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岩手県

倉ぼっこ(くらぼっこ)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

倉ぼっこ  / クラボッコ

そのほか 遠野物語

倉の守り神。離れると家運が傾く。火事から荷物を運び出したという。

倉ぼっことはどんな妖怪か

倉ぼっこは、倉の守り神として伝えられている妖怪です。蔵ぼっことも書きます。

岩手県遠野地方に伝承されています。

姿は、次のように描かれます。

子供ほどの背丈、全身毛むくじゃらか、頭髪が体全体を被うほど長い姿で描かれることが多いといいます。

そして、害がありません。

危害を加えず、人を助けるといいます。

座敷童子に類する妖怪です。

いなくなると、家が傾きます。

倉ぼっこが倉から離れると家運が徐々に傾くといいます。

倉ぼっこの漢字表記と読み方

読みは「くらぼっこ」です。

ぼっこ」は、東北で子どもを指す言葉です。

倉の子ども、という名です。

そして、記録ごとに名が違います。

柳田國男『遠野物語拾遺』… 「御蔵ボッコ」。
佐々木喜善『奥州のザシキワラシの話』… 「クラワラシ」。

「ワラシ」も子どもの意です。

座敷童子(ザシキワラシ)と、名の作りが同じです。

住む場所が、座敷か倉かの違いです。

倉ぼっこ(くらぼっこ)

もっとも一般的な表記。

蔵ぼっこ(くらぼっこ)

蔵の字を当てた形。

御蔵ボッコ(おくらぼっこ)

『遠野物語拾遺』での名。

クラワラシ(くらわらし)

佐々木喜善『奥州のザシキワラシの話』での名。

倉ぼっこの姿と特徴

倉ぼっこの姿は、次のように伝わります。

子供ほどの背丈
全身毛むくじゃらか、頭髪が体全体を被うほど長い

毛に覆われています。

ただし、めったに見えません。

倉の中で糸車や囃子などの物音を立てることはあるが、姿を現すことは非常に少ないといわれます。

音だけです。

そして、確かめる方法があります。

遠野のある家で、倉に籾殻を撒いておくと足跡が残るので存在がわかるといいます。

籾殻を撒いて、足跡を見ます。

倉ぼっこの伝承物語

  1. 籾殻を撒いて足跡を見る
  2. 便意を催すと現れる前兆
  3. 火事から荷物を運び出す

籾殻を撒いて足跡を見る

倉ぼっこは、姿を見せません。

倉の中で糸車や囃子などの物音を立てることはあるが、姿を現すことは非常に少ないといわれます。

音だけです。

そこで、確かめ方が生まれました。

柳田國男の『遠野物語拾遺』では「御蔵ボッコ」の名で述べられており、
遠野のある家で、倉に籾殻を撒いておくと足跡が残るので存在がわかるとあります。

籾殻を撒きます。

翌朝、足跡を見ます。

声を聞いた記録もあります。

民話研究家・佐々木喜善の著書『奥州のザシキワラシの話』では名称は「クラワラシ」とされ、
ある酒屋で倉に入ってきた人に子供のような声で「ほいほい」と声をかけたり、異様な音を立てたといいます。

