本文へ移動

新潟県

猫股の火(ねこまたのひ)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

猫股の火  / ネコマタノヒ

火の妖怪 怪談・百物語

毎晩出る手毬ほどの火の玉。正体は尾の割れた老猫。

猫股の火の姿を描いた図

作者不明 「大和怪異記 猫人を悩ますこと」 1708年 / パブリックドメイン 出典

猫股の火とはどんな妖怪か

猫股の火は、越後に伝わる怪火です。

越後国(現・新潟県に伝わります

宝永年間の怪談集『大和怪異記』に記述があります

名は、後からついたものです。

猫股の火の名は漫画家・水木しげるの著書によるもので、原典は「猫人をなやます事」と題されています

話は、ある武家です。

ある武家で、毎晩のように正体不明の火の玉が出没していました

大きさは手毬ほどで、床から高さ3寸(約9センチメートル)ほどの空中を漂っていました

猫股の火の漢字表記と読み方

読みは「ねこまたのひ」です。

猫又の火とも書きます。

猫又は、尾が二股に分かれた老猫です。

この話でも、そうでした。

尻尾が二股に分かれた怪猫でした。

そして、この名は後からのものです。

猫股の火の名は漫画家・水木しげるの著書によるものです。

原典は「猫人をなやます事」と題されています

「猫が人を悩ます事」という題です。

火のことは、題に出ていません。

猫股の火(ねこまたのひ)

水木しげるの著書での呼び名。

猫又の火(ねこまたのひ)

猫又の字を当てた形。

猫人をなやます事(ねこひとをなやますこと)

『大和怪異記』での原題。

猫股の火の姿と特徴

猫股の火の姿は、小さな火の玉です。

大きさは手毬ほどでした。

手毬は、手で持てる大きさです。

浮かぶ高さも低いものです。

床から高さ3寸(約9センチメートル)ほどの空中を漂っていました

床すれすれです。

そして、部屋に入ります。

寝ている家人の部屋に入り込むこともありました

正体は、猫でした。

5尺(約1.5メートル)もの大きさで、尻尾が二股に分かれた怪猫でした。

猫股の火の伝承物語

  1. 毎晩、床すれすれを漂った
  2. 寝相が正反対になっていた
  3. 赤い布をかぶった老猫

毎晩、床すれすれを漂った

その武家では、毎晩でした。

ある武家で、毎晩のように正体不明の火の玉が出没していました

毎晩です。

大きさと高さが決まっていました。

大きさは手毬ほどで、床から高さ3寸(約9センチメートル)ほどの空中を漂っていました

床から九センチです。

猫が歩く高さにあたります。

そして、寝室にも入りました。

寝ている家人の部屋に入り込むこともありました

火だけではありませんでした。

人がいないはずの部屋で物がひとりでに動いたりしました。

寝相が正反対になっていた

怪異は、火のほかにもありました。

火が現れるだけでなく、人がいないはずの部屋で物がひとりでに動いたりしました

物が動きます。

そして、寝ている人にも起きました。

夜に眠っていた者が、朝になると寝ている姿勢が正反対になっていた、といった奇妙な出来事も起こるようになりました

枕返しと同じ形です。

主人は、動じませんでした。

この武家の主人は、こうした怪事件に怯むような者ではありませんでした

ただし、噂が広まります。

しかし噂が広まり、それを迷惑に思った主人は、火の玉の正体を暴こうと考えていました

噂のほうが迷惑でした。

赤い布をかぶった老猫

正体は、庭にいました。

そんなある日のこと。主人が庭に出ると、年老いた猫が頭に赤い布をかぶって立っていました

赤い布をかぶっています。

立っていました。

主人は、迷いませんでした。

これを怪しんだ主人は、弓矢で猫を射落としました

射落としました。

近づいて、わかります。

主人が猫の死骸に近づくと、それは5尺(約1.5メートル)もの大きさで、尻尾が二股に分かれた怪猫でした

一メートル半の猫です。

この怪猫の死後、それまで家で起きていた様々な怪異は一切、起こることはありませんでした

猫股の火の伝承地域

猫股の火は、越後国(現・新潟県)に伝わります。

宝永年間の怪談集『大和怪異記』に記述があります

舞台はある武家の屋敷です。

宝永は、1704年から1711年までの年号です。

屋敷の場所は記されておらず、この名で祀られた社や碑も確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。

猫股の火の正体と考えられているもの

猫股の火については、次のように整理できます。

一つめは、出どころです。宝永年間の怪談集『大和怪異記』に記述があり原典は「猫人をなやます事」と題されています

二つめは、火です。大きさは手毬ほどで、床から高さ3寸ほどの空中を漂っていました

三つめは、ほかの怪異です。人がいないはずの部屋で物がひとりでに動いたり夜に眠っていた者が、朝になると寝ている姿勢が正反対になっていたといいます。

四つめは、正体です。年老いた猫が頭に赤い布をかぶって立っており5尺もの大きさで、尻尾が二股に分かれた怪猫でした。

五つめは、終わりです。この怪猫の死後、それまで家で起きていた様々な怪異は一切、起こることはありませんでした

この火は、猫の仕業でした。 床から三寸という低さが、猫の高さに合っています。

猫股の火をめぐる妖怪のつながり

猫股の火が登場する作品

猫股の火は、猫の仕業だった火です。

床すれすれを漂い、赤い布をかぶった老猫を射ると止まりました。

資料は江戸の怪談集に集まります。

猫股の火が登場する古典

大和怪異記

宝永年間の怪談集。「猫人をなやます事」を載せます。

猫股の火が登場する研究

妖怪事典

村上健司編著、2000年。越後の怪火を整理しています。

Amazonで本・漫画を探す

水木しげるの妖怪画

「猫股の火」の名で紹介しています。

Amazonで本・漫画を探す

猫股の火が登場する漫画・アニメ

化け猫を扱う作品

猫又や化け猫と並べて取り上げられます。

中部の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

猫股の火についてよくある質問

猫股の火とは何ですか。

越後国(現・新潟県)に伝わる怪火で、宝永年間の怪談集『大和怪異記』に記述があります

どんな火ですか。

大きさは手毬ほどで、床から高さ3寸(約9センチメートル)ほどの空中を漂っていました

ほかに何が起きましたか。

人がいないはずの部屋で物がひとりでに動いたり夜に眠っていた者が、朝になると寝ている姿勢が正反対になっていたといいます。

正体は何でしたか。

5尺(約1.5メートル)もの大きさで、尻尾が二股に分かれた怪猫でした。

猫股の火と併せて覚えたい言葉・用語

猫又(ねこまた)

尾が二股に分かれた老猫の妖怪。

手毬(てまり)

糸を巻いて作った小さな毬。

(すん)

長さの単位。1寸は約3センチメートル。