古くなったしゃもじの妖怪。夜に集まって遊ぶ。
飯笥とはどんな妖怪か
飯笥の漢字表記と読み方
読みは「みしげー」です。
沖縄の言葉です。
本来の飯笥とはしゃもじのことです。
道具の名が、そのまま妖怪の名です。
「マジムン」も沖縄の言葉です。
魔物を指します。
同じ台所の道具に、もう一つあります。
鍋笥(ナビゲー)は、杓子のことです。
しゃもじと杓子が、並んで妖怪になります。
どちらも、飯や汁をよそう道具です。
毎日使うものが、捨てられて妖怪になります。
飯笥(みしげー)
もっとも一般的な表記。
ミシゲー・マジムン(みしげーまじむん)
マジムンの一種であることを示す呼び方。
鍋笥(なびげー)
杓子のこと。同じく妖怪になるとされる。
飯笥の姿と特徴
飯笥の姿は、しゃもじです。
本来の飯笥とはしゃもじのことだが、妖怪の飯笥とはこの飯笥が古くなって妖怪に変化したもののことです。
古くなった道具です。
動き方が伝わっています。
夜中に動き出し、騒いだり人をからかったりと悪戯を働きます。
そして、音を出します。
捨てられたこれら食器類がこれらの妖怪となって夜に遊び出すことがあり、そのときにはごみ捨て場から音楽が聞こえてくるといいます。
ごみ捨て場から音楽です。
牛に化けることもあります。
飯笥の伝承物語
一晩踊って、朝には食器
ある男が、音に誘われました。
ある夜、楽器の音色を聞いた男が家から外へ出てみると、若い男女が広場で遊んでいました。
若い男女です。
賑やかさに誘われ、男も頬被りをして仲間に加わり、飲んだり踊ったりして一晩中過ごしました。
一晩中です。
そして、朝になります。
夜明けに男女たちは去っていきましたが、男は疲れてその場で眠ってしまいました。
眠りました。
目が覚めて、わかりました。
目が醒めた時、彼の周辺には飯笥などの食器が散乱していました。
捨てられた食器類が夜中に遊んでいたのでした。
牛に化けて餌を食べた
別の話では、牛になります。
ある農夫が夜、道にうずくまっている牛を見つけ、自分の家へ連れ帰って牛小屋へ入れました。
拾った牛です。
餌を与えると、実によく食べました。
よく食べました。
翌朝、確かめます。
翌朝に小屋を覗くと牛の姿はなく、餌が積み上げられた上に飯笥が乗せられているだけでした。
餌は減っていませんでした。
積み上がった餌の上に、しゃもじです。
食べたふりをしていました。
もう一つ、短い話があります。
夜中、ある家の扉を何者かが叩きます。家人が扉を開けてみると、人の姿はなく、代わりに1本の飯笥が倒れていました。
古いしゃもじは捨てない
この妖怪には、教えがついています。
そのような怪異があるため、古くなった飯笥や鍋笥は捨てるものではないといわれていました。
捨てません。
捨てると、妖怪になります。
捨てられたこれら食器類がこれらの妖怪となって夜に遊び出すことがあります。
遊び出します。
害は、大きくありません。
騒いだり人をからかったりと悪戯を働く程度です。
それでも、気味の悪いものでした。
同じ考えは、本土にもあります。
付喪神は、古くなった道具が化けたものとされます。
化け古下駄も、古くなって捨てられた下駄が化けたものでした。
飯笥の伝承地域
飯笥は、沖縄県に伝わります。
付喪神の一種で、マジムンの一種とされます。
話に出る場所は、家のまわりです。
ごみ捨て場、広場、牛小屋、家の扉です。
捨てられたこれら食器類が妖怪となって夜に遊び出すことがあり、そのときにはごみ捨て場から音楽が聞こえてくるといいます。
暮らしの場が舞台であり、この名で祀られた社や碑は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。
飯笥の正体と考えられているもの
飯笥については、次のように整理できます。
一つめは、正体です。本来の飯笥とはしゃもじのことだが、妖怪の飯笥とはこの飯笥が古くなって妖怪に変化したもののことです。
二つめは、することです。夜中に動き出し、騒いだり人をからかったりと悪戯を働きます。
三つめは、音楽です。捨てられたこれら食器類がこれらの妖怪となって夜に遊び出すことがあり、そのときにはごみ捨て場から音楽が聞こえてくるといいます。
四つめは、牛の話です。道にうずくまっている牛を連れ帰り、餌を与えると、実によく食べたが、翌朝に小屋を覗くと牛の姿はなく、餌が積み上げられた上に飯笥が乗せられているだけでした。
五つめは、教えです。古くなった飯笥や鍋笥は捨てるものではないといわれていました。
この妖怪は、捨てられた道具です。 毎日使うものほど、粗末にしてはいけないとされました。
飯笥をめぐる妖怪のつながり
飯笥が登場する作品
飯笥は、捨てられたしゃもじです。
夜に集まって遊び、ごみ捨て場から音楽が聞こえたといいます。
資料は沖縄の民俗の記録が中心です。
飯笥が登場する研究
飯笥が登場する漫画・アニメ
付喪神を扱う作品
台所の道具が化ける話として取り上げられます。
沖縄の妖怪を扱う作品
キジムナーやマジムンと並べて取り上げられます。
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飯笥についてよくある質問
飯笥とは何ですか。
沖縄県に伝わる付喪神の一種で、マジムンの一種です。本来の飯笥とはしゃもじのことです。
何をするのですか。
夜中に動き出し、騒いだり人をからかったりと悪戯を働きます。
牛に化けた話とは何ですか。
道にうずくまっている牛を連れ帰り、餌を与えると、実によく食べたが、翌朝に小屋を覗くと牛の姿はなく、餌が積み上げられた上に飯笥が乗せられているだけでした。
古い道具はどうするのですか。
古くなった飯笥や鍋笥は捨てるものではないといわれていました。
飯笥と併せて覚えたい言葉・用語
マジムン(まじむん)
沖縄で魔物を指す言葉。
しゃもじ(しゃもじ)
飯をよそう道具。
杓子(しゃくし)
汁などをよそう道具。