便意を催すと現れる前兆

江戸の記録にも、倉ぼっこがいます。

文献に残っているものでは、江戸時代、本所の梅原宗得という人物の土蔵に棲み付いていたといわれます。

江戸の土蔵です。

害はありません。

人に害をなす妖怪ではないといいます。

ただし、前兆がありました。

この土蔵に入って仕事をする者は、便意を催すと、この妖怪の現れる前兆なので急いで蔵を出たといいます。

便意が合図です。

変わった知らせ方です。

体の変化で、そこにいるとわかるという形になっています。

急いで出れば、会わずに済みます。

火事から荷物を運び出す

倉ぼっこは、人を助けました。

防火の神としても祀られておりあるときに近所で火事があり、この家の片づけが間に合いそうにないときのことです。

間に合いません。

顔が見えないほど髪を長く垂らした女の姿となって現れ、荷物を運び出して火災から守ったといいます。

女の姿になりました。

そして、荷物を運びました。

ふだんは子供ほどの背丈とされるのに、このときは女の姿です。

姿を変えました。

倉の守り神という性格が、もっともよく出ている話です。

守るために現れました。

倉ぼっこの伝承地域

倉ぼっこは、岩手県遠野地方に伝承されています。

柳田國男の『遠野物語拾遺』に「御蔵ボッコ」の名で述べられ、遠野のある家で倉に籾殻を撒いておくと足跡が残るとあります。

民話研究家・佐々木喜善の『奥州のザシキワラシの話』では「クラワラシ」とされ、ある酒屋の話が記されています。

江戸にも記録があります。

江戸時代、本所の梅原宗得という人物の土蔵に棲み付いていたといわれます。

個々の家や倉の所在は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。

倉ぼっこの正体と考えられているもの

倉ぼっこについては、次のように整理できます。

一つめは、倉の守り神です。危害を加えず、人を助けるとされ、座敷童子に類する妖怪です。

二つめは、家運です。倉ぼっこが倉から離れると家運が徐々に傾くといいます。

三つめは、音と足跡です。倉の中で糸車や囃子などの物音を立てる姿を現すことは非常に少なく倉に籾殻を撒いておくと足跡が残るので存在がわかるといいます。

四つめは、便意です。江戸の本所の梅原宗得の土蔵では、この土蔵に入って仕事をする者は、便意を催すと、この妖怪の現れる前兆なので急いで蔵を出たといいます。

五つめは、防火の神です。顔が見えないほど髪を長く垂らした女の姿となって現れ、荷物を運び出して火災から守ったという話があります。

この妖怪は、いてくれるだけでよいものです。 離れられることのほうが、恐れられました。

倉ぼっこをめぐる妖怪のつながり

倉ぼっこが登場する作品

倉ぼっこは、いてほしい妖怪です。

害はなく、火事から荷物を運び出し、離れると家運が傾きます。

資料は遠野の伝承と、江戸の記録に分かれます。

倉ぼっこが登場する古典

遠野物語

柳田国男が佐々木喜善から聞き書きした岩手の伝承集。拾遺に御蔵ボッコがあります。

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奥州のザシキワラシの話

佐々木喜善。クラワラシの名で、酒屋の倉の話を記します。

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倉ぼっこが登場する研究

妖怪事典

村上健司編著、2000年。遠野の倉ぼっこを整理しています。

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倉ぼっこが登場する漫画・アニメ

ゲゲゲの鬼太郎

座敷童子が登場します。

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妖怪をまとめて扱う作品

家に付く小さな者として、座敷童子と並べて取り上げられます。

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倉ぼっこについてよくある質問

倉ぼっことは何ですか。

倉の守り神として伝えられている妖怪で、岩手県遠野地方に伝承されています。座敷童子に類する妖怪です。

どんな姿ですか。

子供ほどの背丈、全身毛むくじゃらか、頭髪が体全体を被うほど長い姿で描かれることが多いといいます。

いるかどうか確かめられますか。

遠野のある家では、倉に籾殻を撒いておくと足跡が残るので存在がわかるといいます。

助けてくれた話はありますか。

近所で火事があり、この家の片づけが間に合いそうにないとき、顔が見えないほど髪を長く垂らした女の姿となって現れ、荷物を運び出して火災から守ったといいます。防火の神としても祀られています。

倉ぼっこと併せて覚えたい言葉・用語

ぼっこ(ぼっこ)

東北で子どもを指す言葉。

遠野物語拾遺(とおのものがたりしゅうい)

柳田國男の著書。御蔵ボッコを述べる。

籾殻(もみがら)

稲の実の外皮。撒いて足跡を見た。