巨大な顔を見せて驚かす。正体は狸とされる。

速水春暁斎 「絵本小夜時雨 狸の化けもの」 享和元年 / パブリックドメイン 出典
大かむろとはどんな妖怪か
大かむろは、巨大な顔の妖怪です。
水木しげるなどの著書に見られます。
することは、一つだけです。
巨大な顔をみせて人間を驚かすとされます。
驚かすだけです。
出方も決まっています。
たとえば家の外で物音がしたので、家人が障子を開けてみると突然現れます。
障子を開けた先にいます。
正体は、狸です。
正体は狸が化けたものとされます。
人を驚かすことのみが目的であり、直接的な危害を人間に加えることはないといいます。
大かむろの漢字表記と読み方
読みは「おおかむろ」です。
ドラマ版『ゲゲゲの鬼太郎』などでは、おっかむろと表記されています。
この名には、注意が要ります。
「大かむろ」という名称は『絵本小夜時雨』には見られません。
原典では「大かむろ」ではなく狸が化けた「大入道」と述べられています。
原典の名は「大入道」です。
通常この場面の絵は「狸の化けもの」あるいは「大首」などと紹介されて来ています。
そして、石燕にも似た名があります。
鳥山石燕の描いている大禿(おおかむろ)とは名称が重なっていますが、石燕の絵に描かれている妖怪と大かむろとの間に直接の関連性はありません。
大かむろ(おおかむろ)
水木しげるなどの著書での名。
おっかむろ(おっかむろ)
ドラマ版『ゲゲゲの鬼太郎』での表記。
大入道(おおにゅうどう)
『絵本小夜時雨』の原典での呼び方。
大首(おおくび)
この場面の絵の一般的な紹介名。
大かむろの姿と特徴
大かむろの姿は、巨大な顔です。
巨大な顔をみせて人間を驚かすとされます。
顔だけです。
現れる場面も決まっています。
家の外で物音がしたので、家人が障子を開けてみると突然現れます。
障子を開けた先です。
正体は狸です。
正体は狸が化けたものとされます。
害はありません。
人を驚かすことのみが目的であり、直接的な危害を人間に加えることはないといいます。
大かむろの伝承物語
障子を開けると顔がある
大かむろの出方は、一つの型です。
たとえば家の外で物音がしたので、家人が障子を開けてみると突然現れます。
物音がします。
開けると、顔があります。
巨大な顔です。
巨大な顔をみせて人間を驚かすとされます。
それだけです。
害はありません。
人を驚かすことのみが目的であり、直接的な危害を人間に加えることはないといいます。
正体は狸です。
正体は狸が化けたものとされます。
驚かすためだけに化けています。
原典では大入道だった
この妖怪の名には、出どころの問題があります。
水木が参考にしているのは江戸時代に描かれた『絵本小夜時雨』巻四での狸が巨大な顔に化けて人を脅かす様子の絵であると考えられています。
絵はあります。
ただし、名が違います。
「大かむろ」という名称は『絵本小夜時雨』には見られません。
原典では「大かむろ」ではなく狸が化けた「大入道」と述べられています。
「大入道」です。
一般の紹介でも、別の名が使われます。
通常この場面の絵は「狸の化けもの」あるいは「大首」などと紹介されて来ています。
三つの名が並んでいます。
伝承地が確かめられない
この妖怪には、土地の記録がありません。
柳田國男「妖怪名彙」や日野巌「日本妖怪変化語彙」といった資料類に「大かむろ」という妖怪の名は見られません。
民俗の資料にありません。
伝承地などは未詳です。
どこの話かわかりません。
そして、名前が別の妖怪と重なっています。
鳥山石燕の描いている大禿(おおかむろ)とは名称が重なっています。
同じ読みです。
しかし、別のものです。
石燕の絵に描かれている妖怪と大かむろとの間に直接の関連性はありません。
絵は江戸のもの、名は後年のものになっています。
大かむろの伝承地域
大かむろの伝承地などは未詳です。
柳田國男「妖怪名彙」や日野巌「日本妖怪変化語彙」といった資料類に「大かむろ」という妖怪の名は見られません。
元になった絵は『絵本小夜時雨』巻四にあります。
土地の記録がなく、この名で祀られた社や碑も確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。
大かむろの正体と考えられているもの
大かむろについては、次のように整理できます。
一つめは、することです。巨大な顔をみせて人間を驚かすとされ、人を驚かすことのみが目的であり、直接的な危害を人間に加えることはないといいます。
二つめは、正体です。正体は狸が化けたものとされます。
三つめは、元の絵です。『絵本小夜時雨』巻四での狸が巨大な顔に化けて人を脅かす様子の絵であると考えられています。
四つめは、名の食い違いです。「大かむろ」という名称は『絵本小夜時雨』には見られず、原典では狸が化けた「大入道」と述べられています。
五つめは、石燕の大禿です。名称が重なっていますが、石燕の絵に描かれている妖怪と大かむろとの間に直接の関連性はありません。
この妖怪は、絵と名が別々に来ました。 伝承地などは未詳です。
大かむろをめぐる妖怪のつながり
大かむろが登場する作品
大かむろは、絵と名が別々に来た妖怪です。
原典の絵は「大入道」で、伝承地は確かめられていません。
資料は江戸の絵本と、戦後の妖怪本に分かれます。
大かむろが登場する古典
絵本小夜時雨
巻四に、狸が巨大な顔に化けて人を脅かす絵があります。
大かむろが登場する研究
柳田國男「妖怪名彙」
「大かむろ」の名は見られません。
日野巌「日本妖怪変化語彙」
同じく「大かむろ」の名は見られません。
大かむろが登場する漫画・アニメ
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大かむろについてよくある質問
大かむろとは何ですか。
巨大な顔をみせて人間を驚かすとされる妖怪で、水木しげるなどの著書に見られます。
害はありますか。
人を驚かすことのみが目的であり、直接的な危害を人間に加えることはないといいます。
元になった絵はありますか。
『絵本小夜時雨』巻四での狸が巨大な顔に化けて人を脅かす様子の絵であると考えられています。ただし原典では狸が化けた「大入道」と述べられています。
石燕の大禿と同じですか。
名称が重なっていますが、石燕の絵に描かれている妖怪と大かむろとの間に直接の関連性はありません。
大かむろと併せて覚えたい言葉・用語
禿(かむろ)
髪を短く切りそろえた子どもの髪型。
大入道(おおにゅうどう)
大きな坊主頭の妖怪。
障子(しょうじ)
紙を張った引き戸。