本文へ移動

全国に伝わるもの

赤坊主(あかぼうず)とはどんな妖怪か|姿と伝承

赤坊主  / アカボウズ

人型の妖怪 各地の伝説

新潟・京都・愛媛に伝わる赤い坊主。伝承はそれぞれ違う。

赤坊主の姿を描いた図

葛飾北斎 「鬼児嶋弥太郎 西法院赤坊主」 1830年ごろ / パブリックドメイン 出典

赤坊主とはどんな妖怪か

赤坊主は、三つの県に伝わる妖怪です。

新潟県、京都府、愛媛県に伝わります それぞれ伝承が異なります

新潟県のものは、悪行を働きました。

林泉寺の釣鐘を奪い、数々の悪行を行っていた妖怪です。

そこで、退治されます。

幼少時に林泉寺で出家した上杉謙信は、自軍でも最も勇猛な児島弥太郎、通称・鬼児島に退治を命じました

弥太郎は単身で林泉寺へ向かうと、死闘の末に赤坊主を倒し、鐘を奪い返しました

赤坊主の漢字表記と読み方

読みは「あかぼうず」です。

赤い坊主、そのままの名です。

「坊主」は、色をつけて呼ばれることが多くあります。

白坊主黒坊主赤坊主です。

そして、中身は土地ごとに違います。

新潟釣鐘を奪う悪行の妖怪
京都炎の中に立つ真っ赤な法師
愛媛海岸で灯りを照らすもの

同じ名で、別のものが呼ばれています。

白坊主も同じで、土地ごとにまったく違うものでした。

赤坊主(あかぼうず)

もっとも一般的な表記。

鬼児島(おにこじま)

