渥美の怪火。悪口を言うと近づいて来る。汚いものを頭に乗せて隠れる。
ごひんさまとはどんな妖怪か
ごひんさまは、愛知県渥美郡地方に伝わる怪火です。
飛び回る火の玉で、悪口を言うと近付いて来るが、害は無いともいわれます。
悪口に反応します。
正体は、狗賓とされます。
狗賓の仕業です。
狗賓は、天狗の一種を指す語です。
呼び名もいくつかあります。
「狗賓様(ぐひんさま)」「御賓様(ごひんさま)」と呼ばれることもあります。
そして、漁に関わります。
ごひんさまが出ると、近くで漁をしていた人の獲物が無くなったり、逆に沢山捕れて大漁になったりしました。
ごひんさまの漢字表記と読み方
読みは「ごひんさま」です。
「狗賓」(ぐひん)は、天狗の一種を指す語です。
「ぐひん」が「ごひん」になりました。
そして、「様」がつきます。
狗賓様、御賓様。 どちらも敬った呼び方です。
もう一つ、別の呼び名があります。
「おそがい神様」=恐ろしい神様です。
「おそがい」は、この地方の言葉で「恐ろしい」です。
恐ろしいけれども、神様という扱いになっています。
ごひんさま(ごひんさま)
もっとも一般的な表記。
狗賓様(ぐひんさま)
狗賓の字を当てた形。
御賓様(ごひんさま)
別の字を当てた形。
おそがい神様(おそがいかみさま)
恐ろしい神様の意。
ごひんさまの姿と特徴
ごひんさまは、火の玉です。
飛び回る火の玉とされます。
姿はそれだけです。
反応するものが決まっています。
悪口を言うと近付いて来るといいます。
言葉に寄って来ます。
害については、二通りの言い方があります。
害は無いともいわれます。
一方で、船が動かなくなり浜に戻れなくなることもあり、漁師たちに恐れられていました。
そして、嫌うものがあります。
不浄のものを嫌うといいます。
ごひんさまの伝承物語
魚が泥になる
ごひんさまが出ると、漁に変化が起きます。
近くで漁をしていた人の獲物が無くなったり、逆に沢山捕れて大漁になったりしました。
減ることも、増えることもあります。
そして、持ち帰ると変わります。
魚を着物に沢山入れて帰ると、それが全て泥になっていたりしたといいます。
泥になります。
大漁だったはずが、何も残りません。
これは、狐や狸に化かされる話とよく似た形です。
もらったものが、帰ると別のものになります。
そして、船にも起きます。
船が動かなくなり浜に戻れなくなることもあり、漁師たちに恐れられていました。
汚いものを頭に乗せる
ごひんさまから身を守る方法は、変わっています。
不浄のものを嫌うため、ごひんさまから身を守りたい時には汚いものを頭に乗せて隠れればよいとされます。
汚いものを頭に乗せます。
そして、隠れます。
神様と呼ばれながら、不浄で避けられるという形です。
この考え方は、各地にあります。
清いものは、不浄を嫌って近づかない。
だから、汚れをまとえば近づかれません。
そして、悪口も避けます。
悪口を言うと近付いて来るからです。
言葉と、清浄さです。
どちらも、人の側の振る舞いで決まります。
恐ろしい神様
ごひんさまは、神と妖怪の間にいます。
「おそがい神様」(恐ろしい神様)とも呼ばれました。
恐ろしいけれども、神様です。
呼び名にも「様」がつきます。
狗賓様、御賓様、ごひんさま。
敬われています。
そして、正体は天狗です。
狗賓の仕業とされ、狗賓は天狗の一種を指す語です。
天狗も、恐れられながら祀られてきました。
害についても、両方の言い方があります。
害は無いともいわれる一方、船が動かなくなり浜に戻れなくなることもありました。
大漁にもし、獲物を消しもする。 どちらに転ぶかわかりません。
ごひんさまの伝承地域
ごひんさまは、愛知県渥美郡地方に伝わります。
渥美半島の一帯です。
漁師たちの話として語られました。
近くで漁をしていた人の獲物、船が動かなくなるなど、海と浜が舞台です。
海そのものが舞台であり、ごひんさまを祀った社や碑は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。
ごひんさまの正体と考えられているもの
ごひんさまについては、次のように整理できます。
一つめは、狗賓です。狗賓の仕業とされ、狗賓は天狗の一種を指す語です。 「狗賓様」「御賓様」とも呼ばれます。
二つめは、悪口に寄る火です。飛び回る火の玉で、悪口を言うと近付いて来るが、害は無いともいわれます。
三つめは、漁の変化です。獲物が無くなったり、逆に沢山捕れて大漁になったり、魚を着物に沢山入れて帰るとそれが全て泥になっていたりしました。
四つめは、不浄よけです。不浄のものを嫌うため、身を守りたい時には汚いものを頭に乗せて隠れればよいとされます。
五つめは、おそがい神様です。恐ろしい神様の意で、神と妖怪の間に置かれています。
ごひんさまが何であったかは、わかっていません。 ただ、言葉と清浄さで振る舞いが決まるという点は、天狗の伝承に共通します。
ごひんさまをめぐる妖怪のつながり
ごひんさまが登場する作品
ごひんさまは、漁師の妖怪です。
大漁にもし、獲物を泥にもします。 悪口を言えば寄って来て、汚いものを頭に乗せれば避けられます。
資料は愛知の民俗の記録が中心です。
ごひんさまが登場する研究
ごひんさまが登場する漫画・アニメ
妖怪をまとめて扱う作品
怪火として、天狗火や狐火と並べて取り上げられます。
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ごひんさまについてよくある質問
ごひんさまとは何ですか。
愛知県渥美郡地方に伝わる怪火です。飛び回る火の玉で、狗賓の仕業とされます。
なぜ近づいて来るのですか。
悪口を言うと近付いて来るといいます。ただし害は無いともいわれます。
漁にどんな影響がありますか。
獲物が無くなったり、逆に沢山捕れて大漁になったり、魚を着物に沢山入れて帰るとそれが全て泥になっていたりしたといいます。船が動かなくなり浜に戻れなくなることもありました。
身を守る方法はありますか。
不浄のものを嫌うため、汚いものを頭に乗せて隠れればよいとされます。
ごひんさまと併せて覚えたい言葉・用語
狗賓(ぐひん)
天狗の一種を指す語。ごひんさまの正体とされる。
渥美郡(あつみぐん)
愛知県の渥美半島一帯。
おそがい(おそがい)
この地方の言葉で「恐ろしい」。