湖岸から出る火。相撲を挑んだ者を投げ飛ばす。

有阪北馬 「周遊奇談 化けの火」 1806年 / パブリックドメイン 出典
化け火とはどんな妖怪か
化け火は、近江に伝わる火の妖怪です。
近江国堅田村(現・滋賀県大津市堅田)に伝わります。
文化時代の奇談集『周遊奇談』には「化けの火」の名で記述があります。
出る場所と天気が決まっています。
四季を問わず曇りか小雨の夜、湖の湖岸から出現します。
曇りか小雨の夜です。
高さも決まっています。
地上から高さ4,5尺(約1.2〜1.5メートル)の空中を漂います。
そして、大きくなります。
最初は小さな火だが、移動しつつ大きさを増し、山の手に辿り着くころには直径3尺(約0.9メートル)ほどとなっています。
化け火の漢字表記と読み方
読みは「ばけび」です。
『周遊奇談』では「化けの火」の名で記述があります。
「ばけのひ」です。
化ける火、という意味です。
実際に、形を変えます。
この火の玉が人の顔が浮かび上がり、2人の人間の上半身が相撲をとっているような形になることもあるといいます。
人の顔が出ます。
そして、相撲の形になります。
この点が、後の話につながります。
田舎相撲の実力者が、この火に挑みました。
化け火(ばけび)
もっとも一般的な表記。
化けの火(ばけのひ)
『周遊奇談』での名。
化け火の姿と特徴
化け火の姿は、移動する火の玉です。
地上から高さ4,5尺(約1.2〜1.5メートル)の空中を漂います。
人の背より少し低い高さです。
大きさが変わります。
最初は小さな火だが、移動しつつ大きさを増し、山の手に辿り着くころには直径3尺(約0.9メートル)ほどとなっています。
三尺は、九十センチほどです。
そして、形を変えます。
この火の玉が人の顔が浮かび上がり、2人の人間の上半身が相撲をとっているような形になることもあるといいます。
化け火の伝承物語
湖岸から山の手へ
化け火の動きは、決まっています。
四季を問わず曇りか小雨の夜、湖の湖岸から出現します。
琵琶湖の岸です。
季節を選びません。
四季を問わずとあります。
選ぶのは、天気だけです。
曇りか小雨の夜です。
そして、山へ向かいます。
最初は小さな火だが、移動しつつ大きさを増し、山の手に辿り着くころには直径3尺ほどとなっています。
湖から山へ、大きくなりながら移ります。
堅田は、琵琶湖の西岸にあります。
相撲の形になる
この火には、変わった見え方があります。
この火の玉が人の顔が浮かび上がり、2人の人間の上半身が相撲をとっているような形になることもあるといいます。
二人が組み合った形です。
顔も浮かびます。
火の中に、相撲が見えます。
この形が、次の話を呼びました。
かつてある男が、この化け火の正体を暴こうと考えました。
正体を暴こうとしました。
その男には、心当たりがありました。
田舎相撲の実力者だったのです。
相撲なら負けない、と考えました。
投げ飛ばされて誰も関わらなくなった
男は、待ち構えました。
田の畦で彼が待ち構えていると、果たして化け火が現れました。
現れました。
そこで、突っ込みます。
田舎相撲の実力者である彼は、大声を張り上げながら化け火に立ち向かって行きました。
大声を上げました。
ところが、逆でした。
逆に5,6間(約9〜11メートル)も先へ投げ飛ばされてしまいました。
十メートル近く飛ばされました。
幸い、無事でした。
投げられた先には稲穂が実っていたため、男は傷を負わずに済みました。
だが彼を始め、化け火に立ち向かった者は皆、同様に投げ飛ばされてしまうため、遂には村人たちは誰も化け火に関らないようになりました。
化け火の伝承地域
化け火は、近江国堅田村(現・滋賀県大津市堅田)に伝わります。
湖の湖岸から出現するとされます。
堅田は、琵琶湖の西岸にある土地です。
山の手に辿り着くころには直径3尺(約0.9メートル)ほどとなっているといいます。
湖岸そのものが舞台であり、この名で祀られた社や碑は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。
化け火の正体と考えられているもの
化け火については、次のように整理できます。
一つめは、出どころです。文化時代の奇談集『周遊奇談』には「化けの火」の名で記述があります。
二つめは、出る条件です。四季を問わず曇りか小雨の夜、湖の湖岸から出現します。
三つめは、大きさです。最初は小さな火だが、移動しつつ大きさを増し、山の手に辿り着くころには直径3尺ほどとなっています。
四つめは、相撲の形です。この火の玉が人の顔が浮かび上がり、2人の人間の上半身が相撲をとっているような形になることもあるといいます。
五つめは、投げ飛ばしです。田舎相撲の実力者が挑んだところ、逆に5,6間も先へ投げ飛ばされてしまい、遂には村人たちは誰も化け火に関らないようになりました。
この火は、挑む者だけを投げます。 関わらなければ、何も起きません。
化け火をめぐる妖怪のつながり
化け火が登場する作品
化け火は、相撲を取る火です。
火の中に組み合う二人が見え、挑んだ者は投げ飛ばされました。
資料は江戸の奇談集に集まります。
化け火が登場する古典
周遊奇談
文化時代の奇談集。「化けの火」の名で記述があります。
化け火が登場する研究
化け火が登場する漫画・アニメ
怪火を扱う作品
鬼火や狐火と並べて取り上げられます。
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化け火についてよくある質問
化け火とは何ですか。
近江国堅田村(現・滋賀県大津市堅田)に伝わる火の妖怪で、『周遊奇談』には「化けの火」の名で記述があります。
いつ出るのですか。
四季を問わず曇りか小雨の夜、湖の湖岸から出現します。
どんな形になるのですか。
人の顔が浮かび上がり、2人の人間の上半身が相撲をとっているような形になることもあるといいます。
挑んだ人はどうなりましたか。
逆に5,6間(約9〜11メートル)も先へ投げ飛ばされてしまいました。投げられた先には稲穂が実っていたため、男は傷を負わずに済みました。
化け火と併せて覚えたい言葉・用語
堅田(かたた)
琵琶湖の西岸にある土地。
畦(あぜ)
田と田の間の細い道。
間(けん)
長さの単位。1間は約1.8メートル。