大阪城の開かずの雪隠の怪。塙団右衛門が下から伸びた手を捻り上げると、正体はむじなだった。

明かずの雪隠とはどんな妖怪か
明かずの雪隠はひとことで言えば、厠の下から手が伸びる話です。大阪城の怪異として記録されています。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、上田長太郎「大阪城の怪異譚」(『郷土研究上方』3巻33号、1933年、18頁)を典拠に、塙団右衛門が大阪城の開かずの雪隠へ入った時、下から伸びた怪しの手を強力で以って捻り上げたところ、その正体はむじなであったと記します。
雪隠は厠、便所のことです。開かずの雪隠は、使われずに閉ざされていた厠を指します。
塙団右衛門は、大坂の陣で名を残した武将です。怪異と名のある武将が結び付いた、城の怪談の形をしています。
正体が最後に明かされるところが、この話の特徴です。
明かずの雪隠の漢字表記と読み方
読みは「あかずのせっちん」です。
「雪隠」は厠、いまでいう便所のことです。寺の役職名から出た言い方とされ、江戸時代には広く使われました。
「明かず」は開かずで、開けてはならない、開かれないという意味です。城や屋敷の「開かずの間」と同じ言い方になります。
明かずの雪隠(あかずのせっちん)
日文研データベースが示す表記。
開かずの雪隠(あかずのせっちん)
記録の本文で使われている書き方。
明かずの雪隠の姿と特徴
明かずの雪隠に現れるのは、下から伸びる手です。
場所 … 大阪城の開かずの雪隠。
現れ方 … 下から怪しの手が伸びる。
結末 … 捻り上げると、正体はむじなだった。
顔も体も、記録には現れません。最後に正体がむじなと分かるだけです。
むじなは、アナグマや狸を指す言い方です。
明かずの雪隠の伝承記録
下から伸びてくる手
厠の下から手が伸びる話は、各地に伝わります。赤い紙、青い紙を尋ねる声も、厠の怪異の一つです。
この記録では、伸びてきたのは手です。声も言葉もありません。
入ったのは塙団右衛門。強力(ごうりき、力の強いこと)で知られた武将です。
恐れて逃げるのではなく、捻り上げます。 話の筋は、そこで決まります。
正体はむじな
捻り上げてみると、正体はむじなでした。
むじなは、アナグマや狸を指す言い方です。化けて人を驚かす獣として、各地で語られてきました。
怪異が獣に落ち着くという結末は、江戸期の怪談によく見られます。正体が分かることで、話は終わります。
むじながその後どうなったかは記録されていません。
明かずの雪隠の伝承地域
記録の舞台は大阪城です。ただし、雪隠の位置は書かれていません。
現在の天守は昭和6年に再建されたもので、話の時代の建物とは別です。地図で指せるのは城の範囲までです。
大阪城(おおさかじょう)
記録が舞台とする城
大阪城の所在地:大阪府大阪市中央区大阪城1-1
記録は「大阪城の開かずの雪隠」と記します。
雪隠の位置は資料に書かれていません。現在の天守は昭和に再建されたものです。
明かずの雪隠の正体と考えられているもの
明かずの雪隠の怪の正体は、記録の中でむじなと明かされています。
捻り上げて正体が分かるという筋は、怪異を獣のしわざとする江戸期の語り方です。
なぜ開かずの雪隠だったのか、いつのことかは書かれていません。
塙団右衛門は大坂の陣で知られる武将です。城と、名のある武将と、獣。三つがそろって一つの怪談になっています。
明かずの雪隠が記録された資料
明かずの雪隠を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『郷土研究上方』の記事です。
『郷土研究上方』は戦前の大阪の郷土誌で、城や町の怪談をまとめて載せています。図書館の郷土資料が探し先です。
明かずの雪隠が記録された民俗資料
大阪城の怪異譚
上田長太郎が『郷土研究上方』3巻33号(1933年)に載せた中心資料です。
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明かずの雪隠についてよくある質問
明かずの雪隠とはどんな怪異ですか。
大阪城の開かずの厠の話です。下から怪しの手が伸び、捻り上げると正体はむじなだったと記録されています。
塙団右衛門とは誰ですか。
大坂の陣で名を残した武将です。強力で知られ、この話では手を捻り上げる役です。
むじなとは何ですか。
アナグマや狸を指す言い方です。化けて人を驚かす獣として各地で語られました。
雪隠はどこにあったのですか。
記録に位置の記載はありません。現在の天守は昭和の再建で、話の時代の建物とは別です。
明かずの雪隠と併せて覚えたい言葉・用語
雪隠(せっちん)
厠、便所のこと。江戸時代に広く使われた言い方です。
むじな(むじな)
アナグマや狸を指す言い方。この話の正体です。
塙団右衛門(ばんだんえもん)
大坂の陣で知られる武将。怪しの手を捻り上げた人物です。
明かずの雪隠の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。