納戸に棲む老婆。掃除しようとすると床下へ逃げ込む。
納戸婆とはどんな妖怪か
納戸婆は、納戸に棲む老婆の妖怪です。
人家の納戸の中に棲んでいるという老婆の妖怪で、西日本で伝承されています。
納戸は、物をしまう部屋です。
そこにいます。
家人が納戸を掃除しようとすると、中から飛び出して床下へ逃げ込むという伝承が多いといいます。
逃げ込みます。
追い出す道具も決まっています。
納戸から飛び出して人を脅かす老婆で、庭箒で叩き出すことができるともいいます。
また、納戸を掃除すると床下に隠れるともいわれます。
納戸婆の漢字表記と読み方
読みは「なんどばば」または「なんどばばあ」です。
納戸にいる婆、という形の名です。
納戸は、物をしまう部屋です。
西日本では、特別な場所でした。
西日本では納戸に神を祀ることが多いといいます。
そこから、由来が語られます。
この納戸婆も元は納戸神として祀られ、家や家族の守り神であったともいいます。
神が、妖怪になった形です。
似た妖怪が、関東にもあります。
神奈川県津久井町(現・相模原市)の棚婆です。
納戸婆(なんどばば)
もっとも一般的な表記。
納戸婆(なんどばばあ)
もう一つの読み。
棚婆(たなばば)
神奈川県の類似の妖怪。
納戸婆の姿と特徴
納戸婆の姿は、老婆です。
岡山では、細かく伝わります。
頭の禿げた老婆で、「ホーッ」と声を上げながら現れます。
声を上げます。
庭箒で叩き出すと縁の下へ逃げ込みます。
小さい姿でも語られます。
岡山では旧家の納戸に、小さな老婆姿の納戸婆が座っているともいいます。
座っています。
正体には説があります。
豆狸が化けたものともいわれます。
納戸婆の伝承物語
掃除すると床下へ逃げる
納戸婆は、掃除のときに出ます。
家人が納戸を掃除しようとすると、中から飛び出して床下へ逃げ込むという伝承が多いといいます。
掃除がきっかけです。
また、納戸を掃除すると床下に隠れるともいわれます。
追い出す道具があります。
納戸から飛び出して人を脅かす老婆で、庭箒で叩き出すことができるともいいます。
庭箒です。
岡山では、声も伝わります。
岡山県赤磐郡高月村(現・赤磐市)や上道郡(現・岡山市)では、頭の禿げた老婆で、「ホーッ」と声を上げながら現れ、庭箒で叩き出すと縁の下へ逃げ込みます。
元は納戸神だった
この妖怪には、元の姿が語られています。
西日本では納戸に神を祀ることが多いといいます。
納戸は、神を祀る場所でした。
そこから、説明がつきます。
この納戸婆も元は納戸神として祀られ、家や家族の守り神であったともいいます。
守り神でした。
それが、追い出される側になりました。
祀られなくなった神の形です。
正体には、別の説もあります。
岡山では旧家の納戸に、小さな老婆姿の納戸婆が座っているともいい、豆狸が化けたものともいわれます。
豆狸は、小さな狸です。
赤ん坊をさらうという話
香川県では、もっと恐ろしくなります。
香川県東部では、生まれたばかりの赤ん坊をさらうとも言われます。
赤ん坊をさらいます。
ただし、混同とする見方があります。
これは山姥との混同によるものとの説もあります。
山姥です。
同じ伝承は、各地にあります。
この他、奈良県、兵庫県、宮崎県にも同様の伝承があります。
そして、関東にも似た妖怪がいます。
類似の妖怪に棚婆(たなばば)があります。
神奈川県津久井町(現・相模原市)の伝承によるもので、棚とは養蚕時に使われる三階のことをいい、そこに棲みつく恐ろしい老婆だといいます。
納戸婆の伝承地域
納戸婆は、西日本で伝承されています。
岡山県赤磐市(旧・赤磐郡高月村)・岡山市(旧・上道郡) … 頭の禿げた老婆で、「ホーッ」と声を上げながら現れるといいます。
香川県東部 … 生まれたばかりの赤ん坊をさらうとも言われます。
この他、奈良県、兵庫県、宮崎県にも同様の伝承があります。
神奈川県相模原市(旧・津久井町) … 類似の棚婆が伝わります。
家の中が舞台であり、この名で祀られた社や碑は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。
納戸婆の正体と考えられているもの
納戸婆については、次のように整理できます。
一つめは、住む場所です。人家の納戸の中に棲んでいるという老婆の妖怪で、西日本で伝承されています。
二つめは、逃げ方です。家人が納戸を掃除しようとすると、中から飛び出して床下へ逃げ込むという伝承が多いといいます。
三つめは、追い出し方です。庭箒で叩き出すことができるといい、岡山では庭箒で叩き出すと縁の下へ逃げ込みます。
四つめは、元の姿です。元は納戸神として祀られ、家や家族の守り神であったともいいます。
五つめは、香川の話です。生まれたばかりの赤ん坊をさらうとも言われますが、これは山姥との混同によるものとの説もあります。
この妖怪は、祀られなくなった神です。 掃除のたびに、追い出される側になっています。
納戸婆をめぐる妖怪のつながり
納戸婆が登場する作品
納戸婆は、祀られなくなった神です。
掃除のたびに床下へ逃げ、庭箒で叩き出されました。
資料は西日本の民俗の記録が中心です。
納戸婆が登場する研究
納戸婆が登場する漫画・アニメ
家の妖怪を扱う作品
座敷童子や倉ぼっこと並べて取り上げられます。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
納戸婆についてよくある質問
納戸婆とは何ですか。
人家の納戸の中に棲んでいるという老婆の妖怪で、西日本で伝承されています。
いつ出るのですか。
家人が納戸を掃除しようとすると、中から飛び出して床下へ逃げ込むという伝承が多いといいます。
追い出せますか。
庭箒で叩き出すことができるともいいます。
元は何だったのですか。
元は納戸神として祀られ、家や家族の守り神であったともいいます。
納戸婆と併せて覚えたい言葉・用語
納戸(なんど)
物をしまう部屋。西日本では神を祀ることが多い。
庭箒(にわぼうき)
庭を掃く箒。
豆狸(まめだぬき)
小さな狸。人を化かすとされる。