放屁する化け物。こちらも屁をしてやると退散するという。
オッケルイペとはどんな妖怪か
オッケルイペは、アイヌに伝わる妖怪です。
名前は「放屁する化け物」を意味し、その名の通り屁の妖怪です。
出る場面が決まっています。
人が家の中で1人でいるときなどです。
一人のときに来ます。
炉の中で「ポァ」と屁をします。
炉は、家の中で火を焚く場所です。
そして、増えていきます。
さらに部屋のあちこちで次々に「ポァ」と屁をし、臭いで我慢できないほどになるといいます。
逃げ場がありません。
オッケルイペの漢字表記と読み方
読みは「おっけるいぺ」です。
名前は「放屁する化け物」を意味します。
そのままの名です。
アイヌの妖怪には、こうした直截な名が多くあります。
ケナシウナラペは「木原の姥」、モシリシンナイサムは「国土のばけもの」、キムナイヌは「山にいる人」。
やることか、いる場所が名になります。
オッケルイペの場合は、やることです。
屁をするという一点で名がついています。
オッケルイペ(おっけるいぺ)
もっとも一般的な表記。
放屁する化け物(ほうひするばけもの)
名の意味。
オッケルイペの姿と特徴
オッケルイペの姿は、正体が明かされる場面でわかります。
樺太アイヌの説話で、乗り手が隙を見てオッケルイペを殴り倒すと、その正体は黒いキツネだったといいます。
黒いキツネです。
そして、化けられます。
人間の若者に姿を変えて船に乗せてもらいました。
音は「ポァ」です。
炉の中で「ポァ」と屁をし、さらに部屋のあちこちで次々に「ポァ」と屁をします。
臭いも伴います。
臭いで我慢できないほどになるといいます。
オッケルイペの伝承物語
屁を返せば退散する
オッケルイペへの対処法は、同じことをすることです。
人間の方も屁をしてやると、オッケルイペは恐れ入って退散するといいます。
やり返します。
そして、都合のよい抜け道があります。
屁が出ないときは、口で音の真似をするだけでも良いといいます。
真似でよいのです。
これは、妖怪との勝負としては珍しい形です。
武器も呪文も要りません。
同じことを返すだけです。
そして、それで恐れ入ります。
やられたらやり返すという、単純な理屈が通っています。
子どもに語るには、ちょうどよい話です。
船を屁で壊す
樺太アイヌの説話には、オッケルイペがよく登場します。
樺太アイヌの説話にはオッケルイペがよく登場するといいます。
そのうちの一つです。
あるとき、オッケルイペは人間の若者に姿を変えて船に乗せてもらいました。
化けて乗り込みます。
そして、川の上でやりました。
川の上で屁をして、その勢いで船を破壊してしまったといいます。
屁で船が壊れます。
しかし、話には続きがあります。
後に同じ乗り手の船に乗せてもらいましたが、乗り手が隙を見てオッケルイペを殴り倒しました。
二度目は、警戒されていました。
その正体は黒いキツネだったといいます。
黒いキツネ
オッケルイペの正体は、キツネでした。
殴り倒されたとき、その正体は黒いキツネだったといいます。
黒いキツネです。
アイヌの伝承では、キツネはしばしば悪い側に置かれます。
モシリシンナイサムが焼け死んだ灰からキツネが生まれ、こうした経緯でキツネは悪の心を持ち、人を化かすという話もあります。
キツネは化かすものです。
そして、コシンプにも関わります。
イワコシンプはキツネなどの山林の動物が人に懸想して憑いたものです。
憑くのも、化けるのも、キツネです。
オッケルイペは、そのなかでは害の軽いほうです。
臭いだけで、命は取りません。
オッケルイペの伝承地域
オッケルイペは、アイヌに伝わります。
樺太アイヌの説話にはオッケルイペがよく登場するといいます。
船に乗せてもらった話は、川が舞台です。
そのほかは、家の中が舞台になります。
人が家の中で1人でいるときなどに、炉の中で屁をするとされます。
家そのものが舞台であり、この名で祀られた社や碑は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。
オッケルイペの正体と考えられているもの
オッケルイペについては、次のように整理できます。
一つめは、屁の妖怪です。名前は「放屁する化け物」を意味し、炉の中で「ポァ」と屁をし、さらに部屋のあちこちで次々に屁をして、臭いで我慢できないほどになるといいます。
二つめは、返せば退散することです。人間の方も屁をしてやると、オッケルイペは恐れ入って退散するといい、屁が出ないときは、口で音の真似をするだけでも良いとされます。
三つめは、船を壊した話です。人間の若者に姿を変えて船に乗せてもらったが、川の上で屁をして、その勢いで船を破壊してしまったといいます。
四つめは、黒いキツネです。後に同じ乗り手の船に乗せてもらった際、乗り手が隙を見てオッケルイペを殴り倒すと、その正体は黒いキツネだったといいます。
この妖怪は、害の軽いほうです。 臭いだけで、命は取りません。 やり返せば済みます。
オッケルイペをめぐる妖怪のつながり
オッケルイペが登場する作品
オッケルイペは、笑いのある妖怪です。
屁で船を壊し、屁を返されて退散します。 樺太アイヌの説話によく登場するといいます。
資料はアイヌ文化の研究書が中心です。
オッケルイペが登場する研究
オッケルイペが登場する漫画・アニメ
妖怪をまとめて扱う作品
笑いを誘う妖怪として、屁や音にまつわるものと並べて取り上げられます。
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オッケルイペについてよくある質問
オッケルイペとは何ですか。
名前は「放屁する化け物」を意味し、その名の通り屁の妖怪です。人が家の中で1人でいるときなどに、炉の中で「ポァ」と屁をします。
追い払う方法はありますか。
人間の方も屁をしてやると、オッケルイペは恐れ入って退散するといいます。屁が出ないときは、口で音の真似をするだけでも良いとされます。
船を壊した話とは何ですか。
人間の若者に姿を変えて船に乗せてもらったオッケルイペが、川の上で屁をして、その勢いで船を破壊してしまったといいます。
正体は何ですか。
黒いキツネです。後に同じ乗り手の船に乗せてもらった際、乗り手が隙を見て殴り倒すと、その正体は黒いキツネだったといいます。
オッケルイペと併せて覚えたい言葉・用語
炉(ろ)
家の中で火を焚く場所。オッケルイペが屁をする場所。
樺太アイヌ(からふとあいぬ)
樺太(サハリン)に住んだアイヌ。オッケルイペの説話が多い。
ポァ(ぽぁ)
オッケルイペの屁の音とされる。