香川県綾川町で、夜の細道を通ると後ろから足音がするのに、振り返ると何もいないという怪異。

Sunport1216 「滝宮公園と綾川(香川県綾歌郡綾川町滝宮)」 2012年 / CC BY-SA 3.0 出典
シリウマオイとはどんな妖怪か
シリウマオイはひとことで言えば、後ろから付いてくる足音です。香川県綾歌郡綾川町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、水野一典「香川県綾上町妖怪名彙」(『四国民俗』、1981年)を典拠に、細道を夜通ると、後から人が付いてくるような足音がするがふり返っても何もいないと記します。
それだけです。 襲われる、話しかけられる、姿が見えるといった続きはありません。
足音が「人が付いてくるような」音である点が要です。獣の足音でも、風の音でもなく、人の歩き方に聞こえます。
出る道は「細道」とされ、名は記録されていません。
シリウマオイの漢字表記と読み方
読みは「しりうまおい」です。
「尻馬に乗る」という言い回しがあります。人の後ろについて行くという意味です。シリウマオイの名も、後ろから付いてくるという動きに合っています。
ただし、名の由来は記録に書かれていません。あくまで語の形からの見当です。
シリウマオイ(しりうまおい)
日文研データベースが示す呼称。
尻馬追い(しりうまおい)
語の形に沿って漢字を当てた書き方。
シリウマオイの姿と特徴
シリウマオイに姿はありません。記録にあるのは、足音だけです。
時 … 夜。
場所 … 細道。
音 … 人が付いてくるような足音。
確認 … 振り返っても何もいない。
姿を見た人はいません。
足音が止まるのか、家まで付いてくるのかも記録されていません。害を加えたという記述もありません。
シリウマオイの伝承記録
細道の足音
細道は、人がすれ違うのがやっとの狭い道です。後ろに誰かがいれば、必ず気配で分かります。
その細道で、足音だけが聞こえます。
振り返る。誰もいない。それでもまた足音がします。
埼玉の袖引小僧が「触れる」怪異であるのに対し、シリウマオイは「聞こえる」怪異です。どちらも、姿を見せないまま人のすぐ後ろにいます。
シリウマオイの伝承地域
公的データベースの地域欄は香川県綾歌郡綾川町を示します。採録当時の綾上町は、合併により現在の綾川町の一部です。
集落や道の名は記録されていないため、地図で指せるのは町の範囲までです。
綾川町周辺(あやがわちょうしゅうへん)
日文研データベースが示す伝承地域
綾川町周辺の所在地:香川県綾歌郡綾川町
採録地の綾上町は、合併して現在の綾川町になりました。
資料には、足音がするとされる道の名がありません。
シリウマオイの正体と考えられているもの
シリウマオイの正体は確定していません。
狐や狸のしわざとも書かれていません。 記録にあるのは、足音がして振り返ると何もいない、という形だけです。
自分の足音が反響した、風で草が鳴った、といった説明は資料に書かれていません。
分かっているのは、夜・細道・後ろからの足音・振り返ると何もいない、という四つだけです。
シリウマオイが記録された資料
シリウマオイを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは水野一典の報告です。
同じ報告に載る町内の妖怪と並べて読むと、夜道・音・獣という土地の語りの型が見えてきます。
シリウマオイが記録された民俗資料
香川県綾上町妖怪名彙
水野一典が『四国民俗』(1981年)に載せた中心資料です。
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シリウマオイについてよくある質問
シリウマオイとはどんな妖怪ですか。
香川県綾川町の怪異です。夜に細道を通ると後ろから足音がするのに、振り返ると何もいないというものです。
姿を見た人はいますか。
いません。記録にあるのは足音だけです。
害はありますか。
害を加えたという記録はありません。足音が続くだけです。
名前の意味は何ですか。
記録に説明はありません。「尻馬に乗る」という後ろに付いて行く言い回しと形が重なります。
シリウマオイと併せて覚えたい言葉・用語
細道(ほそみち)
人がすれ違うのがやっとの狭い道。シリウマオイが出るとされた場所です。
尻馬に乗る(しりうまにのる)
人の後ろについて行くことを指す言い回しです。
四国民俗(しこくみんぞく)
シリウマオイの報告が載った雑誌です。
シリウマオイの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。