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新潟県

ちいちい袴(ちいちいばかま)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

ちいちい袴  / チイチイバカマ

器物と草木 各地の伝説

古い楊枝が化けた袴姿の小男。唄いながら現れ、焼き捨てると止んだ。

ちいちい袴とはどんな妖怪か

ちいちい袴は、新潟県佐渡島に伝わる民話です。ちいちい小袴ともいいます。

話は、夜の家から始まります。

その昔、一人暮しの老婆が夜に家で糸を紡いでいたところ、四角張った顔の袴姿の小男が現れました。

小さな男です。

お婆さん淋しかろう。わしが踊って見せましょうと言いました。

そして、唄いながら消えます。

ちいちい袴に 木脇差をさして こればあさん ねんねんや

老女は、気味悪く思いました。

家の中を捜したところ、縁の下に鉄漿付け用の楊枝があったのです。

ちいちい袴の漢字表記と読み方

読みは「ちいちいばかま」です。

ちいちい」は小さいさまを表す語です。

袴姿の小男の唄から来ています。

ちいちい袴に 木脇差をさして こればあさん ねんねんや

「木脇差」は、木でできた小さな刀です。

そして、この話は各地にあります。

岡山県、大分県にも同様の民話があります。

小泉八雲の著書にある「ちんちん小袴」という民話も、ちいちい袴と同じものと考えられています

ちいちい袴(ちいちいばかま)

もっとも一般的な表記。

ちいちい小袴(ちいちいこばかま)

同じものの別の言い方。

ちんちん小袴(ちんちんこばかま)

小泉八雲の著書にある民話の題。

ちいちい袴の姿と特徴

ちいちい袴の姿は、次のように伝わります。

四角張った顔
袴姿
小男
木脇差をさしている。

四角い顔です。

そして、正体は楊枝でした。

縁の下に鉄漿付け用の楊枝があり、これを焼き捨てたところ、不思議な出来事は起きなくなりました

鉄漿は、歯を黒く染める化粧です。

その楊枝が古くなったものでした。

近年の文献によっては、楊枝が化けた付喪神(器物が化けた妖怪)と解釈されています。

ちいちい袴の伝承物語

  1. 踊って見せましょう
  2. 焼き捨てれば止む
  3. ちんちん小袴

踊って見せましょう

小男は、老婆を気づかう言葉を口にします。

お婆さん淋しかろう。わしが踊って見せましょう

淋しかろう、と言います。

一人暮しの老婆でした。

そして、唄います。

ちいちい袴に 木脇差をさして こればあさん ねんねんや

「ねんねん」は、子守唄の言い方です。

老婆を寝かしつける唄の形になっています。

害を与えたわけではありません。

しかし、老女は気味悪く思いました。

どこかへと消えてしまったあと、家の中を捜します。

焼き捨てれば止む

老女が見つけたのは、古い道具でした。

縁の下に鉄漿付け用の楊枝があったのです。

縁の下に落ちていました。

そして、始末します。

これを焼き捨てたところ、このような不思議な出来事が起きることはなくなりました

焼くだけで済みました。

この結末には、教えがついています。

昔から、鉄漿付けの楊枝は古くなると焼き捨てるものだといわれます

道具の始末の作法です。

使い終わったものを放っておかない

付喪神の考え方と同じです。

この話は、その戒めを伝えるために語られました。

ちんちん小袴

この民話は、各地にあります。

岡山県、大分県にも同様の民話があります。

そして、外国語でも紹介されました。

小泉八雲の著書にある「ちんちん小袴」という民話も、ちいちい袴と同じものと考えられています

ただし、結末が重くなっています。

同話では、不精な女性が無造作に捨てた爪楊枝が無数の武士姿の妖精に化けて現れそれに遭った女性が病気になって寝込んでしまったといいます。

一人ではなく、無数です。

そして、女性は病気になります。

佐渡の話では焼き捨てれば済んだのに対し、八雲の話では罰が下ります

不精であったことが理由です。

ちいちい袴の伝承地域

ちいちい袴は、新潟県佐渡島に伝わる民話です。

岡山県、大分県にも同様の民話があります。

小泉八雲の著書にある「ちんちん小袴」も、同じものと考えられています。

民話として語られたものであり、特定の家や場所に結びついたものではありません

碑も祠も、この名では見つかっていません。この欄は空のままにしてあります。

ちいちい袴の正体と考えられているもの

ちいちい袴については、次のように整理できます。

一つめは、楊枝の付喪神です。正体は縁の下にあった鉄漿付け用の楊枝で、これを焼き捨てたところ不思議な出来事は起きなくなりました 近年の文献では楊枝が化けた付喪神と解釈されています。

二つめは、唄です。ちいちい袴に 木脇差をさして こればあさん ねんねんや」と唄いながら消えました。

三つめは、道具の始末です。昔から、鉄漿付けの楊枝は古くなると焼き捨てるものだといわれます この話は、その作法を伝えています。

四つめは、ちんちん小袴です。小泉八雲の著書にある民話も同じものと考えられ、そこでは不精な女性が無造作に捨てた爪楊枝が無数の武士姿の妖精に化けて現れ、女性は病気になって寝込んでしまいました

この話は、害の軽い民話です。 老婆は驚いただけで、焼き捨てれば済みました

ちいちい袴をめぐる妖怪のつながり

ちいちい袴が登場する作品

ちいちい袴は、道具の始末を教える民話です。

古い楊枝は焼き捨てる。その作法を守らないと、小男が唄いに来ます。

資料は佐渡の民話の採録と、小泉八雲の著作に分かれます。

ちいちい袴が登場する研究

日本昔話事典

昔話を類型で整理した書。器物が化ける話の型が引けます。

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妖怪事典

村上健司編著、2000年。佐渡の民話として整理しています。

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ちいちい袴が登場する小説

怪談(小泉八雲)

小泉八雲の著書。「ちんちん小袴」はちいちい袴と同じものと考えられています。

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ちいちい袴が登場する漫画・アニメ

妖怪をまとめて扱う作品

付喪神として、器物が化けた妖怪と並べて取り上げられます。

中部の妖怪の本を探す

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ちいちい袴についてよくある質問

ちいちい袴とは何ですか。

新潟県佐渡島に伝わる民話です。四角張った顔の袴姿の小男が現れ、「お婆さん淋しかろう。わしが踊って見せましょう」と言って唄いながら消えました。

正体は何ですか。

縁の下にあった鉄漿付け用の楊枝です。これを焼き捨てたところ、このような不思議な出来事が起きることはなくなりました

どんな唄ですか。

ちいちい袴に 木脇差をさして こればあさん ねんねんやです。「ねんねん」は子守唄の言い方です。

ちんちん小袴とは何ですか。

小泉八雲の著書にある民話で、ちいちい袴と同じものと考えられています。不精な女性が無造作に捨てた爪楊枝が無数の武士姿の妖精に化けて現れそれに遭った女性が病気になって寝込んでしまったといいます。

ちいちい袴と併せて覚えたい言葉・用語

鉄漿(かね)

歯を黒く染める化粧。その楊枝が化けたとされる。

木脇差(きわきざし)

木でできた小さな刀。唄に出てくる。

付喪神(つくもがみ)

長く使われた道具が魂を得て妖怪になったもの。