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山梨県

頬撫で(ほおなで)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

頬撫で  / ホオナデ

そのほか 各地の伝説

夜道で青白い手が現れて頬を撫でる。

頬撫でとはどんな妖怪か

頬撫では、山梨県に伝わる妖怪です。

山梨県道志村大羽根に伝わります

民俗学者・伊藤堅吉による道志村の村史『道志七里』に記述があり、東京都の高尾山にも伝承があります

することは、一つです。

人が夜中に谷間の小道などを通っていると、青白い手が現れて頬を撫でるというものです。

頬を撫でます。

それだけです。

目的も語られています。

肝試しのように、人間の肝を潰すことが目的で現れるともいいます。

頬撫での漢字表記と読み方

読みは「ほおなで」です。

頬を撫でる、そのままの名です。

土地によって、撫でる場所が変わります。

長野県北安曇郡池田町ではこうした怪異を顔撫ぜ(かおなぜ)または顔撫で(かおなで)といいます

顔です。

そして、違いもあります。

通行人の顔を冷たい手が撫でてくるが、頬撫でと違って姿が見えることは少ないといいます。

長野では、手が見えません。

山梨では、青白い手が見えます。

頬撫で(ほおなで)

山梨県道志村での呼び名。

顔撫ぜ(かおなぜ)

長野県北安曇郡池田町での呼び名。

顔撫で(かおなで)

同じく長野県での呼び名。

びっくり坂(びっくりざか)

宮城県で同様の怪異が起きる坂の名。

頬撫での姿と特徴

頬撫での姿は、手だけです。

青白い手が現れて頬を撫でるといいます。

青白い手です。

体はありません。

長野では、見えないこともあります。

通行人の顔を冷たい手が撫でてくるが、頬撫でと違って姿が見えることは少ないといいます。

宮城でも、手は冷たいものです。

冷たい手に顔を撫でられるといいます。

冷たさが共通しています。

頬撫での伝承物語

  1. 谷間の小道で頬を撫でる
  2. 枯れ尾花か、本物の手か
  3. びっくり坂

谷間の小道で頬を撫でる

頬撫での出る場所は、決まっています。

人が夜中に谷間の小道などを通っていると、青白い手が現れて頬を撫でるというものです。

谷間の小道です。

夜中です。

そして、目的があります。

肝試しのように、人間の肝を潰すことが目的で現れるともいいます。

驚かすためです。

害はありません。

撫でるだけです。

同じ伝承は、東京にもあります。

東京都の高尾山にも伝承があります

枯れ尾花か、本物の手か

この怪異には、現実的な説明があります。

夜露に濡れた枯れ尾花が頬に触れる様子を妖怪と見誤ったとの説もあります

枯れ尾花はススキの穂です。

夜露に濡れています。

顔に触れれば、冷たく感じます。

ところが、証言が食い違います。

『道志七里』によると、頬撫でに遭ったという者は実際に青白い手が暗闇の中から現れたと証言していたといいます。

手を見た、と言っています。

枯れ尾花ではありません。

村史は、その証言を記録しました。

びっくり坂

同じ怪異は、宮城県にもあります。

宮城県伊具郡筆甫村(現・丸森町でも、裏ノ沢から鷲ノ平へ行く途中にあるびっくり坂(びっくりざか)という場所を夜に通ると、冷たい手に顔を撫でられるという、同様の怪異が伝わっています

びっくり坂です。

名がそのまま怪異を表しています。

驚く坂、という意味です。

山梨、長野、東京、宮城です。

四つの土地に、同じ形があります。

青白い手(山梨)、
冷たい手(長野・宮城)です。

どれも、夜道で顔に触れます。

頬撫での伝承地域

頬撫では、山梨県道志村大羽根に伝わります。

民俗学者・伊藤堅吉による道志村の村史『道志七里』に記述があります

同じ怪異は、各地にあります。

東京都の高尾山
長野県北安曇郡池田町 … 「顔撫ぜ」「顔撫で」。
宮城県丸森町(旧・伊具郡筆甫村) … 裏ノ沢から鷲ノ平へ行く途中にあるびっくり坂

夜道そのものが舞台であり、この名で祀られた社や碑は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。

頬撫での正体と考えられているもの

頬撫でについては、次のように整理できます。

一つめは、出どころです。民俗学者・伊藤堅吉による道志村の村史『道志七里』に記述があります

二つめは、することです。人が夜中に谷間の小道などを通っていると、青白い手が現れて頬を撫でるというものです。

三つめは、目的です。肝試しのように、人間の肝を潰すことが目的で現れるともいいます。

四つめは、枯れ尾花の説です。夜露に濡れた枯れ尾花が頬に触れる様子を妖怪と見誤ったとの説もあります

五つめは、証言です。頬撫でに遭ったという者は実際に青白い手が暗闇の中から現れたと証言していたといいます。

この怪異は、触れるだけです。 肝を潰すことが目的とされました。

頬撫でをめぐる妖怪のつながり

頬撫でが登場する作品

頬撫では、触れるだけの怪異です。

青白い手が夜道で頬を撫で、肝を潰すのが目的とされました。

資料は山梨の村史と、各地の民俗の記録に分かれます。

頬撫でが登場する研究

伊藤堅吉『道志七里』

道志村の村史。頬撫での証言を記録しています。

妖怪事典

村上健司編著、2000年。各地の頬撫でを整理しています。

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頬撫でについてよくある質問

頬撫でとは何ですか。

山梨県道志村大羽根に伝わる妖怪で、人が夜中に谷間の小道などを通っていると、青白い手が現れて頬を撫でるというものです。

害はありますか。

肝試しのように、人間の肝を潰すことが目的で現れるともいいます。

正体は何ですか。

夜露に濡れた枯れ尾花が頬に触れる様子を妖怪と見誤ったとの説もあります。ただし遭ったという者は実際に青白い手が暗闇の中から現れたと証言していたといいます。

ほかの土地にもありますか。

東京都の高尾山長野県北安曇郡池田町顔撫ぜ)、宮城県のびっくり坂にも同様の怪異が伝わります。

頬撫でと併せて覚えたい言葉・用語

枯れ尾花(かれおばな)

枯れたススキの穂。

道志村(どうしむら)

山梨県の東部にある村。

肝を潰す(きもをつぶす)

ひどく驚くこと。