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鹿児島県

ヤマンボ(やまんぼ)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

ヤマンボ  / ヤマンボ

山の妖怪 各地の伝説

奄美大島の山にいる子供のような妖怪。木の実を拾いきると道に迷わされる。

ヤマンボとはどんな妖怪か

ヤマンボは、鹿児島県奄美大島に伝わる妖怪です。

山の中に住む、小さな子供のような姿をしています。

ただし、見ることはできません。

普段は大木の根本に座っているが、人が近寄ると後ろに回ってしまい、姿を見せることはないといいます。

回り込まれます。

そして、声だけが返ってきます。

山に入った人が連れの者を呼んで「うーい」と声をかけると、別の方から「うーい」と声が返ることがあります。

いわゆる山彦です。

これがヤマンボの仕業といわれ、そのため奄美方言では、山彦自体のこともヤマンボといいます。

ヤマンボの漢字表記と読み方

読みは「やまんぼ」です。

山にいるもの、という形の名です。

奄美方言では、山彦そのものもヤマンボといいます。

妖怪の名が、そのまま現象の名になっています。

似た言い方は各地にあります。

山彦を「山の神が返す声」とする土地は多く、呼びかけに答えるものとして語られてきました。

返事があるということは、そこに誰かがいるということです。

姿は見えず、声だけが返る。 この形が、山の妖怪の基本になっています。

ヤマンボ(やまんぼ)

もっとも一般的な表記。

やまんぼ(やまんぼ)

ひらがなで書くこともある。

ヤマンボの姿と特徴

ヤマンボの姿は、次のように伝わります。

大きさ … 小さな子供のよう。
居場所 … 大木の根本。
動き人が近寄ると後ろに回ってしまう
… 「うーい」と返す。

正面から見ることができません。

座っているのを見つけても、近づけば回り込まれます。

そして、木の実を分けなければなりません。

山の中で木の実を拾うときに全部拾いきってはならないという謂れがあり、これはヤマンボの取り分を残すためといわれます。

ヤマンボの伝承物語

  1. 椎の実を拾いきる
  2. 返せば道が開く
  3. 全部取らないという掟

椎の実を拾いきる

ヤマンボには、具体的な話が伝わります。

強風の吹いた翌日のことです。

2人の娘が、風で落ちた椎の実を拾うために山に入りました

やがて山奥で、見たこともない大木の下に辿り着きます。

その根元には大量の椎の実が積もっていたので、2人は夢中になって拾い始めました。

持ってきた籠が一杯になります。

終いには服を1枚脱いで袋の代わりにし、実をすべて拾いきりました

すべて、です。

2人は荷物を背負って帰途につきました。

ところが、なぜか見覚えのある道に出ることはできず、気づいたときには同じ道を何度も歩いていました

返せば道が開く

道に迷った2人は、言い伝えを思い出しました。

山の中で木の実を拾うときに、全部拾いきってはならない

ヤマンボの取り分を残すためです。

2人は引き返します。

あの木のもとへ行って椎の実をすべて落とし、荷物を空にして歩き始めました。

すると、すぐでした。

正しい帰り道に出ることができたといいます。

この2人はヤマンボの分の実を取ったため、道に迷わされたのです。

取りすぎたら返す。 それだけで済みました。

罰は、迷わせるところまでです。

全部取らないという掟

ヤマンボの話は、山の掟を伝えています。

木の実を全部拾いきってはならない

これは、実際に理にかなっています。

すべて拾えば、翌年に芽を出す実が残りません 山に来る獣や鳥の分もなくなります。

取り分を残すという考え方です。

似た掟は各地にあります。

山菜を根こそぎ採らない、最後の一株は残す、といった言い方は、日本の山村に広く見られます。

ヤマンボは、その掟を守らせる役目を負っています。

姿を見せず、声だけを返し、取りすぎた者を迷わせる。 山そのものの働きに近いものです。

ヤマンボの伝承地域

ヤマンボは、鹿児島県奄美大島に伝わります。

奄美の民俗研究家・恵原義盛の著書『奄美怪異談抄』に記述があります。

今野円輔編著『日本怪談集 妖怪篇』(1981年)にも収められています。柳田国男『山村語彙』(1932年)、『桃太郎の誕生』(1933年)、都成南峰・永井竜一『奄美史談』(1933年)にも関連する記述があります。

山そのものが舞台であり、ヤマンボを祀った社や碑は確かめられていません。 この欄は空のままにしてあります。

ヤマンボの正体と考えられているもの

ヤマンボについては、次のように整理できます。

一つめは、山の子供です。山の中に住む、小さな子供のような姿とされ、大木の根本に座っているといいます。

二つめは、山彦です。「うーい」と呼ぶと別の方から「うーい」と声が返るのがヤマンボの仕業とされ、奄美方言では山彦自体のこともヤマンボといいます。

三つめは、取り分を守るものです。山の中で木の実を拾うときに全部拾いきってはならないという謂れがあり、ヤマンボの取り分を残すためとされます。

四つめは、見せない姿です。人が近寄ると後ろに回ってしまい、姿を見せることはないといいます。

ヤマンボが何であったかは、わかっていません。 ただ、全部取ったら迷わされ、返せば道が開くという筋は、山で暮らす者の掟をそのまま伝えています。

ヤマンボをめぐる妖怪のつながり

ヤマンボが登場する作品

ヤマンボは、掟を伝える妖怪です。

木の実を全部拾いきってはならない、という一点のために語られてきました。 罰は迷わせるところまでで、返せば済みます。

資料は奄美の民俗の記録が中心です。

ヤマンボが登場する研究

日本怪談集 妖怪篇

今野円輔編著、1981年。ヤマンボの話を収めています。

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柳田国男『妖怪談義』

山彦や山の精霊を、呼びかけに答えるものとして論じています。

妖怪事典

村上健司編著、2000年。奄美大島の伝承として整理しています。

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ヤマンボが登場する漫画・アニメ

妖怪をまとめて扱う作品

山彦の妖怪として、呼子や山童と並べて取り上げられます。

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ヤマンボについてよくある質問

ヤマンボはどんな姿ですか。

山の中に住む、小さな子供のような姿です。ただし人が近寄ると後ろに回ってしまい、姿を見せることはないといいます。

山彦と関係がありますか。

あります。 「うーい」と声をかけると別の方から「うーい」と声が返るのがヤマンボの仕業とされ、奄美方言では山彦自体のこともヤマンボといいます。

木の実を全部拾ってはいけないのですか。

山の中で木の実を拾うときに全部拾いきってはならないという謂れがあり、これはヤマンボの取り分を残すためといわれます。

拾いきるとどうなりますか。

椎の実をすべて拾いきった2人の娘は、見覚えのある道に出ることができず、同じ道を何度も歩いていました 実をすべて落として荷物を空にすると、すぐに正しい帰り道に出ることができたといいます。

ヤマンボと併せて覚えたい言葉・用語

山彦(やまびこ)

山で声が返ってくる現象。奄美ではヤマンボという。

恵原義盛(えはらよしもり)

奄美の民俗研究家。『奄美怪異談抄』の著者。

椎の実(しいのみ)

シイの木の実。食用になる。