本文へ移動

静岡県

川猿(かわざる)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

川猿  / カワザル

水の妖怪 各地の伝説

川辺にすむ獣。馬は会っただけで死ぬという。

川猿とはどんな妖怪か

川猿は、静岡県に伝わる妖怪です。

遠州静岡県の榛原郡に伝わります

その名の通り、川辺に住む妖怪です。

名と中身が食い違います。

名前は「猿」だが、猿よりむしろカワウソや河童に近い種とされます

カワウソや河童に近いものです。

においも特徴です。

体中に魚の臭気があります

魚の臭いがします。

川猿の漢字表記と読み方

読みは「かわざる」です。

川にいる猿、という形の名です。

ただし、猿ではありません。

名前は「猿」だが、猿よりむしろカワウソや河童に近い種とされます

この形の名は、各地にあります。

磯天狗も、天狗という名前に反して河童の一種でした。

山鮫も、山に出るサメという名でした。

名と中身が食い違う妖怪は珍しくありません。

川猿も、その一つです。

川猿(かわざる)

もっとも一般的な表記。

榛原郡(はいばらぐん)

伝わる土地の名。

川猿の姿と特徴

川猿の姿は、猿に似ています

名前は「猿」だが、猿よりむしろカワウソや河童に近い種とされます

カワウソや河童に近いものです。

においがあります。

体中に魚の臭気があります

魚の臭いです。

そして、化けます。

子供の姿となって人を化かすこともあります

子どもの姿です。

弱点も伝わっています。

弱点は目と股で、ここに矢を受ければたちまち力が弱まってしまうといいます。

川猿の伝承物語

  1. 馬は会っただけで死ぬ
  2. 弱点は目と股
  3. 助けた人の顔は忘れない

馬は会っただけで死ぬ

川猿は、馬に恐れられました。

馬は川猿に会っただけで倒れて死んでしまうと言われ、馬の疫神として恐れられていました

会っただけです。

触れなくても死にます。

そこで、疫神とされました。

疫神は、病をもたらす神です。

馬は、当時の大事な財産でした。

それが死ぬのですから、恐れられます。

人には、別の害があります。

人間から害を加えられた際には、相手の体中の皮膚や肉をかきむしって重傷を負わせてしまうといいます。

弱点は目と股

川猿には、弱点があります。

弱点は目と股で、ここに矢を受ければたちまち力が弱まってしまうといいます。

目と股です。

矢を受けると弱ります。

河童にも、同じような弱点があります。

河童は、頭の皿の水がなくなると力を失います。

宇婆(奄美大島)も、皿の力水を叩き落すと消えてしまいました。

川猿は、矢で射ます。

そして、危害を加えると仕返しされます。

相手の体中の皮膚や肉をかきむしって重傷を負わせてしまうといいます。

助けた人の顔は忘れない

川猿の性格には、もう一面があります。

性格的には本来は臆病者です。

臆病です。

進んで人を襲うわけではありません。

そして、恩を覚えます。

自分を助けてくれた人間の顔は忘れないといいます。

顔を覚えています。

河童の話にも、同じ形があります。

尻こぼしは、皿を治してもらった礼に石を運びました

正吉河童も、相撲を取った相手をよく覚えていました。

川猿も、恩を返す側の妖怪です。

川猿の伝承地域

川猿は、遠州静岡県の榛原郡に伝わります。

その名の通り、川辺に住む妖怪とされます。

榛原郡は、静岡県中部の大井川流域にあたる地域です。

馬は川猿に会っただけで倒れて死んでしまうと言われ、馬の疫神として恐れられていました

川辺そのものが舞台であり、この名で祀られた社や碑は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。

川猿の正体と考えられているもの

川猿については、次のように整理できます。

一つめは、正体です。名前は「猿」だが、猿よりむしろカワウソや河童に近い種とされ、体中に魚の臭気があります

二つめは、化け方です。子供の姿となって人を化かすこともあります

三つめは、馬です。馬は川猿に会っただけで倒れて死んでしまうと言われ、馬の疫神として恐れられていました

四つめは、仕返しです。人間から害を加えられた際には、相手の体中の皮膚や肉をかきむしって重傷を負わせてしまうといいます。

五つめは、弱点と性格です。弱点は目と股で、ここに矢を受ければたちまち力が弱まってしまうといい、本来は臆病者だが、自分を助けてくれた人間の顔は忘れないといいます。

この妖怪は、恩を覚えています。 害を加えなければ、臆病な相手でした。

川猿をめぐる妖怪のつながり

川猿が登場する作品

川猿は、恩を覚えている妖怪です。

馬には疫神として恐れられ、人には害を返しました。

資料は静岡の民俗の記録が中心です。

川猿が登場する研究

妖怪事典

村上健司編著、2000年。遠州の川猿を整理しています。

Amazonで本・漫画を探す

綜合日本民俗語彙

各地の民俗語を集めた辞典。川猿の呼び名が引けます。

Amazonで本・漫画を探す

川猿が登場する漫画・アニメ

河童を扱う作品

川に住む獣として、河童やカワウソと並べて取り上げられます。

中部の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

川猿についてよくある質問

川猿とは何ですか。

遠州(静岡県)の榛原郡に伝わる妖怪で、その名の通り、川辺に住む妖怪です。

猿の仲間ですか。

名前は「猿」だが、猿よりむしろカワウソや河童に近い種とされ、体中に魚の臭気があります

馬にどんな害がありますか。

馬は川猿に会っただけで倒れて死んでしまうと言われ、馬の疫神として恐れられていました

弱点はありますか。

弱点は目と股で、ここに矢を受ければたちまち力が弱まってしまうといいます。

川猿と併せて覚えたい言葉・用語

遠州(えんしゅう)

遠江国の別の呼び名。今の静岡県西部。

疫神(えきじん)

病をもたらすとされる神。

榛原郡(はいばらぐん)

静岡県中部の大井川流域にあたる地域。