本文へ移動

鳥取県

ソンツルとはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

ソンツル  / ソンツル

憑き物 各地の伝説

伯耆の憑きもの筋。狐の家筋を指し、七十五匹の眷属が家の周りで遊ぶという。

ソンツルとはどんな妖怪か

ソンツルは、鳥取県伯耆地方に伝わる憑きもの筋です。

鳥取では狐憑きの家筋を「狐ヅル」と呼び、ソンツルの大部分はこの狐ヅルを指します

「ヅル」は家筋のことです。

そして、数まで語られます。

この家に憑いているキツネは人狐とも呼ばれ、75匹の眷属が家の周りで遊んでいるといいます。

七十五匹です。

ただし、否定する見方もあります。

これらは迷信にすぎず、その正体は雌のイタチだとする指摘もあります

イタチだ、というのです。

ソンツルの漢字表記と読み方

読みは「そんつる」です。

ヅル」「ツル」は、家筋を指す語です。

「狐ヅル」は、狐の家筋です。

そして、ソンツルは複数のものを指します。

狐ヅル(大部分)。
トウビョウの憑いている家(まれに)。
「カタ」という皮膚病の家筋

三つが同じ名で呼ばれます。

カタは、体に斑点が現れる皮膚病です。

憑き物と病が、同じ言葉でくくられているわけです。

ソンツル(そんつる)

もっとも一般的な表記。

狐ヅル(きつねづる)

鳥取で狐憑きの家筋を指す語。

カタ(かた)