退治した児島弥太郎の通称。

赤坊主の姿と特徴

赤坊主の姿は、土地によって違います

京都のものが、もっとも詳しく伝わります。

燃え上がる炎の中に真っ赤な法師が立っていたといいます。

炎の中に立っています。

愛媛のものは、灯りを持っています。

海岸に灯りが見えそこには赤坊主が灯りで照らしていたといいます。

新潟のものは、姿の記述がありません。

林泉寺の釣鐘を奪い、数々の悪行を行っていたとだけあります。

赤坊主の伝承物語

  1. 鬼児島が鐘を取り返した
  2. 吉事の前兆とされた
  3. 沖へ歩き去った

鬼児島が鐘を取り返した

新潟県の赤坊主は、寺の鐘を奪いました。

林泉寺の釣鐘を奪い、数々の悪行を行っていた妖怪です。

釣鐘です。

そして、退治の命が下ります。

幼少時に林泉寺で出家した上杉謙信は、自軍でも最も勇猛な児島弥太郎、通称・鬼児島に退治を命じました

上杉謙信が命じています。

謙信は、その寺で出家していました。

弥太郎は単身で林泉寺へ向かいました

一人で向かいました。

死闘の末に赤坊主を倒し、鐘を奪い返したといいます。

鐘は戻りました。

吉事の前兆とされた

京都府の赤坊主は、まったく違います。

柳原紀光の随筆『閑窓自語』に記述があります

日野一位資枝卿という人物が若い頃、仲間たちと共に夜更けまで酒を飲みつつ世間話を楽しんでいました

酒の席です。

そこへ、明かりが差します。

屏風の後ろが急に明るくなり、人の気配がしました

屏風の裏を覗くと、燃え上がる炎の中に真っ赤な法師が立っており、周囲が怪しむ中で姿を消してしまいました

消えました。

そして、悪いものではありませんでした。

正体は不明だが、家に吉事が起きることの前兆だといいます。

多田克己はこれを、東北地方の妖怪として知られる座敷童子に類するものとしています

沖へ歩き去った

愛媛県の赤坊主は、海に出ます。

南宇和郡城辺町の海で、ある老人が漁を終えて帰ろうとしたところ、海岸に灯りが見えました

灯りです。

老人は、近づきました。

老人が灯りへ近づくと、そこには赤坊主が灯りで照らしていました

灯りで照らしていました。

老人は逃げます。

老人は慌てて逃げ出しました

ところが、追ってきませんでした。

赤坊主は特に危害を加えることもなく、沖へ歩き去っていきました

海のほうへ歩いて行きました。

三つの伝承のうち、二つは害がありません。

赤坊主の伝承地域

赤坊主は、新潟県、京都府、愛媛県に伝わります。

新潟県林泉寺の釣鐘を奪ったとされます。上杉謙信が幼少時に出家した寺です。
京都府柳原紀光の随筆『閑窓自語』にあり、日野一位資枝卿の屋敷での話です。
愛媛県南宇和郡城辺町の海(現・愛南町)で、海岸に灯りが見えたといいます。

訪ねる際は、現地の案内をご確認ください。

春日山 林泉寺(かすがやま りんせんじ)

赤坊主に釣鐘を奪われたとされる寺

地図で開く

春日山 林泉寺の所在地:新潟県上越市中門前1-1-1

明応6年(1497年)、上杉謙信の祖父長尾能景が建てた寺です。

謙信は7歳から14歳までをここで過ごしました。

山門の「第一義」の扁額は謙信の自筆で、墓所には謙信の墓があります。

赤坊主の正体と考えられているもの

赤坊主については、次のように整理できます。

一つめは、三つに分かれることです。新潟県、京都府、愛媛県に伝わりそれぞれ伝承が異なります

二つめは、新潟です。林泉寺の釣鐘を奪い、数々の悪行を行っていた妖怪で、児島弥太郎、通称・鬼児島死闘の末に赤坊主を倒し、鐘を奪い返しました

三つめは、京都です。燃え上がる炎の中に真っ赤な法師が立っており正体は不明だが、家に吉事が起きることの前兆だといいます。

四つめは、愛媛です。海岸で赤坊主が灯りで照らしており特に危害を加えることもなく、沖へ歩き去っていきました

五つめは、座敷童子との比較です。多田克己はこれを、東北地方の妖怪として知られる座敷童子に類するものとしています

同じ名で、まったく違うものが呼ばれています。 白坊主と同じ形です。

赤坊主をめぐる妖怪のつながり

赤坊主が登場する作品

赤坊主は、同じ名で別のものを指す例です。

新潟では退治され、京都では吉事の前兆、愛媛では害なく去ります。

資料は各地の民俗の記録と、京都の随筆に分かれます。

赤坊主が登場する古典

閑窓自語

柳原紀光の随筆。京都の赤坊主を記します。

赤坊主が登場する研究

妖怪事典

村上健司編著、2000年。三つの赤坊主を整理しています。

Amazonで本・漫画を探す

多田克己の論考

京都の赤坊主を座敷童子に類するものとしています。

赤坊主が登場する漫画・アニメ

坊主の妖怪を扱う作品

白坊主や黒坊主と並べて取り上げられます。

日本の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

赤坊主についてよくある質問

赤坊主とは何ですか。

新潟県、京都府、愛媛県に伝わる妖怪で、それぞれ伝承が異なります

新潟の話とは何ですか。

林泉寺の釣鐘を奪い、数々の悪行を行っていた妖怪で、児島弥太郎死闘の末に赤坊主を倒し、鐘を奪い返しました

京都の話とは何ですか。

燃え上がる炎の中に真っ赤な法師が立っており正体は不明だが、家に吉事が起きることの前兆だといいます。

愛媛の話とは何ですか。

海岸に灯りが見え、そこには赤坊主が灯りで照らしており特に危害を加えることもなく、沖へ歩き去っていきました

赤坊主と併せて覚えたい言葉・用語

林泉寺(りんせんじ)

新潟県上越市の寺。上杉謙信が幼少時に出家した。

釣鐘(つりがね)

寺の鐘。

吉事(きちじ)

めでたいこと。