座敷に出て枕返しをする。殺された者の霊とされる。
座敷坊主とはどんな妖怪か
座敷坊主は、日本に伝わる妖怪です。座敷小僧(ざしきこぞう)ともいいます。
静岡県周智郡奥山村字門谷(現・静岡県浜松市)などに現れたと言われます。
由来には、殺しの話がついています。
村の中のある家の主人がイノシシを落とし穴で捕らえた後、その穴に金を持った人が落ちて死んだといいます。
または盲目の金持ちをその穴に落として殺害したという話や、その家に泊まった坊主を殺害した、暗い中に連れ出して殺したなどの話もあります。
そして、その霊が出ます。
その死んだものの霊が現れるのだといい、その家に泊まった人の床の向きを逆にしたり、枕返しをすると言われます。
座敷坊主の漢字表記と読み方
読みは「ざしきぼうず」です。
座敷小僧(ざしきこぞう)とも呼ばれます。
「座敷」は、家の奥の部屋です。
そこに出るから、この名です。
土地によって呼び分けがあります。
静岡県・宮城県 … 「座敷坊主」。
愛知県・岩手県 … 「座敷小僧」。
そして、座敷童子と近い関係にあります。
民俗学者・佐々木喜善の著書においては、座敷坊主は座敷童子の一種として分類されています。
座敷坊主(ざしきぼうず)
静岡県や宮城県での呼び名。
座敷小僧(ざしきこぞう)
愛知県や岩手県での呼び名。
座敷坊主の姿と特徴
座敷坊主の姿は、二通りに語られます。
5、6歳ほどの子供のよう。
坊主姿の按摩のよう。
子どもか、按摩です。
ほかの村でも坊主頭の按摩のようともいいます。
岩手県では、もっと細かく伝わります。
下閉伊郡岩泉町のある家では、4、5歳ほどの赤黒い裸の坊主で、身長は2尺ほど、赤い綺麗な顔をしていたといいます。
紫波郡のある旧家でも、赤い顔の座敷小僧がいたといいます。
赤い顔です。
座敷坊主の伝承物語
床の向きを逆にする
座敷坊主のすることは、寝床に集まっています。
その家に泊まった人の床の向きを逆にしたり、枕返しをすると言われます。
寝ている間に、向きが変わります。
岩手県では、出る条件があります。
下閉伊郡岩泉町のある家では、奥座敷の真中の柱を踏むと枕元に現れたといいます。
柱を踏むと出ます。
姿は4、5歳ほどの赤黒い裸の坊主で、身長は2尺ほど、赤い綺麗な顔をしていたといいます。
二尺は、六十センチほどです。
紫波郡では、火を焚きます。
ある旧家でも赤い顔の座敷小僧がおり、夜に炉に現れて火を起こしたりしたといいます。
ツモノケを当てて去った
愛知県には、去った話が残っています。
南設楽郡長篠村大字横川(現・新城市)では、神田という裕福な家に座敷小僧が現れていました。
裕福な家です。
ところが、禁を破りました。
茶釜にツモノケ(機織りの器具)を当てるという禁忌を犯したために座敷小僧が家を去り、家はそれ以来衰退してしまったといいます。
去ると、傾きます。
同じ愛知でも、別の村では見えました。
三河国北設楽郡本郷村(現・北設楽郡東栄町)では座敷小僧の名で伝わります。
ある酒屋を営む旧家に10歳ほどの子供のような姿で現れたといい、雇用人が奥座敷の雨戸を閉めに行ったときによく姿を見たといいます。
六部殺しが重なった
座敷坊主には、説明が立てられています。
民俗学者・佐々木喜善の著書においては、座敷坊主は座敷童子の一種として分類されています。
座敷童子の仲間です。
そして、由来の話が重なりました。
六部(旅の僧)を殺して金銭を奪った者が祟りに遭うなどの「六部殺し」の話が
座敷童子の性格に付加され、座敷坊主の姿となったとする説があります。
旅の僧を殺した家の話です。
そう考えると、名が通ります。
「坊主」も「按摩」も、旅をして家に泊まる人です。
岩手県では、神として語られます。
旧家に座敷小僧が現れるといい、小児の姿をした家の神とされます。
またこの地方では、座敷童子の正体をムジナとする説もあります。
座敷坊主の伝承地域
座敷坊主は、各地に伝わります。
静岡県浜松市(旧・周智郡奥山村字門谷) … 落とし穴で死んだ者の霊とされます。大津峠には、その殺された者を供養するためといわれる立て石があります。
愛知県北設楽郡東栄町(旧・本郷村) … 座敷小僧の名で、ある酒屋を営む旧家に現れたといいます。
愛知県新城市(旧・南設楽郡長篠村大字横川) … 神田という家に現れ、禁忌を犯したために去ったといいます。
岩手県下閉伊郡岩泉町 … 奥座敷の真中の柱を踏むと枕元に現れたといいます。
宮城県気仙沼市(旧・本吉郡大島村) … 座敷坊主が家に現れて枕返しをした事例があります。
訪ねる際は、現地の案内をご確認ください。
座敷坊主の正体と考えられているもの
座敷坊主については、次のように整理できます。
一つめは、由来です。落とし穴に金を持った人が落ちて死んだ、盲目の金持ちをその穴に落として殺害した、その家に泊まった坊主を殺害したなどの話があり、その死んだものの霊が現れるとされます。
二つめは、することです。その家に泊まった人の床の向きを逆にしたり、枕返しをすると言われます。
三つめは、姿です。5、6歳ほどの子供のようとも、坊主姿の按摩のようともいい、岩手県では4、5歳ほどの赤黒い裸の坊主で身長は2尺ほどとされます。
四つめは、家運です。愛知県新城市では、茶釜にツモノケを当てるという禁忌を犯したために座敷小僧が家を去り、家はそれ以来衰退してしまったといいます。
五つめは、六部殺しです。六部(旅の僧)を殺して金銭を奪った者が祟りに遭うという話が座敷童子の性格に付加され、座敷坊主の姿となったとする説があります。
この妖怪は、家の富と、家の罪の両方を背負っています。 いれば栄え、去れば傾きます。
座敷坊主をめぐる妖怪のつながり
座敷坊主が登場する作品
座敷坊主は、家の奥に出るものです。
枕返しをし、去ると家が傾きます。由来には殺しの話がついています。
資料は静岡・愛知・岩手・宮城の民俗の記録に分かれます。
座敷坊主が登場する研究
佐々木喜善の著作
座敷坊主を座敷童子の一種として分類しています。
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座敷坊主についてよくある質問
座敷坊主とは何ですか。
日本に伝わる妖怪で、静岡県周智郡奥山村字門谷(現・浜松市)などに現れたと言われます。 座敷小僧ともいいます。
何をするのですか。
その家に泊まった人の床の向きを逆にしたり、枕返しをすると言われます。
どんな姿ですか。
5、6歳ほどの子供のようとも、坊主姿の按摩のようともいいます。岩手県では4、5歳ほどの赤黒い裸の坊主で、身長は2尺ほどとされます。
座敷童子とは違うのですか。
民俗学者・佐々木喜善の著書においては、座敷坊主は座敷童子の一種として分類されています。六部殺しの話が座敷童子の性格に加わって座敷坊主の姿になったとする説もあります。
座敷坊主と併せて覚えたい言葉・用語
按摩(あんま)
揉み療治をする人。目の見えない人が多く従事した。
六部(ろくぶ)
経を納めて諸国を巡る旅の僧。
ツモノケ(つものけ)
機織りの器具。愛知県の禁忌に出てくる。