赤い殿中羽織を着た子供に化け、夜道の人へ背負ってほしいと頼み、背の上で喜んだ阿波の狸。

赤殿中とはどんな妖怪か
赤殿中は、徳島で語られた化け狸です。夜道では赤い殿中羽織を着た子供の姿になり、通りかかった人へ背負ってほしいと頼みました。
人が背へ乗せると、赤殿中は襲いかかりません。うれしそうに肩を叩きます。夜道で人を驚かせながらも、恐ろしい被害より、子供のように甘える姿が残った狸です。
赤殿中の漢字表記と読み方
赤殿中は「あかでんちゅう」と読みます。殿中は衣服の名で、赤い殿中羽織を着た子供の姿が、そのまま狸の名になりました。
赤殿中(あかでんちゅう)
赤い殿中羽織を着た姿に由来する名称。
赤でんちゅう(あかでんちゅう)
「殿中」を平仮名で記す表記。
赤殿中の姿と特徴
赤い殿中羽織を着た子供として現れます。巨体や牙を見せず、夜道で一人きりの小さな子供に見えるため、通行人へ自然に声をかけ、背負ってもらえました。
赤殿中の伝承物語
夜道に赤い羽織の子供が立っている
人通りの少ない夜道に、赤い殿中羽織を着た子供が現れました。見た目だけなら、道に取り残された幼い子供です。
赤殿中は物陰から襲うのではなく、人の前へ子供の姿で出ます。赤い衣は暗い道でも目に付き、その小さな姿は通行人の足を止めました。
「背負って」と頼み、人の背へ乗る
子供は通りかかった人へ、背負ってほしいと頼みます。夜道に一人でいる子供を放っておけず、人は屈んで背を向けました。
赤殿中はその背へ乗ります。化け狸だと知らない人にとっては、困っている子供を家へ送るための、ごく普通の振る舞いでした。
背の上で喜び、肩を叩く
背負われた赤殿中は、急に重くなって人を押し潰すことも、首へ噛みつくこともありません。うれしそうに、背負ってくれた人の肩を叩きました。
人へ化ける狸の話でありながら、結末に大きな被害はありません。赤い羽織の子供を助けた人が、背の上の喜び方から普通の子供ではないと知る、短く愛嬌のある化かし話です。
赤殿中の伝承地域
赤殿中は旧堀江村、現在の鳴門市大麻町周辺に伝わります。特定の道路や住宅へ結び付けず、地図は旧村にあたる地域を示します。
赤殿中の正体と考えられているもの
赤殿中は、子供の姿と「背負って」という頼みで人へ近づく狸です。背負われた後の行動は危害ではなく、肩を叩く喜び。人を化かす力と、人へ甘えるような愛嬌が同時に残っています。
赤殿中をめぐる妖怪のつながり
赤殿中が登場する作品
赤殿中は、愛嬌のある化かし話です。
背負われた狸は、急に重くなることも、首へ噛みつくこともありません。 うれしそうに、背負ってくれた人の肩を叩きます。
阿波の狸の話には、恐ろしいものと親しみのあるものが並んでいます。赤殿中は、後者の代表にあたります。
赤殿中が登場する民俗学
赤殿中が登場する事典
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赤殿中についてよくある質問
赤殿中とはどんな妖怪ですか。
赤い殿中羽織を着た子供に化け、夜道の人へ背負ってほしいと頼んだ阿波の狸です。
赤殿中は何と読みますか。
「あかでんちゅう」と読みます。名前は赤い殿中羽織を着た姿に由来します。
背負うとどうなりますか。
赤殿中は背の上で喜び、背負った人の肩を叩きます。背の上で肩を叩くだけで終わります。
赤殿中はどこに伝わりますか。
徳島県の旧堀江村、現在の鳴門市大麻町周辺に伝わります。
赤殿中と併せて覚えたい言葉・用語
赤殿中(あかでんちゅう)
赤い殿中羽織の子供へ化け、人の背へ乗った阿波の狸。
殿中羽織(でんちゅうばおり)
袖のない羽織の一種。赤殿中の名と姿のもとになった衣服。
堀江村(ほりえそん)
赤殿中の話が伝わった徳島県板野郡の旧村。
赤殿中の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。