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愛知県

片脚上臈(かたあしじょうろう)とはどんな妖怪か|姿と伝承

片脚上臈  / カタアシジョウロウ

山の妖怪 各地の伝説

紙の鼻緒の草履を片方だけ奪う、片脚の美女。

片脚上臈の姿を描いた図

菅野崇 「阿寺の七滝(愛知県新城市)」 2008年 / CC BY-SA 3.0 出典

片脚上臈とはどんな妖怪か

片脚上臈は、愛知県に伝わる妖怪です。

愛知県八名郡山吉田村(現・新城市に伝わります 姫上臈ともいいます。

姿は、美しい女です。

栃の窪という地からハダナシ山という山にかけて現れるという、美しい上臈姿の片脚の妖怪です。

片脚です。

奪うものが決まっています。

紙製の鼻緒の草履を履いた者がいると、その片方を奪うといいます。

片方だけです。

自分の脚が一本だからです。

片脚上臈の漢字表記と読み方

読みは「かたあしじょうろう」です。

上臈(じょうろう)は、身分の高い女性のことです。

美しい女性を指す言葉でもあります。

姫上臈(ひめじょうろう)ともいいます。

そして、片脚である点が名になっています。

美しい上臈姿の片脚の妖怪です。

奪うものと、体が対応しています。

紙製の鼻緒の草履片方を奪います。

片脚だから、片方でよいのです。

片脚上臈(かたあしじょうろう)

もっとも一般的な表記。

姫上臈(ひめじょうろう)

もう一つの呼び名。

子抱き石(こだきいし)

阿寺の七滝にある、子宝の霊験がある石。

片脚上臈の姿と特徴

片脚上臈の姿は、美しい女です。

美しい上臈姿の片脚の妖怪です。

上臈は、身分の高い女性の姿です。

脚が一本です。

現れる場所も決まっています。

栃の窪という地からハダナシ山という山にかけて現れるといいます。

するのは、二つです。

紙製の鼻緒の草履を履いた者がいると、その片方を奪う
猟師が獲物を一時的に置いて水を飲みに行ったときなど、その隙に獲物を奪い取る

片脚上臈の伝承物語

  1. 子抱き石へ行く女の草履
  2. 獲物を奪い取る
  3. 山男か、山犬か

子抱き石へ行く女の草履

この妖怪は、特定の人を狙います。

紙製の鼻緒の草履を履いた者がいると、その片方を奪うといいます。

紙の鼻緒です。

なぜ、その履物なのでしょうか。

山吉田村の阿寺には栃の窪を水源とする阿寺の七滝という滝があります

そこには不妊の女性に子宝の霊験のある子抱き石という石がありました

子宝の石です。

そして、行き方に決まりがありました。

そこへ行くには紙緒の草履を履いていかなければならないとされました

紙の鼻緒でなければなりません。

そのような女性が片方の草履を奪われたといいます。

獲物を奪い取る

この妖怪は、猟師も狙います。

山中で、猟師が獲物を一時的に置いて水を飲みに行ったときなど、その隙に獲物を奪い取るといいます。

目を離した隙です。

そこで、まじないがあります。

獲物から離れなければならないときなどに、猟銃と山刀を十字に組んでおくか、袢纏をかけておくと、片脚上臈の怪異を避けるまじないになるといいます。

十字に組みます。

または、袢纏をかけます。

刃物と着物が守りになりました。

山の作法として伝わっています。

山男か、山犬か

獲物を奪うことについては、別の説もあります。

獲物を奪うのは山男の仕業ともいわれます

山男です。

さらに、現実的な説もあります。

実際には山犬の仕業との説もあります

山犬です。

置いた獲物を持ち去るのは、獣なら容易です。

そこに、美しい女の姿が重ねられました。

草履の話と、獲物の話です。

二つが、一つの名にまとめられています。

片脚という一点が、両方をつないでいます。

片脚上臈の伝承地域

片脚上臈は、愛知県八名郡山吉田村(現・新城市)に伝わります。

栃の窪という地からハダナシ山という山にかけて現れるとされます。

山吉田村の阿寺には栃の窪を水源とする阿寺の七滝という滝があります。

そこには不妊の女性に子宝の霊験のある子抱き石という石がありました。

阿寺の七滝は、国の名勝天然記念物です

訪ねる際は、現地の案内をご確認ください。

阿寺の七滝(あてらのななたき)

子抱き石のある七段の滝

地図で開く

阿寺の七滝の所在地:愛知県新城市下吉田(駐車場付近は沢谷下25-3)

滝とその周辺は、国の名勝および天然記念物に指定されています。

合計落差62メートル七段の滝です。

礫岩は子抱石といわれ、祀ると子宝に恵まれると伝わります。

駐車場から滝までは歩いて15分ほどです。

片脚上臈の正体と考えられているもの

片脚上臈については、次のように整理できます。

一つめは、姿です。美しい上臈姿の片脚の妖怪で、栃の窪という地からハダナシ山という山にかけて現れるといいます。

二つめは、草履です。紙製の鼻緒の草履を履いた者がいると、その片方を奪うといいます。

三つめは、子抱き石です。不妊の女性に子宝の霊験のある子抱き石という石へ行くには、紙緒の草履を履いていかなければならないとされました。

四つめは、獲物です。猟師が獲物を一時的に置いて水を飲みに行ったときなど、その隙に獲物を奪い取るといいます。

五つめは、まじないです。猟銃と山刀を十字に組んでおくか、袢纏をかけておくと、片脚上臈の怪異を避けるまじないになるといいます。

この妖怪は、片方だけを取ります。 自分が片脚だからです。

片脚上臈をめぐる妖怪のつながり

片脚上臈が登場する作品

片脚上臈は、片方だけを取る妖怪です。

紙の鼻緒の草履を片方奪い、猟師の獲物も持ち去りました。

資料は愛知の民俗の記録が中心です。

片脚上臈が登場する研究

妖怪事典

村上健司編著、2000年。愛知の片脚上臈を整理しています。

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綜合日本民俗語彙

各地の民俗語を集めた辞典。上臈の呼び名が引けます。

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片脚上臈が登場する漫画・アニメ

山の妖怪を扱う作品

山男や山姥と並べて取り上げられます。

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片脚上臈についてよくある質問

片脚上臈とは何ですか。

愛知県八名郡山吉田村(現・新城市)に伝わる妖怪で、美しい上臈姿の片脚の妖怪です。

何を奪うのですか。

紙製の鼻緒の草履を履いた者がいると、その片方を奪うといいます。

なぜ紙の草履なのですか。

子抱き石という石へ行くには紙緒の草履を履いていかなければならないとされそのような女性が片方の草履を奪われたといいます。

避ける方法はありますか。

猟銃と山刀を十字に組んでおくか、袢纏をかけておくと、片脚上臈の怪異を避けるまじないになるといいます。

片脚上臈と併せて覚えたい言葉・用語

上臈(じょうろう)

身分の高い女性。美しい女性を指すこともある。

鼻緒(はなお)

草履や下駄の、指をかける緒。

袢纏(はんてん)

羽織に似た短い上着。