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愛媛県

虫歯のまじない(むしばのまじない)とはどんな妖怪か|姿と伝承

虫歯のまじない  / ムシバノマジナイ

病の妖怪 各地の伝説

愛媛県久万高原町で、霜枯れ竹に虫の子はないと唱えて虫歯を治したというまじない。

虫歯のまじないの姿を描いた図

Koda6029 「鶴ノ瀬橋から見た面河渓(愛媛県上浮穴郡久万高原町)」 2021年 / CC BY-SA 4.0 出典

虫歯のまじないとはどんな妖怪か

虫歯のまじないは、虫はいないと言い切る唱えごとです。愛媛県上浮穴郡久万高原町の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、森正史監修上直瀬(旧川瀬村)の民俗」(『あゆみ―ふるさとの民俗―』1960年)を典拠に、虫歯の時には「秋風は冬の初めに吹くものよ、秋すぎて、冬の初めの下枯れの霜枯れ竹には虫の子もなし アビラウンケンソワカ」と言うといわれていると記します。

理屈が通してあります。

冬の霜枯れ竹には虫の子もなし——だから歯にも虫はいない、というわけです。

虫歯のまじないの漢字表記と読み方

読みは「むしばのまじない」です。

「霜枯れ」は、霜で草木が枯れることです。

「アビラウンケンソワカ」は密教の真言で、まじないの終わりによく添えられます。

虫歯は歯の中の虫が食うものと考えられていました。

虫歯のまじない(むしばのまじない)

日文研データベースが示す呼称。

歯痛の呪文(はいたのじゅもん)

同じたぐいのものに用いられる言い方です。

虫歯のまじないの姿と特徴

虫歯のまじないは、記録に唱え言葉として書かれています。

いつ唱えるか … 虫歯の時。
唱える言葉(一) … 秋風は冬の初めに吹くものよ。
唱える言葉(二) … 秋すぎて、冬の初めの下枯れの霜枯れ竹には虫の子もなし。
添える言葉 … アビラウンケンソワカ。

唱える回数は書かれていません。

虫歯のまじないの伝承記録

  1. 秋風は冬の初めに
  2. 霜枯れ竹には虫の子もなし
  3. アビラウンケンソワカ

秋風は冬の初めに

「秋風は冬の初めに吹くものよ」と唱えます。

季節から入ります。

霜枯れ竹には虫の子もなし

「秋すぎて、冬の初めの下枯れの霜枯れ竹には虫の子もなし」と続けます。

言い切っています

アビラウンケンソワカ

最後に「アビラウンケンソワカ」と添えます。

結びは真言です。

虫歯のまじないの伝承地域

公的データベースの地域欄は愛媛県上浮穴郡久万高原町を示します。

この図鑑には同じ久万高原町の麦の神も収めています。

上直瀬(かみなおせ)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

上直瀬の所在地:愛媛県上浮穴郡久万高原町

報告は愛媛大学農学部付属農業高等学校郷土研究部によります。

論文名にある旧川瀬村にあたります。

虫歯のまじないの正体と考えられているもの

虫歯のまじないは、言葉で虫を退けるまじないです

姿を持つものは出てきません。 語られているのは、唱える言葉だけです。

冬の竹に虫がいないことを持ち出して歯の虫も否む、というなぞらえが芯にあります。

この図鑑には麦の神(愛媛)も収めています。

虫歯のまじないが登場する作品

虫歯のまじないを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは高校の郷土研究部の報告書です。

歯痛を唱えごとで治す習わしは各地にあり、真言を添える形をよくとります。

虫歯のまじないが登場する報告書

あゆみ―ふるさとの民俗―

愛媛大学農学部付属農業高等学校郷土研究部が1960年に出した報告です。

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虫歯のまじないについてよくある質問

虫歯のまじないとは何ですか。

愛媛県久万高原町で、虫歯のときに唱えたという言葉です。

何と唱えるのですか。

「霜枯れ竹には虫の子もなし アビラウンケンソワカ」と結びます。

なぜ竹が出てくるのですか。

冬の竹に虫がいないことになぞらえて、歯の虫も否むためと読めます。

アビラウンケンソワカとは何ですか。

密教の真言で、まじないの終わりによく添えられます。

虫歯のまじないと併せて覚えたい言葉・用語

霜枯れ(しもがれ)

霜で草木が枯れることです。

真言(しんごん)

密教で唱える呪文のことです。

俗信(ぞくしん)

世の中に広く信じられている言い伝えです。

虫歯のまじないの参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「虫歯のまじない,(俗信)」