道の真ん中に衝立となって現れる。構わず進めば通れる。
衝立狸とはどんな妖怪か
衝立狸は、徳島に伝わる化け狸です。
徳島県美馬郡脇町(現・美馬市)に伝わります。
出る場所が決まっています。
脇町大字脇町から隣りの新町へ向かう途中にある高須という寂しげな場所に現れたといいます。
寂しい場所です。
そして、道をふさぎます。
人が夜道を歩いていると、大きな衝立となって道の真ん中に現れます。
衝立です。
ただし、抜け方があります。
強気な人が丹田(臍)に力を込め、構わずに突き進むと、そのまま通り抜けることができるといいます。
衝立狸の漢字表記と読み方
読みは「ついたてだぬき」です。
衝立に化ける狸、という名です。
衝立は、部屋を仕切る板です。
それが、道の真ん中に立ちます。
大きな衝立となって道の真ん中に現れます。
阿波は、化け狸の話が多い土地です。
幽霊狸も、阿波国美馬郡脇町の話でした。
同じ脇町です。
そして、同類とされる妖怪があります。
多田克己はこれを、同様に道行く人を足止めする妖怪、塗壁の一種としています。
衝立狸(ついたてだぬき)
もっとも一般的な表記。
高須(たかす)
現れるとされる場所の名。
衝立狸の姿と特徴
衝立狸の姿は、大きな衝立です。
大きな衝立となって道の真ん中に現れます。
道をふさぎます。
狸としての姿は、伝わっていません。
衝立の形だけです。
通り方は決まっています。
強気な人が丹田(臍)に力を込め、構わずに突き進むと、そのまま通り抜けることができます。
すり抜けられます。
大抵の人は足止めをされたことに驚いて引き返します。
引き返すほうが多かったようです。
衝立狸の伝承物語
丹田に力を込めれば通れる
この妖怪には、通り方があります。
人が夜道を歩いていると、大きな衝立となって道の真ん中に現れます。
急に現れます。
多くの人は、引き返しました。
大抵の人は足止めをされたことに驚いて引き返します。
驚くからです。
ところが、進めば通れます。
強気な人が丹田(臍)に力を込め、構わずに突き進むと、そのまま通り抜けることができます。
丹田は、へその下のあたりです。
気を落ち着ける場所とされました。
驚かなければ、害がありません。
塗壁の一種とされる理由も、ここにあります。
光明真言を四万八千遍
この道は、通る人がいなくなりました。
かつて多くの人々から恐れられ、この道を夜に通る人は殆どいなくなりました。
夜道が使われなくなりました。
そこで、村が動きます。
付近の人々が集まって光明真言を4万8千遍唱えました。
四万八千遍です。
そして、石碑を建てました。
緑泥片岩で高さ1丈程の石碑を建てて衝立狸を封印しました。
(僧侶が封印したとの説もあります)。
一丈は、三メートルほどです。
以来、この怪異は無くなったといいます。
封印の石碑は盗まれた
その石碑は、長く残っていました。
徳島の郷土史家・笠井新也による『阿波の狸の話』(1927/昭和2年)には、この石碑が現存するとあります。
昭和二年の記録です。
ところが、後に失われます。
その後に妖怪研究家・村上健司が現地調査で土地の人々から取材したところによれば、衝立狸を封じたという石碑は近年まで高須に実在していました。
近年までありました。
しかし、盗まれました。
昭和40年代に心無い者による盗難に遭ってしまったため、現存していません。
盗難です。
封印の石は、なくなりました。
話だけが残っています。
衝立狸の伝承地域
衝立狸は、徳島県美馬郡脇町(現・美馬市)に伝わります。
脇町大字脇町から隣りの新町へ向かう途中にある高須という寂しげな場所に現れたといいます。
緑泥片岩で高さ1丈程の石碑を建てて衝立狸を封印しましたが、
昭和40年代に心無い者による盗難に遭ってしまったため、現存していません。
石碑は失われており、この欄は空のままにしてあります。
衝立狸の正体と考えられているもの
衝立狸については、次のように整理できます。
一つめは、場所です。脇町大字脇町から隣りの新町へ向かう途中にある高須という寂しげな場所に現れました。
二つめは、姿です。人が夜道を歩いていると、大きな衝立となって道の真ん中に現れます。
三つめは、通り方です。強気な人が丹田に力を込め、構わずに突き進むと、そのまま通り抜けることができます。
四つめは、封印です。付近の人々が集まって光明真言を4万8千遍唱え、緑泥片岩で高さ1丈程の石碑を建てて衝立狸を封印しました。
五つめは、石碑の行方です。近年まで高須に実在していたが、昭和40年代に心無い者による盗難に遭ってしまったため、現存していません。
この妖怪は、驚かなければ通れます。 多田克己は塗壁の一種としています。
衝立狸をめぐる妖怪のつながり
衝立狸が登場する作品
衝立狸は、驚かなければ通れる妖怪です。
封じた石碑は昭和40年代に盗まれ、現存していません。
資料は徳島の郷土史と、現地調査に分かれます。
衝立狸が登場する研究
衝立狸が登場する漫画・アニメ
化け狸を扱う作品
道をふさぐ狸として、塗壁と並べて取り上げられます。
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衝立狸についてよくある質問
衝立狸とは何ですか。
徳島県美馬郡脇町(現・美馬市)に伝わる化け狸で、大きな衝立となって道の真ん中に現れます。
通り抜けられますか。
強気な人が丹田(臍)に力を込め、構わずに突き進むと、そのまま通り抜けることができます。
どうやって封じたのですか。
付近の人々が集まって光明真言を4万8千遍唱え、緑泥片岩で高さ1丈程の石碑を建てて衝立狸を封印しました。
石碑は残っていますか。
昭和40年代に心無い者による盗難に遭ってしまったため、現存していません。
衝立狸と併せて覚えたい言葉・用語
衝立(ついたて)
部屋の仕切りに立てる板。
丹田(たんでん)
へその下のあたり。気を落ち着ける場所とされる。
光明真言(こうみょうしんごん)
密教で唱えられる真言の一つ。