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徳島県

一寸坊主(いっすんぼうず)とはどんな妖怪か|姿と伝承

一寸坊主  / イッスンボウズ

狐と狸 各地の伝説

徳島県徳島市の助任橋で、擬宝珠を叩いて呼ぶと現れ、家に祟ったと語られる小さな坊主。

一寸坊主の姿を描いた図

Saigen Jiro 「徳島城の天守跡(徳島県徳島市徳島町城内)」 2018年 / CC0 出典

一寸坊主とはどんな妖怪か

一寸坊主はひとことで言えば、呼ぶと来る小さな坊主です。徳島県徳島市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、長尾楓窓妖怪に遇ふた人」(『郷土趣味』3巻4号、1921年、17頁)を典拠に、助任橋の三番目の擬宝珠を叩いて「今夜来い」と言うと必ず妖怪が来る。藩士の子守衛がその擬宝珠を叩いて帰った。すると守衛の上で多くの一寸坊主がおどりさわいだ。その後守衛は若死にし、弟の源内が相続したがその妻は順々に若死にした。助任橋の狸の祟りというと記します。

呼び方が決まっています。

三番目の擬宝珠を叩いて、「今夜来い」と言います。 言えば必ず来るとされます。

一寸坊主の漢字表記と読み方

読みは「いっすんぼうず」です。

一寸は約三センチです。 手のひらに乗るほどの大きさを指します。

昔話の一寸法師とは別の話です。 こちらは大勢で現れて騒ぐものです。

この図鑑には豆狸(各地)も収めています。どちらも狸が小さく化ける話です。

一寸坊主(いっすんぼうず)

日文研データベースが示す呼称。

助任橋の狸(すけとうばしのたぬき)

祟りの主として記録に添えられた呼び方です。

一寸坊主の姿と特徴

一寸坊主の姿は、記録に短く書かれています。

大きさ … 一寸(約三センチ)ほどの坊主。
… 多く。
すること … 人の上でおどりさわぐ。
呼び方 … 助任橋の三番目の擬宝珠を叩いて「今夜来い」と言う。
正体とされるもの … 助任橋の狸。

顔つきや着ているものは書かれていません。

一寸坊主の伝承記録

  1. 三番目の擬宝珠
  2. 守衛の上で騒ぐ
  3. 家に続いた不幸

三番目の擬宝珠

助任橋の三番目の擬宝珠を叩いて「今夜来い」と言うと必ず妖怪が来るといいます。

橋のどこを叩くかまで決まっています。

守衛の上で騒ぐ

藩士の子守衛がその擬宝珠を叩いて帰りました。すると守衛の上で多くの一寸坊主がおどりさわぎました。

呼んだ本人のところへ大勢で来ています。

家に続いた不幸

その後守衛は若死にし、弟の源内が相続しましたが、その妻は順々に若死にしました。助任橋の狸の祟りといいます。

一晩の騒ぎでは終わっていません。

一寸坊主の伝承地域

公的データベースの地域欄は徳島県徳島市助任橋を示します。

助任川は徳島城の北を流れ、橋のあたりは城下町の入口にあたります。

助任橋(すけとうばし)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

助任橋の所在地:徳島県徳島市助任橋

報告は郷土趣味社の郷土趣味によります。

徳島城の北を流れる助任川に架かる橋で、町名にもなっています。

一寸坊主の正体と考えられているもの

一寸坊主は、狸が化けたものとされる小さな坊主です

記録は最後にはっきり書きます。 助任橋の狸の祟り」という一句です。

呼んだのは人の側で、返ってきたのは家の代々でした。

この図鑑には豆狸(各地)も収めています。

一寸坊主が登場する作品

一寸坊主を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大正期の郷土雑誌です。

徳島は狸の話が多い土地で、この図鑑にも阿波狸合戦を収めています。

一寸坊主が登場する雑誌

郷土趣味

郷土趣味社が出した雑誌です。1921年の号に妖怪に遇ふた人が載ります。

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一寸坊主についてよくある質問

一寸坊主とは何ですか。

徳島市の助任橋で、擬宝珠を叩いて呼ぶと現れると語られた小さな坊主です。

どうやって呼ぶのですか。

助任橋の三番目の擬宝珠を叩いて「今夜来い」と言うと記録されています。

正体は何ですか。

助任橋の狸の祟りと記されています。

一寸法師と同じですか。

別の話です。一寸坊主は大勢で現れて騒ぐものとして語られます。

一寸坊主と併せて覚えたい言葉・用語

擬宝珠(ぎぼし)

橋や欄干の柱の先に付ける、玉ねぎの形をした飾りです。

一寸(いっすん)

長さの単位で約三センチです。

藩士(はんし)

藩に仕えた武士のことです。

一寸坊主の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「一寸坊主,狸」