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福井県

おはる狐(おはるぎつね)とはどんな妖怪か|姿と伝承

おはる狐  / オハルギツネ

狐と狸 各地の伝説

福井県三国町で、縁の下に住んだ狐が礼にくれたというカミソリ。蛇の毒に効く。

おはる狐の姿を描いた図

紫煙 「三国湊堰堤(福井県坂井市三国町)」 2011年 / CC BY-SA 3.0 出典

おはる狐とはどんな妖怪か

おはる狐はひとことで言えば、礼にカミソリを置いていった狐です。福井県坂井市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、杉原丈夫おはる狐」(『南越民俗』通巻1号、1937年、29頁)を典拠に、家に狐に貰ったカミソリがあり、蛇に噛まれた時に効用がある。家の縁の下に住んでいた狐が、旅立つこととなり、世話になったと言ってくれたのがこのカミソリである。別の人が言うには、カミソリをくれたのは大切にしてくれた礼として蛇があげたものだというと記します。

くれたのが狐か蛇か、話す人によって違います。

記録は、その両方をそのまま書き留めています。

残っているのは、蛇に噛まれた時に効くカミソリです。

おはる狐の漢字表記と読み方

読みは「おはるぎつね」です。

「おはる」は人名とみられます狐に女の名を付けて呼ぶ例は各地にあります。

この図鑑にはおさん狐おとら狐も収めています。

どれも、名を持った一匹の狐です。

おはる狐(おはるぎつね)

日文研データベースが示す表記。

オハルキツネ(おはるきつね)

同データベースの呼称読み。

おはる狐の姿と特徴

この記録に狐の姿はありません。残ったのは、カミソリです。

住んでいた場所 … 家の縁の下。
したこと … 旅立つときに、世話になったと言ってカミソリをくれた。
効き目 … 蛇に噛まれた時に効用がある。
別の説 … 大切にしてくれた礼として蛇があげたもの。

カミソリの形や大きさは書かれていません。

おはる狐の伝承記録

  1. 縁の下から旅立つ
  2. 蛇に噛まれた時に効く

縁の下から旅立つ

家の縁の下に、狐が住んでいました。

追い出されることなく、住み続けていたことになります。

やがて旅立つこととなりました。

世話になったと言って、カミソリをくれました。

この図鑑にはおさん狐おとら狐も収めています。

蛇に噛まれた時に効く

そのカミソリは、蛇に噛まれた時に効用があります。

傷を切って毒を出すために使ったとみられます。

ところが、別の人はこう言います。

カミソリをくれたのは、大切にしてくれた礼として蛇があげたものだ。

狐か蛇か、話す人によって違います。 記録は決めていません。

おはる狐の伝承地域

公的データベースの地域欄は福井県坂井市三国町を示します。

家やカミソリの現在については書かれていないため、地図で指せるのは町の範囲までです。

三国町(みくにちょう)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

三国町の所在地:福井県坂井市

記録は家の縁の下と記します。

家やカミソリの現在は資料に書かれていません。

おはる狐の正体と考えられているもの

この話の贈り主は、狐とも蛇とも言われます

記録は、その食い違いをそのまま残しました。

残ったのは、蛇に噛まれた時に効くカミソリという一点です。

効き目のほうが先にあり、由来が後から二通り語られたとも読めます。

この図鑑にはおさん狐おとら狐管狐も収めています。

おはる狐が記録された資料

おはる狐を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『南越民俗』の記事です。

狐の恩返しの話は各地にあり、薬や道具を置いていく形が繰り返し現れます。この図鑑にはおさん狐おとら狐も収めています。

おはる狐が記録された民俗資料

おはる狐

杉原丈夫が『南越民俗』通巻1号(1937年)に載せた中心資料です。

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おはる狐についてよくある質問

おはる狐とは何ですか。

福井県坂井市三国町の話です。家の縁の下に住んだ狐が、旅立つときにカミソリをくれたとされます。

カミソリは何に効くのですか。

蛇に噛まれた時に効用があると記録されています。

くれたのは狐ですか。

別の人は、大切にしてくれた礼として蛇があげたものだと言います。記録は両方を伝えています。

名前の由来は何ですか。

記録されていません。「おはる」は人名とみられます。

おはる狐と併せて覚えたい言葉・用語

縁の下(えんのした)

家の床下。狐が住んでいたとされます。

カミソリ(かみそり)

刃物の一種。蛇に噛まれた時に効くとされました。

南越民俗(なんえつみんぞく)

福井の民俗誌。この記録が載りました。

おはる狐の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「おはる狐,蛇」