます。

大漁が消えました。

白煙が竜巻になって飛ぶ

愛知県半田市には、別の形が伝わります。

昔、尾張国(現・同県)のある村で、海上に小さな白煙が回転しながら現れて次第に大きさを増しました

回転しながら大きくなります。

そして、山へ飛びます。

竜巻のような凄まじい風と共に山へ飛来し、また飛び去ってゆくものが磯天狗の仕業と呼ばれました

海から山へ、また戻ります。

竜巻のような風を伴います。

火のほかに、風でも現れます。

風の怪異でもあります。

磯辺で火を灯している(和歌山・三重)とは、別の形です。

退治しようとして飛ばされた

半田市の話には、続きがあります。

ある乱暴者が磯天狗を退治すると言い張りました

退治すると言いました。

そして、山へ登ります。

磯天狗が飛来したという山へ登ったところ、噂通りの竜巻のような白煙が飛来しました

来ました。

しかし、勝負になりませんでした。

あっという間にその中に飲み込まれ、はるか遠くの海まで放り出されてしまったといいます。

海まで飛ばされました。

挑んだ者が負けています。

化け火も、挑んだ者を投げ飛ばしました

同じ形の話です。

磯天狗の伝承地域

磯天狗は、海辺の各地に伝わります。

愛知県佐久島(現・西尾市)。
愛知県知多郡南知多町採った魚が無くなったという話があります。
愛知県半田市海上に小さな白煙が回転しながら現れるといいます。
和歌山県新宮市三重県北牟婁郡尾鷲市須賀利町磯辺で火を灯しているといいます。

磯そのものが舞台であり、この名で祀られた社や碑は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。

磯天狗の正体と考えられているもの

磯天狗については、次のように整理できます。

一つめは、名の食い違いです。天狗という名前に反して天狗の類ではなく、河童の一種とされます。

二つめは、火です。怪火を出すものとされ和歌山、三重では、磯辺で火を灯しているともいいます。

三つめは、魚です。火の玉が飛来し、草鞋を頭に乗せて念仏を唱えたところ火の玉が消え、気づいたときには採った魚が無くなっていたといいます。

四つめは、白煙です。海上に小さな白煙が回転しながら現れて次第に大きさを増し、竜巻のような凄まじい風と共に山へ飛来し、また飛び去ってゆくといいます。

五つめは、挑んだ者です。ある乱暴者が退治に向かい、あっという間にその中に飲み込まれ、はるか遠くの海まで放り出されてしまいました

この妖怪は、名前で判断できません。 天狗の名を持つ河童です。

磯天狗をめぐる妖怪のつながり

磯天狗が登場する作品

磯天狗は、名前で判断できない妖怪です。

天狗の名を持ちながら河童の一種とされ、火と風で現れます。

資料は東海と紀伊の民俗の記録に分かれます。

磯天狗が登場する研究

日野巌『日本妖怪変化語彙』

天狗の類ではなく河童の一種と記します。

妖怪事典

村上健司編著、2000年。各地の磯天狗を整理しています。

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磯天狗が登場する漫画・アニメ

海の妖怪を扱う作品

怪火を出すものとして取り上げられます。

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磯天狗についてよくある質問

磯天狗とは何ですか。

愛知県佐久島、和歌山県新宮市、三重県北牟婁郡・尾鷲市須賀利町に伝わる海の妖怪です。

天狗の仲間ですか。

天狗という名前に反して天狗の類ではなく、河童の一種とされます。

魚が消えた話とは何ですか。

草鞋を頭に乗せて念仏を唱えたところ火の玉が消え、気づいたときには採った魚が無くなっていたといいます。

退治した人はいますか。

ある乱暴者が向かいましたが、あっという間にその中に飲み込まれ、はるか遠くの海まで放り出されてしまいました

磯天狗と併せて覚えたい言葉・用語

草鞋(わらじ)

藁で編んだ履物。頭に乗せて魔除けとした。

佐久島(さくしま)

愛知県西尾市の島。

怪火(かいか)

原因のわからない火。