木の下で算盤を弾く坊主。首を吊った小坊主の霊ともいう。

算盤坊主とはどんな妖怪か
算盤坊主は、京都に伝わる妖怪です。算盤小僧(そろばんこぞう)ともいいます。
京都府船井郡西別院に伝わります。
することが決まっています。
夜、寺や神社の木の下で算盤を弾く坊主(小僧)姿のものといわれます。
算盤を弾きます。
場所も細かく伝わっています。
西別院村笑路(現・亀岡市)では、夜中に笑路の西光寺の近くを通ると、寺のそばにあるカヤの木の下に坊主の姿で現れ、木の下で盛んに算盤を弾き始めるものを「算盤坊主」と呼びます。
カヤの木の下です。
算盤坊主の漢字表記と読み方
読みは「そろばんぼうず」です。
算盤小僧(そろばんこぞう)ともいいます。
二つの名は、場所で使い分けられます。
西光寺のカヤの木の下 … 「算盤坊主」。
素盞嗚神社の大木の下 … 「算盤小僧」。
隣り合った寺と神社です。
そして、正体の説も分かれます。
算盤坊主 … タヌキの仕業とも、首を吊って自殺した小坊主の霊とも。
算盤小僧 … 西光寺の開山・萬安英種という和尚の幼い姿とも。
算盤坊主(そろばんぼうず)
西光寺のカヤの木の下に出るもの。
算盤小僧(そろばんこぞう)
素盞嗚神社の大木の下に出るもの。
算盤坊主の姿と特徴
算盤坊主の姿は、坊主です。
寺や神社の木の下で算盤を弾く坊主(小僧)姿のものとされます。
算盤を持っています。
神社のほうは、少年です。
境内の大木の下に少年の姿で現れて算盤の稽古を始めるといいます。
時刻も決まっています。
毎晩午前1時頃です。
そして、音が聞こえます。
木の下で盛んに算盤を弾き始めるといいます。
算盤坊主の伝承物語
カヤの木の下で算盤を弾く
寺のほうの話です。
西別院村笑路(現・亀岡市)では、夜中に笑路の西光寺の近くを通ると、寺のそばにあるカヤの木の下に坊主の姿で現れ、木の下で盛んに算盤を弾き始めるものを「算盤坊主」と呼びます。
カヤの木です。
夜中に通ると出ます。
正体には、二つの説があります。
タヌキの仕業ともいわれています。
タヌキです。
もう一つは、人の霊です。
その寺では、かつて計算を間違えて和尚に叱られた小坊主が、その木で首を吊って自殺したと言われており、その坊主の霊とも言われています。
計算を間違えて叱られた
霊とする説には、理由があります。
かつて計算を間違えて和尚に叱られた小坊主が、その木で首を吊って自殺したと言われています。
計算違いです。
叱られました。
そして、その木で死にました。
だから、その木の下で算盤を弾きます。
その坊主の霊とも言われています。
死んだ後も、計算を続けています。
間違えた計算を、やり直しているようにも読めます。
算盤の音だけが残りました。
寺のそばのカヤの木です。
隣の神社の算盤小僧
隣の神社にも、似たものが出ます。
この西光寺の隣の素盞嗚神社でも、毎晩午前1時頃、境内の大木の下に少年の姿で現れて算盤の稽古を始めるものを「算盤小僧」といいます。
午前一時です。
少年の姿です。
算盤の稽古をしています。
こちらの正体は、まったく違います。
一説によれば、この少年は西光寺の開山・萬安英種という和尚で、幼い頃に夜中に人知れず勉学に励んでいた姿だと伝えられています。
開山の和尚の、幼い姿です。
寺の側は死んだ小坊主、神社の側は励む少年です。
同じ算盤の音が、正反対の話になっています。
算盤坊主の伝承地域
算盤坊主は、京都府船井郡西別院に伝わります。
京都府亀岡市(旧・西別院村笑路) … 西光寺のそばのカヤの木の下に「算盤坊主」が出るといいます。
西光寺の隣の素盞嗚神社でも、境内の大木の下に「算盤小僧」が出るといいます。
毎晩午前1時頃とされます。
訪ねる際は、現地の案内をご確認ください。
素盞嗚神社(すさのおじんじゃ)
算盤小僧が出るとされる社
素盞嗚神社の所在地:京都府亀岡市西別院町笑路
西光寺のすぐ近くにあります。
境内の大木の下に「算盤小僧」が出るといいます。
毎晩午前1時ごろ、少年が現れて算盤の稽古を始めるとされます。
禅師 万安英種の幼いころの姿とする説があります。
算盤坊主の正体と考えられているもの
算盤坊主については、次のように整理できます。
一つめは、することです。夜、寺や神社の木の下で算盤を弾く坊主(小僧)姿のものとされます。
二つめは、場所です。西光寺のそばにあるカヤの木の下と、隣の素盞嗚神社の境内の大木の下です。
三つめは、タヌキ説です。タヌキの仕業ともいわれています。
四つめは、小坊主の霊です。かつて計算を間違えて和尚に叱られた小坊主が、その木で首を吊って自殺したと言われており、その坊主の霊とも言われています。
五つめは、開山の和尚です。この少年は西光寺の開山・萬安英種という和尚で、幼い頃に夜中に人知れず勉学に励んでいた姿だと伝えられています。
同じ算盤の音に、正反対の話がついています。 死んだ小坊主と、励む少年です。
算盤坊主をめぐる妖怪のつながり
算盤坊主が登場する作品
算盤坊主は、同じ音に二つの話がついた例です。
寺では死んだ小坊主、神社では励む少年とされます。
資料は京都の民俗の記録が中心です。
算盤坊主が登場する研究
算盤坊主が登場する漫画・アニメ
音の妖怪を扱う作品
小豆洗いや竹伐狸と並べて取り上げられます。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
算盤坊主についてよくある質問
算盤坊主とは何ですか。
京都府船井郡西別院に伝わる妖怪で、夜、寺や神社の木の下で算盤を弾く坊主(小僧)姿のものといわれます。
どこに出るのですか。
笑路の西光寺のそばにあるカヤの木の下です。隣の素盞嗚神社でも毎晩午前1時頃に出るといいます。
正体は何ですか。
タヌキの仕業ともいわれ、かつて計算を間違えて和尚に叱られた小坊主が、その木で首を吊って自殺したと言われており、その坊主の霊とも言われています。
算盤小僧とは何ですか。
西光寺の開山・萬安英種という和尚で、幼い頃に夜中に人知れず勉学に励んでいた姿だと伝えられています。
算盤坊主と併せて覚えたい言葉・用語
算盤(そろばん)
珠を動かして計算する道具。
カヤ(かや)
イチイ科の常緑樹。大木になる。
開山(かいさん)
その寺を開いた僧。