岐阜県で、親しくなった人に餞別を受け、礼に漢詩を残していったという狐。

狐の書簡とはどんな妖怪か
狐の書簡はひとことで言えば、詩を書き残した狐です。岐阜県の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、宮川政運「宮川舎漫筆」(『日本随筆大成第一期』吉川弘文館、1976年)を典拠に、元禄年間のこと。美濃国席田郡春近村の井上与三次郎というものが、狐と相馴れた仲になっていた。その狐が旅に出るというので、井上が餞別銭などを渡したら、狐は喜び漢詩を残したと記します。
騙し合いではありません。
人と狐は相馴れた仲でした。 別れぎわに餞別が渡され、漢詩が返されています。
狐の書簡の漢字表記と読み方
読みは「きつねのしょかん」です。
元禄年間は西暦一六八八年から一七〇四年にあたります。
美濃国席田郡春近村は、いまの岐阜県本巣市のあたりです。
「餞別」は、旅立つ人に贈る金品のことです。
狐の書簡(きつねのしょかん)
日文研データベースが示す呼称。
狐の詩(きつねのし)
残されたものを指す言い方です。
狐の書簡の姿と特徴
狐の書簡の話は、記録に短く書かれています。
時 … 元禄年間。
人 … 美濃国席田郡春近村の井上与三次郎。
間柄 … 狐と相馴れた仲。
きっかけ … 狐が旅に出るという。
人が渡したもの … 餞別銭など。
狐が残したもの … 漢詩。
狐の姿や毛色は書かれていません。
狐の書簡の伝承記録
相馴れた仲
元禄年間、美濃国席田郡春近村の井上与三次郎というものが、狐と相馴れた仲になっていました。
名前まで書かれています。
旅立ちの餞別
その狐が旅に出るというので、井上が餞別銭などを渡しました。
渡したのは人のほうです。
残された漢詩
狐は喜び漢詩を残しました。
返礼が詩でした。
狐の書簡の伝承地域
公的データベースの地域欄は岐阜県までで、市郡までは示されていません。
記録に出る席田郡春近村は、いまの本巣市のあたりにあたります。
狐の書簡の正体と考えられているもの
狐の書簡は、礼を返した狐です。
化かした話ではありません。 語られているのは、贈り物と詩のやりとりだけです。
残されたのは漢詩という、読める形のものでした。
狐の書簡が登場する作品
狐の書簡を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは日本随筆大成に収められた宮川舎漫筆です。
狐が詩や文を残す話は江戸の随筆にいくつも見られます。
狐の書簡が登場する随筆
宮川舎漫筆
宮川政運の随筆。日本随筆大成第一期に収められています。
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狐の書簡についてよくある質問
狐の書簡とは何ですか。
岐阜県で、親しくなった人に餞別を受け、礼に漢詩を残したと語られる狐の話です。
いつのことですか。
元禄年間、西暦一六八八年から一七〇四年にあたります。
春近村はどこですか。
美濃国席田郡春近村で、いまの岐阜県本巣市のあたりです。
漢詩は残っていますか。
データベースの要約は詩の内容までは伝えていません。
狐の書簡と併せて覚えたい言葉・用語
元禄(げんろく)
江戸時代の年号。西暦一六八八年から一七〇四年です。
餞別(せんべつ)
旅立つ人に贈る金品のことです。
漢詩(かんし)
漢字で作られた中国風の詩のことです。
狐の書簡の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。