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徳島県

蚊帳吊り狸(かやつりだぬき)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

蚊帳吊り狸  / カヤツリダヌキ

狐と狸 各地の伝説

道に蚊帳を吊る狸。三十六枚めくると外に出られる。

蚊帳吊り狸とはどんな妖怪か

蚊帳吊り狸は、徳島に伝わる妖怪です。

徳島県美馬市(旧美馬郡三島村舞中島に伝わります

出方が変わっています。

寂しい夜道を人が歩いていると、道の真ん中に蚊帳が吊ってあります

道の真ん中です。

避けて通れません。

室内に吊る筈の蚊帳がなぜこんな野外に、と奇異に思いつつも通り抜けないと先へ進めないので、蚊帳をまくり上げてみると、その中にはまた蚊帳が吊ってあります

中に、また蚊帳があります。

それが繰り返されます。

蚊帳吊り狸の漢字表記と読み方

読みは「かやつりだぬき」または「かやつりたぬき」です。

蚊帳を吊る狸、という名です。

蚊帳は、蚊を防ぐために寝床に吊る網です。

室内で使うものです。

室内に吊る筈の蚊帳がなぜこんな野外に、と旅人は思います。

そこが、この怪異の始まりです。

阿波は、化け狸の話が多い土地です。

幽霊狸衝立狸も、徳島の話でした。

どれも、道や家で人を惑わせます。

蚊帳吊り狸(かやつりだぬき)

もっとも一般的な表記。

蚊帳吊り狸(かやつりたぬき)

もう一つの読み。

舞中島(まいなかしま)

伝わる土地の名。

蚊帳吊り狸の姿と特徴

蚊帳吊り狸の姿は、蚊帳です。

道の真ん中に蚊帳が吊ってあります

狸としての姿は伝わっていません。

蚊帳だけが見えます。

そして、何枚も重なります。

その蚊帳をまくると中にはさらに蚊帳が、と繰り返している内に、前にも後ろにも蚊帳がある状態となります

前にも後ろにもあります。

数も決まっています。

36枚目の蚊帳をまくったときに外に出られるといいます。

蚊帳吊り狸の伝承物語

  1. めくっても、また蚊帳がある
  2. 一晩中、右往左往する
  3. 三十六枚めくれば出られる

めくっても、また蚊帳がある

この怪異は、避けられません。

寂しい夜道を人が歩いていると、道の真ん中に蚊帳が吊ってあります

道の真ん中です。

室内に吊る筈の蚊帳がなぜこんな野外に、と奇異に思いつつも通り抜けないと先へ進めません

通るしかありません。

そこで、めくります。

蚊帳をまくり上げてみると、その中にはまた蚊帳が吊ってあります

また蚊帳です。

その蚊帳をまくると中にはさらに蚊帳が、と繰り返している内に、前にも後ろにも蚊帳がある状態となります

前も後ろもふさがれます。

一晩中、右往左往する

こうなると、動けません。

先へ進むどころかもとの場所へ戻ることもできず、一晩中その場で右往左往する羽目になってしまいます

戻ることもできません。

一晩中です。

朝まで、その場にいます。

害は、それだけです。

命を取られる話はありません。

時間を奪われるだけです。

しかし、夜道で一晩となれば大変なことでした。

寂しい夜道での出来事です。

三十六枚めくれば出られる

この怪異には、抜け方があります。

この怪異に遭遇した際には決して慌てることなく、心を平静に保ち、丹田に力を込めて蚊帳をまくっていくと、36枚目の蚊帳をまくったときに外に出られるといいます。

慌てないことです。

丹田に力を込めます。

そして、三十六枚です。

数えながらめくります。

衝立狸も、丹田に力を込めて突き進むと通り抜けられました

同じ土地の、同じ作法です。

そして、今は出ません。

正体は名前の通り、狸の仕業とされているが世が開けた現代となっては出現せず、過去の出来事として忘れ去られつつあります

蚊帳吊り狸の伝承地域

蚊帳吊り狸は、徳島県美馬市(旧美馬郡三島村舞中島)に伝わります。

寂しい夜道が舞台です。

舞中島は、吉野川の中州にあたる土地です。

世が開けた現代となっては出現せず、過去の出来事として忘れ去られつつあります

夜道そのものが舞台であり、この名で祀られた社や碑は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。

蚊帳吊り狸の正体と考えられているもの

蚊帳吊り狸については、次のように整理できます。

一つめは、出方です。寂しい夜道を人が歩いていると、道の真ん中に蚊帳が吊ってあります

二つめは、繰り返しです。蚊帳をまくり上げてみると、その中にはまた蚊帳が吊ってあり前にも後ろにも蚊帳がある状態となります

三つめは、害です。先へ進むどころかもとの場所へ戻ることもできず、一晩中その場で右往左往する羽目になってしまいます

四つめは、抜け方です。決して慌てることなく、心を平静に保ち、丹田に力を込めて蚊帳をまくっていくと、36枚目の蚊帳をまくったときに外に出られるといいます。

五つめは、現在です。世が開けた現代となっては出現せず、過去の出来事として忘れ去られつつあります

この妖怪も、慌てなければ抜けられます。 衝立狸と同じ、丹田に力を込める作法です。

蚊帳吊り狸をめぐる妖怪のつながり

蚊帳吊り狸が登場する作品

蚊帳吊り狸は、慌てなければ抜けられる怪異です。

三十六枚めくれば外に出られると伝わります。

資料は徳島の民俗の記録が中心です。

蚊帳吊り狸が登場する研究

妖怪事典

村上健司編著、2000年。徳島の化け狸を整理しています。

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笠井新也『阿波の狸の話』

徳島の化け狸の話を集めたものです。

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蚊帳吊り狸が登場する漫画・アニメ

化け狸を扱う作品

道をふさぐ狸として、衝立狸と並べて取り上げられます。

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蚊帳吊り狸についてよくある質問

蚊帳吊り狸とは何ですか。

徳島県美馬市(旧美馬郡三島村舞中島)に伝わる妖怪で、道の真ん中に蚊帳が吊ってあるといいます。

何が起きるのですか。

蚊帳をまくり上げてみると、その中にはまた蚊帳が吊ってあり前にも後ろにも蚊帳がある状態となります

どうすれば抜けられますか。

決して慌てることなく、心を平静に保ち、丹田に力を込めて蚊帳をまくっていくと、36枚目の蚊帳をまくったときに外に出られるといいます。

今も出ますか。

世が開けた現代となっては出現せず、過去の出来事として忘れ去られつつあります

蚊帳吊り狸と併せて覚えたい言葉・用語

蚊帳(かや)

蚊を防ぐために寝床に吊る網。

丹田(たんでん)

へその下のあたり。気を落ち着ける場所とされる。

右往左往(うおうさおう)

あちこち動き回って落ち着かないこと。