蚊帳を持ち上げて覗き込む僧。切っても突いても効かない。

速水春暁斎 「絵本小夜時雨 大光寺の怪異」 享和元年 / パブリックドメイン 出典
大光寺の怪異とはどんな妖怪か
大光寺の怪異は、大阪の寺に出た怪異です。
江戸時代の絵本読本である『絵本小夜時雨』に記述があります。
寺の場所がわかっています。
大光寺は守口(現・大阪府守口市)にあり、ある公家の祈祷所でした。
公家の祈祷所です。
そこへ、武士が泊まりました。
田竜光雄という武士が、大光寺に宿泊しました。
そして、夜中に出ます。
夜中に田竜が蚊帳を吊って寝ていた所、その蚊帳をするすると持ち上げ、僧の姿をした何者かがぬっと顔を覗き込んできました。
大光寺の怪異の漢字表記と読み方
読みは「だいこうじのかいい」です。
寺の名がそのまま呼び名になっています。
妖怪の名ではありません。
その寺で起きたこと、という言い方です。
寺の場所は、はっきりしています。
『絵本小夜時雨』にある地名の「守口」は守口市であることが判明しています。
ただし、寺のほうはわかりません。
大光寺については未詳です。
同じ『絵本小夜時雨』には、ほかの妖怪も載ります。
大かむろの元になった絵も、この本の巻四にあります。
大光寺の怪異(だいこうじのかいい)
もっとも一般的な呼び方。
絵本小夜時雨(えほんさよしぐれ)
この話を載せる江戸時代の絵本読本。
大光寺の怪異の姿と特徴
この怪異の姿は、僧です。
僧の姿をした何者かがぬっと顔を覗き込んできました。
顔を覗き込みます。
蚊帳の中をのぞきます。
その蚊帳をするすると持ち上げたといいます。
手で持ち上げています。
そして、刃物が効きません。
これはいくら切っても突いても効果がなかったといいます。
切っても突いても、変わりませんでした。
大光寺の怪異の伝承物語
蚊帳をするすると持ち上げる
田竜光雄は、蚊帳の中で寝ていました。
夜中に田竜が蚊帳を吊って寝ていた所、その蚊帳をするすると持ち上げました。
するすると、です。
音を立てずに持ち上げます。
そして、顔が入ってきます。
僧の姿をした何者かがぬっと顔を覗き込んできました。
寝ているところを覗かれます。
武士ですから、刀を使います。
これはいくら切っても突いても効果がなかったといいます。
手ごたえがありません。
何度やっても同じでした。
寺の僧の祈祷も効かなかった
翌朝、田竜は寺の僧に話しました。
翌朝、寺の僧に話すと、僧は祈祷などをしても全く効果がなかったと答えたといいます。
祈祷も効きません。
寺の側も、困っていました。
前から起きていたことがわかります。
刀も、祈祷も効きません。
どちらも通じない怪異です。
そして、話はそこで終わります。
退治されません。
正体もわかりません。
寺がその後どうなったかも書かれていません。
破戒僧の話とみられる
この怪異には、時代背景が指摘されています。
近世には破戒僧の多くの説話が確認されています。
破戒僧の話が多くありました。
戒律を破った僧の話です。
この怪談もまた僧が妖怪と化したものと指摘されています。
僧が妖怪になった話です。
寺で、僧の姿のものが出ます。
そして、祈祷が効きません。
寺の中から出たものだから、という読み方ができます。
場所の一部はわかっています。
『絵本小夜時雨』にある地名の「守口」は守口市であることが判明しているものの、大光寺については未詳です。
大光寺の怪異の伝承地域
大光寺の怪異は、守口(現・大阪府守口市)に伝わります。
大光寺は守口にあり、ある公家の祈祷所でした。
『絵本小夜時雨』にある地名の「守口」は守口市であることが判明しています。
ただし、大光寺については未詳です。
寺の所在が確かめられていないため、この欄は空のままにしてあります。
大光寺の怪異の正体と考えられているもの
大光寺の怪異については、次のように整理できます。
一つめは、出どころです。江戸時代の絵本読本である『絵本小夜時雨』に記述があります。
二つめは、場所です。大光寺は守口(現・大阪府守口市)にあり、ある公家の祈祷所でした。
三つめは、現れ方です。蚊帳をするすると持ち上げ、僧の姿をした何者かがぬっと顔を覗き込んできました。
四つめは、効かないことです。いくら切っても突いても効果がなく、寺の僧も祈祷などをしても全く効果がなかったと答えました。
五つめは、読み方です。近世には破戒僧の多くの説話が確認されており、この怪談もまた僧が妖怪と化したものと指摘されています。
この怪異は、退治されません。 刀も祈祷も通じませんでした。
大光寺の怪異をめぐる妖怪のつながり
大光寺の怪異が登場する作品
大光寺の怪異は、通じない相手です。
刀も祈祷も効かず、正体もわからないまま話が終わります。
資料は江戸の絵本読本に集まります。
大光寺の怪異が登場する古典
絵本小夜時雨
江戸時代の絵本読本。大光寺の怪異を記します。
大光寺の怪異が登場する研究
大光寺の怪異が登場する漫画・アニメ
寺の怪異を扱う作品
僧の姿の妖怪として取り上げられます。
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大光寺の怪異についてよくある質問
大光寺の怪異とは何ですか。
大光寺という寺に現われた怪異で、江戸時代の絵本読本である『絵本小夜時雨』に記述があります。
何が起きたのですか。
蚊帳をするすると持ち上げ、僧の姿をした何者かがぬっと顔を覗き込んできました。
退治できたのですか。
いくら切っても突いても効果がなく、寺の僧も祈祷などをしても全く効果がなかったと答えました。
寺は今もありますか。
地名の「守口」は守口市であることが判明しているものの、大光寺については未詳です。
大光寺の怪異と併せて覚えたい言葉・用語
祈祷所(きとうじょ)
特定の家のために祈りを行う寺。
読本(よみほん)
江戸時代の、絵より文を主とした読み物。
破戒僧(はかいそう)
戒律を破った僧。