本文へ移動

徳島県

幽霊狸(ゆうれいだぬき)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

幽霊狸  / ユウレイダヌキ

狐と狸 各地の伝説

母の葬式を見せて騙す古狸。斧で叩かれて死んだ。

幽霊狸とはどんな妖怪か

幽霊狸は、阿波に伝わる化け狸です。

阿波国美馬郡脇町の猪尻村(現・徳島県美馬市に伝わります

住みかが決まっています。

猪尻村の樽井という地の墓場にエノキの大木があり、幽霊狸はこの木の根元を巣としていました

墓場の大木です。

そこへ、挑む者が現れます。

あるときに猪尻村に住む兵八という豪胆者が狸の正体を見抜いてやろうと、斧を手にして出かけました

誰も近寄らなかった大木に登って夜を待ちました

木の上で待ちました。

幽霊狸の漢字表記と読み方

読みは「ゆうれいだぬき」です。

幽霊に化ける狸、という名です。

阿波は、化け狸の話が多い土地です。

阿波国美馬郡脇町の猪尻村(現・徳島県美馬市に伝わります。

この狸が化けたのは、母親でした。

母親の幽霊が飛び出したとあります。

幽霊そのものではありません。

幽霊に化けた狸です。

だから、この名になっています。

斧で叩くと、古狸の死体が転がっていました。

幽霊狸(ゆうれいだぬき)

もっとも一般的な表記。

樽井(たるい)

墓場のある地の名。

幽霊狸の姿と特徴

幽霊狸の姿は、何にでも化けます

話の中で、次々に姿を変えます。

隣人が二度やって来ます。
方々の家から提灯の灯りが現れ葬式の行列が現れます。
母親の幽霊が地面から飛び出します。

一人ではありません。

村ごと化けています。

正体は、古い狸でした。

地面には数百歳か想像もつかなほどの古狸、幽霊狸の死体が転がっていました

数百歳の古狸です。

幽霊狸の伝承物語

  1. 母が死んだと二度知らせに来た
  2. 葬式の行列が来た
  3. 斧で叩いたら古狸だった

母が死んだと二度知らせに来た

木の上の兵八に、知らせが来ます。

そろそろ化け物が出るかという真夜中の頃、兵八の家の隣人がやって来ました

母親が重病なのですぐに帰れということでした

重病です。

兵八は、堪えました。

兵八は驚いたが、辛抱して帰りたい気持ちを堪えたので、隣人は帰って行きました

一度目は、帰りました。

二度目が来ます。

しばらくしてまた隣人がやって来て、母親がとうとう亡くなったと言いました

亡くなった、と言われました。

しかし兵八はやはり帰らないので、隣人はまた帰って行きました

葬式の行列が来た

次に見えたのは、灯りでした。

すると間もなく、方々の家から提灯の灯りが現れ、兵八の家へ集まって行くのが見えました

村中の灯りです。

そして、行列になります。

やがて葬式の行列が現れ、兵八のいる大木のもとへやって来て、棺桶を埋めて帰って行きました

目の前で埋めました。

兵八の登っている木の下です。

さすがに、こたえました。

兵八はさすがに心細くなり、母は本当に死んでしまったのかと下を見下ろしました

下を見ました。

そこで、地面が動きます。

斧で叩いたら古狸だった

地面から、母が出ました。

棺桶を埋めた地面が盛り上がって母親の幽霊が飛び出し、「親不孝者め、殺してやる!」と襲って来ました

親不孝者め、です。

兵八は、斧を持っていました。

兵八は咄嗟に斧を振り上げ、幽霊の頭目掛けて叩きつけました

叩きつけました。

悲鳴が響き、幽霊は地面へと消えました

消えました。

朝になって、確かめます。

やがて夜が明け、地面には数百歳か想像もつかなほどの古狸、幽霊狸の死体が転がっていました

古狸でした。

兵八のこの豪胆さに、様子を見に来た他の村人たち皆が感心しました

幽霊狸の伝承地域

幽霊狸は、阿波国美馬郡脇町の猪尻村(現・徳島県美馬市)に伝わります。

猪尻村の樽井という地の墓場にエノキの大木があり、幽霊狸はこの木の根元を巣としていました

誰も近寄らなかった大木とあります。

エノキは、里によく生える大木です。

大木の現在地は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。

幽霊狸の正体と考えられているもの

幽霊狸については、次のように整理できます。

一つめは、住みかです。猪尻村の樽井という地の墓場にエノキの大木があり、幽霊狸はこの木の根元を巣としていました

二つめは、挑んだ者です。猪尻村に住む兵八という豪胆者が狸の正体を見抜いてやろうと、斧を手にして出かけ、誰も近寄らなかった大木に登って夜を待ちました

三つめは、化け方です。隣人方々の家の提灯の灯り葬式の行列母親の幽霊と、次々に姿を変えています。

四つめは、決着です。兵八は咄嗟に斧を振り上げ、幽霊の頭目掛けて叩きつけ悲鳴が響き、幽霊は地面へと消えました

五つめは、正体です。夜が明け、地面には数百歳か想像もつかなほどの古狸、幽霊狸の死体が転がっていました

この話は、堪えた者が勝ちます。 二度の知らせで帰っていれば、負けていました。

幽霊狸をめぐる妖怪のつながり

幽霊狸が登場する作品

幽霊狸は、堪えた者が勝つ話です。

母の死を二度知らせても兵八は動かず、斧で正体を暴きました。

資料は徳島の民俗の記録が中心です。

幽霊狸が登場する研究

妖怪事典

村上健司編著、2000年。阿波の化け狸を整理しています。

Amazonで本・漫画を探す

阿波の狸の話

徳島に伝わる化け狸の話を集めたものです。

Amazonで本・漫画を探す

幽霊狸が登場する漫画・アニメ

化け狸を扱う作品

阿波狸合戦や隠神刑部と並べて取り上げられます。

四国の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

幽霊狸についてよくある質問

幽霊狸とは何ですか。

阿波国美馬郡脇町の猪尻村(現・徳島県美馬市)に伝わる化け狸です。

どんな話ですか。

兵八という豪胆者が狸の正体を見抜いてやろうと、斧を手にして出かけ、誰も近寄らなかった大木に登って夜を待ちました

狸は何に化けたのですか。

隣人方々の家から現れた提灯の灯り葬式の行列、そして母親の幽霊です。

正体は何でしたか。

数百歳か想像もつかなほどの古狸、幽霊狸の死体が転がっていました

幽霊狸と併せて覚えたい言葉・用語

豪胆(ごうたん)

度胸があって物に動じないこと。

エノキ(えのき)

里によく生える大木。

棺桶(かんおけ)

遺体を納める桶。