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群馬県

送り狐(おくりぎつね)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

送り狐  / オクリギツネ

狐と狸 各地の伝説

化け狐が改心し、夜道の守り神になったという話。

送り狐とはどんな妖怪か

送り狐は、群馬県桐生市に伝わる化け狐の話です。

梅田町浅部字栗生という土地に伝わります。

はじめは、悪い狐でした。

その昔、この地に化け狐が住んでおり、夜な夜な一つ目小僧大入道に化けて人々を脅していました

ある者は、化かされたことで病気になって寝込んでしまったほどでした。

そして、山伏との出会いが転機になります。

ある夜、山伏が夜道を歩いていると、狐が大木に化けて道を塞いでいました。

山伏は狐だと見破り、仙術で変化を破って通り過ぎます。

狐はそのままその場所で動けなくなりました。

送り狐の漢字表記と読み方

読みは「おくりぎつね」です。

送る狐。 人を送り届ける狐、という意味です。

似た名の妖怪に、「送り狼」があります。

こちらは、夜道を歩く人の後をつけてくるもので、転ぶと襲われるとされました。

送り狐は、逆です。

無事に送り届けます。

「送り」という語が、同じ形で正反対に働いています。

そして、この話にはがあります。

送ってもらった人々は感謝の意を込め、狐の好物の油揚げや赤飯を供えました。

送り狐(おくりぎつね)

もっとも一般的な表記。

オクリギツネ(おくりぎつね)

カタカナで書くこともある。

送り狼(おくりおおかみ)

夜道で人につきまとうとされる別の妖怪。

送り狐の姿と特徴

送り狐は、姿を見せません。

化けていたころ … 一つ目小僧、大入道、大木。
改心してから … 姿を消したまま。

姿を消し、その人にしか聞こえない声で道を教え、無事に送り届けるといいます。

声だけです。

そして、その声は一人にしか聞こえません。

同行者がいても、聞こえるのは一人だけということになります。

以来、その辺りでは誰も夜道に迷わなくなりました。

供えられたのは、油揚げと赤飯です。

どちらも、狐に供える定番のものです。

送り狐の伝承物語

  1. 大木に化けて道を塞ぐ
  2. 良いことをすれば
  3. 誰も迷わなくなった

大木に化けて道を塞ぐ

この狐は、はじめたちの悪い化け狐でした。

夜な夜な一つ目小僧や大入道に化けて人々を脅していました

ある者は、化かされたことで病気になって寝込んでしまったほどです。

そして、ある夜。

山伏が夜道を歩いていると、狐が大木に化けて道を塞いでいました。

山伏は、狐だと見破ります。

そして、仙術で変化を破って通り過ぎました。

狐は、そのままその場所で動けなくなります。

翌朝になって人々に見つかり、縛り上げられてしまいました

皆が化かされた怨みを込め、「狐汁にしてしまえ」などと騒ぎます。

良いことをすれば

騒ぎの最中に、山伏がやって来ました。

そして、狐にこう諭します。

良いことをすれば良いことがあるが、悪さをすればこのように悪い目に遭う。

それだけです。

罰しません。

そして山伏は、狐に具体的な仕事を勧めました。

夜道を歩く人々の道案内をすること。

そして、命を助けて山へ返しました。

これが、この話の要です。

化け狐は殺されず、追われず、役目を与えられました。

悪さをする力が、そのまま人の役に立つ力に変わっています。

誰も迷わなくなった

以来、狐は夜道の守り神となりました。

人々が迷ったり危ない目に遭ったりしないよう、姿を消し、その人にしか聞こえない声で道を教え、無事に送り届けるようになりました。

姿は見せません。

声だけが聞こえます。

そして、結果が伝えられています。

以来、その辺りでは誰も夜道に迷わなくなった。

送ってもらった人々は、感謝の意を込めました。

狐の好物の油揚げや赤飯を供えます。

そして、いつしか誰となく狐を「送り狐」と呼びました。

名前は、後からつきました。

悪さをしていたころには、名前がありません。 役目を果たすようになって、呼び名ができました。

送り狐の伝承地域

送り狐が伝わるのは、群馬県桐生市梅田町浅部字栗生です。

山あいの土地で、話に出てくる「夜道」もこの一帯を指すとみられます。

ただし、送り狐を祀った碑や祠は確かめられていません。

話のなかでは、送ってもらった人々が狐の好物の油揚げや赤飯を供えたとされますが、供える場所については書かれていません。

確かめられていない場所を、伝承地として挙げることはしません。この欄は空のままにしてあります。

送り狐の正体と考えられているもの

送り狐については、次のように整理できます。

一つめは、改心した化け狐です。はじめは一つ目小僧や大入道に化けて人々を脅していた狐が、山伏に諭されて夜道を歩く人々の道案内をするようになりました。

二つめは、山伏の教えです。良いことをすれば良いことがあるが、悪さをすればこのように悪い目に遭うという一言で、狐は役目を得ました。罰されていません。

三つめは、声だけの守り神です。姿を消し、その人にしか聞こえない声で道を教え、無事に送り届けるとされます。

四つめは、送り狼との対です。「送り」という語を持つ妖怪には、夜道でつきまとう送り狼があります。 同じ形で、正反対に働いています。

送り狐は、悪いものが良いものに変わる話です。 そして、変わった後には油揚げと赤飯が供えられました。

送り狐をめぐる妖怪のつながり

送り狐が登場する作品

送り狐は、土地に伝わる童話です。

群馬県桐生市梅田町浅部字栗生という、細かい地名まで伝わっています。 書物より、語りとして残った話です。

資料は民話の採録が中心です。

送り狐が登場する研究

妖怪事典

村上健司編著、2000年。群馬県桐生市の伝承として整理しています。

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群馬の民話

県内の民話を集めた書。送り狐の話を収めます。

送り狐が登場する漫画・アニメ

妖怪をまとめて扱う作品

化け狐の話として、稲荷の狐と並べて取り上げられます。

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送り狐についてよくある質問

送り狐は何をするのですか。

姿を消し、その人にしか聞こえない声で道を教え、無事に送り届けます。 以来、その辺りでは誰も夜道に迷わなくなったといいます。

もとは悪い狐だったのですか。

そうです。 夜な夜な一つ目小僧や大入道に化けて人々を脅しており、化かされて病気になり寝込んだ者もいました。

なぜ改心したのですか。

大木に化けて道を塞いだところ、山伏に見破られて仙術で変化を破られ、動けなくなって縛り上げられました。 山伏が「良いことをすれば良いことがあるが、悪さをすればこのように悪い目に遭う」と諭し、道案内をすることを勧めて山へ返しました。

送り狼とは違うのですか。

正反対です。 送り狼は夜道で人につきまとい、転ぶと襲うとされます。 送り狐は、無事に送り届けます。

送り狐と併せて覚えたい言葉・用語

山伏(やまぶし)

山に入って修行する修験道の行者。仙術を使うとされた。

送り狼(おくりおおかみ)

夜道で人の後をつけ、転ぶと襲うとされる妖怪。

油揚げ(あぶらあげ)

狐の好物とされ、稲荷に供えられる。