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京都府

杢兵衛狸(もくべえだぬき)とはどんな妖怪か|姿と伝承

杢兵衛狸  / モクベエダヌキ

狐と狸 各地の伝説

京都府京都市左京区で、熊野神社の椋の大木にいて、油揚を供えて歯痛を祈ったという狸。

杢兵衛狸の姿を描いた図

Asturio Cantabrio 「熊野神社(京都府京都市左京区聖護院山王町)」 2016年 / CC BY-SA 4.0 出典

杢兵衛狸とはどんな妖怪か

杢兵衛狸は、歯痛を頼む相手です。京都府京都市左京区の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、『郷土趣味』(郷土趣味社、1919年)所載の「土俗集」を典拠に、電車がないころ、熊野神社のある森のなかに椋の大木があり、そこに杢兵衛という狸がいて、これに油揚などをそなえて歯痛を祈ったというと記します。

化かす話ではありません。

人は狸に油揚などをそなえて歯痛を祈りました。

この図鑑には虫歯のまじない(愛媛)も収めています。

杢兵衛狸の漢字表記と読み方

読みは「もくべえだぬき」です。

「椋」はムクノキのことで、大木になります。

「油揚」は狐や狸に供える物としてよく挙げられます。

「電車がないころ」は、市電が通る前を指します。

この図鑑には虫歯のまじない(愛媛)も収めています。

杢兵衛狸(もくべえだぬき)

日文研データベースが示す呼称。

杢兵衛(もくべえ)

記録が示す狸の名です。

杢兵衛狸の姿と特徴

杢兵衛狸の話は、記録に短く書かれています。

いつのこと … 電車がないころ。
あるところ … 熊野神社のある森のなか。
その木 … 椋の大木。
そこにいたもの … 杢兵衛という狸。
人のしたこと … 油揚などをそなえた。
祈ったこと … 歯痛。

狸の姿かたちは書かれていません。

杢兵衛狸の伝承記録

  1. 熊野神社の森
  2. 杢兵衛という狸
  3. 油揚をそなえる
  4. 歯痛を祈る

熊野神社の森

電車がないころ、熊野神社のある森のなかに椋の大木がありました。

木は大木でした。

杢兵衛という狸

そこに杢兵衛という狸がいました。

名が付いています。

油揚をそなえる

これに油揚などをそなえました。

供えたのは油揚です。

歯痛を祈る

そうして歯痛を祈ったといいます。

頼んだのは歯の痛みでした。

杢兵衛狸の伝承地域

公的データベースの地域欄は京都府京都市左京区を示します。

記録は社の名を熊野神社と書いています。

熊野神社(くまのじんじゃ)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

熊野神社の所在地:京都府京都市左京区聖護院山王町

報告は郷土趣味社の郷土趣味によります。

京都三熊野の一つに数えられます。

杢兵衛狸の正体と考えられているもの

杢兵衛狸は、歯痛を頼まれた狸です

人を化かしてはいません。 語られているのは、いた場所と、何を供えて何を祈ったかです。

狸が祈りの相手になっているところが、この話の変わった点です。

この図鑑には虫歯のまじない(愛媛)も収めています。

杢兵衛狸が登場する作品

杢兵衛狸を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大正時代の郷土雑誌です。

歯痛を神仏や狐狸に祈る習わしは各地にあり、供え物には油揚や豆腐が使われます。

杢兵衛狸が登場する雑誌

郷土趣味

郷土趣味社が出した雑誌です。1919年の号に土俗集が載ります。

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杢兵衛狸についてよくある質問

杢兵衛狸とは何ですか。

京都市左京区の熊野神社の森にいたと語られる狸です。

どこにいたのですか。

森のなかの椋の大木と記録されています。

何を供えたのですか。

油揚などをそなえたといいます。

何を祈ったのですか。

歯痛を祈ったと記録されています。

杢兵衛狸と併せて覚えたい言葉・用語

(むく)

ムクノキ。大木になる木です。

油揚(あぶらあげ)

豆腐を油で揚げたもの。狐狸への供え物とされます。

熊野神社(くまのじんじゃ)

京都三熊野の一つに数えられる社です。

杢兵衛狸の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「杢兵衛狸」