本文へ移動

岡山県

さがりとはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

さがり  / サガリ

獣の妖怪 各地の伝説

古いエノキから馬の首だけがぶら下がる。見た者は熱病を患うという。

さがりとはどんな妖怪か

さがりは、岡山県邑久郡に伝わる妖怪です。

馬の首だけの姿をしています。

首だけです。

そして、木からぶら下がります。

路傍の古いエノキの木からぶら下がった状態で現れるといいます。

道端の木です。

そして、声を出します。

鳴き声をあげたりして、暗い夜道を歩いている人などを脅かすともいいます。

馬の首が、木からぶら下がって鳴きます。

熊本県にも同様の怪異があります。

そこでは、これを目にした者は熱病を患ってしまうとされました。

さがりの漢字表記と読み方

読みは「さがり」です。

下がる、つまりぶら下がることがそのまま名になっています。

木からぶら下がります。

そして、木の種類が伝わっています。

岡山県邑久郡では路傍の古いエノキ
熊本県南関町では旧道のはずれにある柿の木
熊本県玉名市では榎の大樹

エノキが二つ、柿が一つです。

エノキは、道端や境に植えられることの多い木です。

一里塚にも植えられました。

さがり(さがり)

もっとも一般的な表記。

サガリ(さがり)

カタカナで書くこともある。

さがりの姿と特徴

さがりの姿は、馬の首だけです。

馬の首だけの姿をしている。
路傍の古いエノキの木からぶら下がった状態で現れる。
鳴き声をあげたりする

ぶら下がって鳴きます。

害も伝わっています。

暗い夜道を歩いている人などを脅かすといいます。

熊本県では、もっと重くなります。

これを目にした者は熱病を患ってしまうとして、人々から恐れられていました。

見ただけで熱が出ます。

さがりの伝承物語

  1. 路傍の古いエノキ
  2. 見ると熱病になる
  3. 馬の首という形

路傍の古いエノキ

さがりが現れる場所は、決まっています。

路傍の古いエノキの木です。

道端の木です。

エノキは、古くから道の境や一里塚に植えられた木です。

旅人の目印になりました。

そして、その木から馬の首が下がります。

馬の首だけの姿で、ぶら下がった状態で現れるといいます。

熊本県でも、木が決まっています。

南ノ関町大字関下字迎町(現・玉名郡南関町)では旧道のはずれにある柿の木から。
玉名村大字玉名字岡(現・玉名市玉名字岡)では榎の大樹から。

旧道のはずれ、という場所です。

道の境目にある古い木が、この怪異の場です。

見ると熱病になる

さがりの害は、土地によって違います。

岡山県邑久郡では、脅かすだけです。

鳴き声をあげたりして、暗い夜道を歩いている人などを脅かすといいます。

驚かせます。

熊本県では、重くなります。

これを目にした者は熱病を患ってしまうとして、人々から恐れられていました。

見ただけで病気になります。

この形は、各地の怪異に共通します。

天狗火に遭った者は高熱を出して寝込むといわれました。

見ることが、そのまま害になります。

夜道で妙なものを見たあとに熱を出すことは、実際にあり得ます。

馬の首という形

さがりは、馬の首だけという姿をしています。

馬にまつわる怪異は、各地にあります。

頽馬は、馬を殺すといわれる魔性の風です。
首切れ馬は、首の無い馬が走るという怪異です。

馬は、暮らしに欠かせない家畜でした。

その馬のにまつわる話が、多く残っています。

そして、首だけが残ります。

馬の首は、供養や祭りの対象にもなりました。

馬頭観音は、道端に多く立てられています。

道端の古い木馬の首という組み合わせは、道で死んだ馬を思わせます。

それを見た者が、熱を出します。

さがりの伝承地域

さがりは、岡山県邑久郡に伝わります。

路傍の古いエノキの木から現れるとされます。

熊本県にも同様の怪異があります。

熊本県玉名郡南関町(旧・南ノ関町大字関下字迎町) … 旧道のはずれにある柿の木から。
熊本県玉名市玉名字岡(旧・玉名村大字玉名字岡) … 榎の大樹から。岡公民館の辺りにあった榎と思われます。

公民館は現在移転しています。

個々の木がいま残っているかは確かめられていません。 この欄は空のままにしてあります。

さがりの正体と考えられているもの

さがりについては、次のように整理できます。

一つめは、馬の首です。馬の首だけの姿をしており、路傍の古いエノキの木からぶら下がった状態で現れるといいます。

二つめは、鳴き声です。鳴き声をあげたりして、暗い夜道を歩いている人などを脅かすともいいます。

三つめは、熱病です。熊本県では、これを目にした者は熱病を患ってしまうとして人々から恐れられていました。

四つめは、木の種類です。岡山では路傍の古いエノキ、熊本では旧道のはずれにある柿の木榎の大樹 どれも道の境にある古い木です。

さがりが何であったかは、わかっていません。 ただ、道端の古い木馬の首という組み合わせは、道で死んだ馬を思わせます。

さがりをめぐる妖怪のつながり

さがりが登場する作品

さがりは、道端の木の怪異です。

古いエノキ、旧道のはずれの柿の木、榎の大樹。どれも境にある木です。

資料は岡山と熊本の民俗の記録が中心です。

さがりが登場する研究

妖怪事典

村上健司編著、2000年。岡山と熊本のさがりを整理しています。

Amazonで本・漫画を探す

綜合日本民俗語彙

各地の民俗語を集めた辞典。道の境や木にまつわる語が引けます。

Amazonで本・漫画を探す

日本怪異妖怪事典 九州・沖縄

熊本県の同様の怪異を扱っています。

Amazonで本・漫画を探す

さがりが登場する漫画・アニメ

妖怪をまとめて扱う作品

馬にまつわる怪異として、頽馬や首切れ馬と並べて取り上げられます。

中国地方の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

さがりについてよくある質問

さがりとはどんな姿ですか。

馬の首だけの姿をしており、路傍の古いエノキの木からぶら下がった状態で現れるといいます。

何をするのですか。

鳴き声をあげたりして、暗い夜道を歩いている人などを脅かすともいいます。

見るとどうなりますか。

熊本県では、これを目にした者は熱病を患ってしまうとして、人々から恐れられていました。

どんな木から下がるのですか。

岡山では路傍の古いエノキ、熊本の南関町では旧道のはずれにある柿の木、玉名市では榎の大樹からとされます。

さがりと併せて覚えたい言葉・用語

エノキ(えのき)

道の境や一里塚に植えられた木。さがりが下がるとされる。

邑久郡(おくぐん)

岡山県の旧郡名。さがりの伝承地。

馬頭観音(ばとうかんのん)

馬の供養のために道端に立てられる仏。