木の音が綿繰り車に聞こえた。木の下に白髪の老婆が出る。
木綿ひき婆とはどんな妖怪か
木綿ひき婆は、福岡県に伝わる妖怪です。
始まりは、木の音です。
福岡の屋敷町の空き地に古い大きな落葉樹があり、それが風に吹かれる音があたかも綿繰り車を回す音のようでした。
風の音です。
綿繰り車の音に聞こえました。
そして、名がつきました。
それを聞いた子供たちが「木綿ひき婆だ」と言って恐れていました。
子どもたちが名づけました。
木綿ひき婆の漢字表記と読み方
読みは「もめんひきばば」または「もめんひきばばあ」です。
木綿を引く婆、という形の名です。
「木綿ひき」は、綿から糸を取ることです。
綿繰り車を回す音が、名の元になりました。
同じ道具を回す妖怪が、各地にあります。
糸取り狢(山梨県)は、糸取り車を回す老婆でした。
糸引き娘(徳島県)は、糸引き車で糸をひく娘でした。
どれも、女が車を回します。
木綿ひき婆だけが、木の音から生まれています。
木綿ひき婆(もめんひきばば)
もっとも一般的な表記。
木綿ひき婆(もめんひきばばあ)
もう一つの読み。
綿繰り車(わたくりぐるま)
綿から種を取る道具。
木綿ひき婆の姿と特徴
木綿ひき婆の姿は、白髪の老婆です。
この落葉樹の下には白髪の老婆が現れて綿繰り車を回していたともいわれます。
木の下です。
綿繰り車を回しています。
そして、睨みます。
人が通りかかると恐ろしい視線で睨みつけたといいます。
睨みつけます。
それ以上の害は伝わっていません。
木綿ひき婆の伝承物語
風の音が車の音に聞こえた
この妖怪は、音から生まれました。
福岡の屋敷町の空き地に古い大きな落葉樹がありました。
古い大きな木です。
空き地に立っていました。
それが風に吹かれる音があたかも綿繰り車を回す音のようでした。
綿繰り車の音です。
きしむような音だったのでしょう。
そして、子どもが名をつけます。
それを聞いた子供たちが「木綿ひき婆だ」と言って恐れていました。
音に、姿を与えました。
木の下で睨みつける
やがて、姿が語られます。
この落葉樹の下には白髪の老婆が現れて綿繰り車を回していたともいわれます。
白髪の老婆です。
車を回しています。
音の主が、形を得ました。
そして、通行人を睨みます。
人が通りかかると恐ろしい視線で睨みつけたといいます。
睨むだけです。
捕まえたり、害を加えたりはしません。
音と、視線だけの妖怪です。
木綿ひき婆の伝承地域
木綿ひき婆は、福岡県に伝わります。
福岡の屋敷町の空き地に古い大きな落葉樹があったとされます。
この落葉樹の下には白髪の老婆が現れて綿繰り車を回していたともいわれます。
木の場所は確かめられておらず、この名で祀られた社や碑もありません。この欄は空のままにしてあります。
木綿ひき婆の正体と考えられているもの
木綿ひき婆については、次のように整理できます。
一つめは、音です。古い大きな落葉樹があり、それが風に吹かれる音があたかも綿繰り車を回す音のようでした。
二つめは、名づけです。それを聞いた子供たちが「木綿ひき婆だ」と言って恐れていました。
三つめは、姿です。この落葉樹の下には白髪の老婆が現れて綿繰り車を回していたともいわれます。
四つめは、することです。人が通りかかると恐ろしい視線で睨みつけたといいます。
五つめは、仲間です。糸取り狢(山梨県)や糸引き娘(徳島県)も、糸や綿の道具を回す女として語られます。
この妖怪は、音から姿になりました。 風の音が、老婆の形をとりました。
木綿ひき婆をめぐる妖怪のつながり
木綿ひき婆が登場する作品
木綿ひき婆は、音から姿になった妖怪です。
風が木を鳴らす音が、綿繰り車を回す老婆になりました。
資料は福岡の民俗の記録が中心です。
木綿ひき婆が登場する漫画・アニメ
音の妖怪を扱う作品
竹伐狸や小豆洗いと並べて取り上げられます。
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木綿ひき婆についてよくある質問
木綿ひき婆とは何ですか。
福岡県に伝わる妖怪で、落葉樹が風に吹かれる音があたかも綿繰り車を回す音のようであったことから呼ばれました。
名前は誰がつけたのですか。
それを聞いた子供たちが「木綿ひき婆だ」と言って恐れていました。
姿は見えるのですか。
この落葉樹の下には白髪の老婆が現れて綿繰り車を回していたともいわれます。
何をするのですか。
人が通りかかると恐ろしい視線で睨みつけたといいます。
木綿ひき婆と併せて覚えたい言葉・用語
綿繰り車(わたくりぐるま)
綿から種を取り除く道具。
落葉樹(らくようじゅ)
秋に葉を落とす木。
屋敷町(やしきまち)
武家屋敷などの並ぶ町。