茨城県土浦市の夜道で、提灯を下げた坊さんが前を歩き、追いつけない。狐や狸のいたずらという。

いたずら坊さんとはどんな妖怪か
いたずら坊さんはひとことで言えば、追いつけない先行者です。茨城県土浦市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、座間美都治「霞が浦周辺奇談」(『ひでばち』通巻11号、1958年、6頁)を典拠に、次のように記します。
常磐線の神立駅から根当へ出るまでの道を夜に通ると、前に提灯を下げた坊さんが歩いている。一緒に行こうと急いでも追いつかない。婚礼帰りに引き出物を下げていると中身を盗られたり、頭を坊主頭にされたりする。狐や狸のいたずらだという。
駅名が出てきます。 常磐線の神立駅。鉄道が通ったあとの道で語られた話です。
被害も具体的です。 引き出物の中身を盗られる、頭を坊主にされる。
正体は、狐や狸とされました。
いたずら坊さんの漢字表記と読み方
読みは「いたずらぼうさん」です。
名のとおり、いたずらをする坊さんの姿です。害を与えるというより、からかう形です。
前を歩いて追いつけないという形は各地にあります。香川のシリウマオイは後ろから、この坊さんは前からです。
いたずら坊さん(いたずらぼうさん)
日文研データベースが示す表記。
イタズラボウサン(いたずらぼうさん)
同データベースの呼称読み。
いたずら坊さんの姿と特徴
いたずら坊さんの姿は、提灯を下げた坊さんです。
場所 … 神立駅から根当へ出るまでの道。
時 … 夜。
動き … 前を歩いている。急いでも追いつかない。
いたずら1 … 引き出物の中身を盗る。
いたずら2 … 頭を坊主頭にする。
正体 … 狐や狸のいたずら。
顔つきや背丈は書かれていません。
いたずら坊さんの伝承記録
追いつけない提灯
夜道の前方に、提灯を下げた坊さんが歩いています。
夜道で人に会えば、心強いものです。 一緒に行こうと急ぎます。
ところが追いつきません。
距離が縮まらないという形は、遠くの灯りを見誤ったときにも起こります。
記録は、そこまで書いていません。 追いつけない、という体験だけが残ります。
引き出物を盗られ、坊主にされる
被害が具体的です。婚礼帰りに引き出物を下げていると、中身を盗られる。
さらに、頭を坊主頭にされることもありました。
髪を切られる怪異は各地にあります。この図鑑にも髪切りを収めています。
この話では、それが「いたずら」と呼ばれています。 命を取る話としては語られていません。
正体は、狐や狸のしわざとされました。
いたずら坊さんの伝承地域
記録は常磐線の神立駅から根当へ出るまでの道と記します。公的データベースの地域欄は茨城県土浦市です。
道の現在は書かれていないため、地図で指せるのは市の範囲までです。
いたずら坊さんの正体と考えられているもの
いたずら坊さんの正体は、記録では狐や狸とされています。
化けて人をからかうという、各地に共通する形です。
追いつけない先行者、盗られる荷物、切られる髪。三つとも、狐や狸のしわざとして語られてきた出来事です。
この記録の特徴は、駅名が出てくる点です。 鉄道が通ってからも、夜道の話は続いていました。
報告は1958年。 戦後まで語られていたことが分かります。
いたずら坊さんが記録された資料
いたずら坊さんを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『ひでばち』の記事です。
『ひでばち』は関東の民俗誌です。霞ヶ浦周辺の奇談を集めた記事で、同じ土地の話が並びます。
いたずら坊さんが記録された民俗資料
霞が浦周辺奇談
座間美都治が『ひでばち』通巻11号(1958年)に載せた中心資料です。
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いたずら坊さんについてよくある質問
いたずら坊さんとは何ですか。
茨城県土浦市の夜道に出るとされたものです。提灯を下げた坊さんが前を歩き、急いでも追いつけないと記録されています。
どんないたずらをするのですか。
婚礼帰りの引き出物の中身を盗ったり、頭を坊主頭にしたりすると記録されています。
正体は何ですか。
狐や狸のいたずらだと記録されています。
どこの道ですか。
常磐線の神立駅から根当へ出るまでの道と記録されています。
いたずら坊さんと併せて覚えたい言葉・用語
神立駅(かんだつえき)
常磐線の駅。記録が道の起点として挙げています。
引き出物(ひきでもの)
婚礼で配られる品。中身を盗られたとされます。
髪切り(かみきり)
髪を切る怪異。頭を坊主にされる話と近い形です。
いたずら坊さんの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。