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岐阜県

角椀漱(つのわんすき)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

角椀漱  / ツノワンスキ

器物と草木 各地の伝説

盆ごとに椀を借りに来る武士。池の底に顔が椀の化け物がいた。

角椀漱とはどんな妖怪か

角椀漱は、美濃に伝わる妖怪譚です。

美濃国岐阜県の妖怪譚です。

話は、盆から始まります。

その昔、ある年の盆のこと。ある長者のもとを、山奥に住むという武士が訪ねました

客を招待するといって20人前の膳椀の借用を申し入れました

二十人前です。

長者は、断れませんでした。

長者は相手が武士なので断ったときのことを恐れ、椀を貸しました

そして、返ってきません。

しかし椀が返却されることはなく、それどころか毎年お盆のたびに武士は椀を借りに来ました

角椀漱の漢字表記と読み方

読みは「つのわんすき」です。

は、汁物を入れる器です。

「膳椀」は、客に出す食器一式のことです。

この名の由来は、記されていません。

そして、出どころに注意が要ります。

この妖怪譚は妖怪漫画家・水木しげるの著書『水木しげるの憑物百怪』にあるものですが、一次出典となる古典などの名称は挙げられていません

古い書物の名がありません。

似た話は、土地にあります。

美濃にはこの妖怪譚と酷似した「椀借り武士」という伝説があり、あらすじはほとんど同一です。

ただし池に椀の化け物がいたとの記述はありません

角椀漱(つのわんすき)

もっとも一般的な表記。

椀借り武士(わんかりぶし)

美濃に伝わる、酷似した伝説の名。

角椀漱の姿と特徴

角椀漱の姿は、二つに分かれます。

人前では、武士です。

山奥に住むという武士として長者を訪ねます。

礼儀正しく、椀を借りに来ます。

池の中では、違いました。

水中には顔が椀の化け物がいたといいます。

顔が椀です。

これが正体でした。

そして、消え方も水です。

武士は山奥の池にやって来て、椀を抱えて水の中へと姿を消しました

池に入っていきました。

角椀漱の伝承物語

  1. 椀を抱えて池へ消えた
  2. 膳に縫い針を刺した
  3. 椀貸し伝説の一つ

椀を抱えて池へ消えた

長者は、確かめることにしました。

不思議に思った長者は、人を雇って武士の後を追わせました

尾行です。

武士は、山へ向かいました。

武士は山奥の池にやって来て、椀を抱えて水の中へと姿を消しました

池に入りました。

追った者は、驚きます。

武士を追っていた者は驚きながら長者の元に帰り、事の次第を伝えました

報告しました。

そこで、長者は考えます。

気味悪く思った長者は、次に武士が椀を借りに来た時に一計を案じました

一計とは、道具に仕掛けることでした。

膳に縫い針を刺した

長者の仕掛けは、小さなものでした。

膳に縫い針を刺して貸し出しました

縫い針です。

それだけで、効きました。

するとそれきり、武士が現れることはありませんでした

二度と来ませんでした。

針は、怪異を退ける道具とされました。

そして、長者はもう一度確かめます。

主人はまた人を雇ってあの池を見に行かせました

そこで、見ました。

水中には顔が椀の化け物がいたということでした

顔が椀の化け物です。

それ以来、長者たちは決してその池に近づかないようにしたといいます。

椀貸し伝説の一つ

この話は、よくある型の一つです。

全国に、椀を貸す話があります。

淵や池に頼むと膳椀を貸してくれるが、返さない者が出て以来、貸してくれなくなったという形です。

この話は、逆になっています。

借りに来るのは化け物のほうです。

人が貸して、返ってきません。

そして、出どころに断りがあります。

この妖怪譚は水木しげるの著書『水木しげるの憑物百怪』にあるものですが、一次出典となる古典などの名称は挙げられていません

古典の名がありません。

美濃にはこの妖怪譚と酷似した「椀借り武士」という伝説があり、あらすじはほとんど同一ですが、池に椀の化け物がいたとの記述はありません

化け物の姿は、後から加わった形です。

角椀漱の伝承地域

角椀漱は、美濃国岐阜県)に伝わります。

山奥の池が舞台です。

武士は山奥の池にやって来て、椀を抱えて水の中へと姿を消したとされます。

同じ土地に、よく似た伝説があります。

美濃にはこの妖怪譚と酷似した「椀借り武士」という伝説があり、あらすじはほとんど同一です。

池の現在地は特定できず、この名で祀られた社や碑も確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。

角椀漱の正体と考えられているもの

角椀漱については、次のように整理できます。

一つめは、借りに来る形です。山奥に住むという武士が訪ね、客を招待するといって20人前の膳椀の借用を申し入れ毎年お盆のたびに武士は椀を借りに来ました

二つめは、断れない事情です。長者は相手が武士なので断ったときのことを恐れ、椀を貸しました

三つめは、尾行です。武士は山奥の池にやって来て、椀を抱えて水の中へと姿を消しました

四つめは、縫い針です。膳に縫い針を刺して貸し出すと、それきり、武士が現れることはありませんでした

五つめは、出どころです。水木しげるの著書にあるもので、一次出典となる古典などの名称は挙げられていません美濃の「椀借り武士」とはあらすじがほとんど同一ですが、池に椀の化け物がいたとの記述はありません

この話は、貸す側と借りる側が入れ替わっています。 多くの椀貸し伝説では、貸すのは池のほうです。

角椀漱をめぐる妖怪のつながり

角椀漱が登場する作品

角椀漱は、借りに来る側の話です。

盆ごとに椀を借りに来た武士の正体は、池の底の椀の化け物でした。

資料は美濃の伝説と、戦後の妖怪本に分かれます。

角椀漱が登場する研究

水木しげるの憑物百怪

学習研究社。この妖怪譚を載せています。

妖怪事典

村上健司編著、2000年。椀貸し伝説を整理しています。

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角椀漱が登場する漫画・アニメ

器物の妖怪を扱う作品

椀の化け物として取り上げられます。

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角椀漱についてよくある質問

角椀漱とは何ですか。

美濃国(岐阜県)の妖怪譚で、毎年お盆のたびに武士の姿で椀を借りに来たといいます。

正体は何ですか。

水中には顔が椀の化け物がいたといいます。

どうやって止めたのですか。

膳に縫い針を刺して貸し出すと、それきり、武士が現れることはありませんでした

古い書物に載っていますか。

一次出典となる古典などの名称は挙げられていません美濃の「椀借り武士」とはあらすじがほとんど同一です。

角椀漱と併せて覚えたい言葉・用語

膳椀(ぜんわん)

客に出す食器一式。

長者(ちょうじゃ)

その土地の富んだ家。

椀貸し伝説(わんかしでんせつ)

淵や池が膳椀を貸してくれるという各地の伝説。