体に斑点が現れる皮膚病。その家筋もソンツルと呼ばれた。

ソンツルの姿と特徴

ソンツルの憑き物は、二種類あります。

狐(人狐)
75匹の眷属が家の周りで遊んでいるという。
正体は雌のイタチだとする指摘もある。

トウビョウ
姿を見せない
ヘビまたはミミズのような姿とされる。
家の台所で小さな壷の中に蠢いている

壷の中にいます。

そして、害の与え方も語られます。

トウビョウは人間の皮膚と肉の間にもぐり込んで害を与えるといわれます。

ソンツルの伝承物語

  1. 七十五匹の眷属
  2. 台所の壷にいるもの
  3. 木の陰に置いて来た

七十五匹の眷属

ソンツルの大部分は、狐の家筋を指します。

鳥取では狐憑きの家筋を「狐ヅル」と呼びます。

この家に憑いているキツネには、名があります。

人狐とも呼ばれます。

人狐は、島根を中心に語られた狐の憑き物です。

そして、数が語られます。

75匹の眷属が家の周りで遊んでいるといいます。

七十五匹です。

同じ数は、管狐の伝承にもあります。 娘が嫁ぐ度に75匹の眷属を伴っていくといわれました。

七十五という数が、憑き物に繰り返し現れます。

そして、否定する見方もあります。

これらは迷信にすぎず、その正体は雌のイタチだとする指摘もあります

台所の壷にいるもの

ソンツルには、もう一つの型があります。

まれに、トウビョウの憑いている家をソンツルと呼ぶこともあります。

トウビョウは、中国地方に伝わるヘビの憑き物です。

姿の説明があります。

姿を見せないものの、ヘビまたはミミズのような姿とされ、家の台所で小さな壷の中に蠢いているといいます。

壷の中です。

そして、害の与え方が具体的です。

人間の皮膚と肉の間にもぐり込んで害を与えるといわれます。

皮膚の下に入ります。

そこで、家の者は餌を与えます。

害を避けるため、月末に粥を与えるといいます。

木の陰に置いて来た

トウビョウに憑かれた者には、問答の作法があります。

憑かれた者に対し「貴様の体はどうしたのか」と尋ねると、憑いているものが答えます。

木の陰に置いて来た
藪の中に置いてある

体を置いてきた、と言います。

憑いているものの側の言い分です。

そして、家筋には重い結果が伴いました。

これらのものが代々憑いているとされるソンツルの家系では、良縁が失われ、近親義絶などの問題に繋がっているといいます。

縁談が壊れます。

親族の縁が切れることもありました。

皮膚病の家筋まで同じ名で呼ばれた点も、この言葉の重さを示しています。

ソンツルの伝承地域

ソンツルは、鳥取県伯耆地方に伝わります。

鳥取では狐憑きの家筋を「狐ヅル」と呼び、ソンツルの大部分はこれを指します。

トウビョウの憑いている家をこう呼ぶこともありました。

憑きもの筋は個々の家に関わる事柄であり、特定の家は挙げられていません

これは私的な事柄でもあります。

確かめられていない場所を、訪ね先として挙げることはしません。この欄は空のままにしてあります。

ソンツルの正体と考えられているもの

ソンツルについては、次のように整理できます。

一つめは、狐の家筋です。鳥取では狐憑きの家筋を「狐ヅル」と呼び、ソンツルの大部分はこの狐ヅルを指します 憑いているキツネは人狐とも呼ばれます。

二つめは、七十五匹です。75匹の眷属が家の周りで遊んでいるといいます。 ただしこれらは迷信にすぎず、その正体は雌のイタチだとする指摘もあります

三つめは、トウビョウです。まれにトウビョウの憑いている家をソンツルと呼び、それはヘビまたはミミズのような姿家の台所で小さな壷の中に蠢いているとされます。

四つめは、皮膚病です。体に斑点が現れる「カタ」という皮膚病の家筋を「ソンツル」と呼ぶこともあります。

五つめは、家への影響です。ソンツルの家系では、良縁が失われ、近親義絶などの問題に繋がっているといいます。

この言葉は、憑き物と病と家筋をひとまとめにしています。 そのぶん、名指しされた家の負担は重いものでした。

ソンツルをめぐる妖怪のつながり

ソンツルが登場する作品

ソンツルは、家筋を指す言葉です。

狐、トウビョウ、皮膚病。三つのものが同じ名でくくられました。

資料は憑き物の研究書と、鳥取の民俗の記録に分かれます。

ソンツルが登場する研究

日本の憑きもの

石塚尊俊。全国の憑き物筋を突き合わせた研究です。

Amazonで本・漫画を探す

妖怪事典

村上健司編著、2000年。伯耆の憑きもの筋として整理しています。

Amazonで本・漫画を探す

綜合日本民俗語彙

各地の民俗語を集めた辞典。狐ヅル・トウビョウなどの語が引けます。

Amazonで本・漫画を探す

ソンツルが登場する漫画・アニメ

妖怪をまとめて扱う作品

憑き物として、人狐やトウビョウと並べて取り上げられます。

中国地方の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

ソンツルについてよくある質問

ソンツルとは何ですか。

鳥取県伯耆地方に伝わる憑きもの筋です。狐憑きの家筋を「狐ヅル」と呼び、ソンツルの大部分はこの狐ヅルを指します

七十五匹とは何ですか。

この家に憑いているキツネは人狐とも呼ばれ、75匹の眷属が家の周りで遊んでいるといいます。ただしその正体は雌のイタチだとする指摘もあります

トウビョウとは何ですか。

ヘビまたはミミズのような姿とされ、家の台所で小さな壷の中に蠢いているといいます。人間の皮膚と肉の間にもぐり込んで害を与えるとされ、家の者は月末に粥を与えました

憑かれた者に尋ねるとどうなりますか。

貴様の体はどうしたのか」と尋ねると、憑いているものが「木の陰に置いて来た」「藪の中に置いてある」と答えるといいます。

ソンツルと併せて覚えたい言葉・用語

狐ヅル(きつねづる)

鳥取で狐憑きの家筋を指す語。

トウビョウ(とうびょう)

中国地方に伝わるヘビの憑き物。壷の中にいるとされる。

カタ(かた)

体に斑点が現れる皮膚病。その家筋もソンツルと呼ばれた。