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徳島県

嘗女(なめおんな)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

嘗女  / ナメオンナ

人型の妖怪 各地の伝説

風呂場の垢を舐めるという女の妖怪。垢嘗の女版とされる。

嘗女の姿を描いた図

速水春暁斎 「絵本小夜時雨 嘗女」 1801年 / パブリックドメイン 出典

嘗女とはどんな妖怪か

嘗女は、風呂場に現れる妖怪です。徳島県などに伝わります。

風呂場に現れて垢を舐めるといわれます。

姿は、女です。

垢嘗(あかなめ)の女版のようなもので、女性の姿をしているとされます。

現れる条件があります。

風呂を長く使わずにいると現れるといいます。

そして、舐める場所も決まっています。

風呂桶や風呂の蓋についた垢を舐めるといわれます。

防ぐ方法は、簡単です。

風呂をよく洗っておくとよいとされました。

嘗女の漢字表記と読み方

読みは「なめおんな」です。

嘗(な)める女。 「嘗」は、舌でなめる字です。

「嘗」のつく妖怪は、いくつもあります。

垢嘗(あかなめ)… 風呂場の垢を舐める。鳥山石燕が描いた。
天井嘗(てんじょうなめ)… 天井を舐める。同じく石燕。
塵嘗(ちりなめ)… 塵を舐めるとされる。

どれも、放っておくと汚れる場所に現れます。

そして、掃除をすれば来ません。

妖怪が、掃除の理由になっています。

嘗女(なめおんな)

もっとも一般的な表記。

舐め女(なめおんな)

仮名を交えた書き方。

ナメオンナ(なめおんな)

カタカナで書くこともある。

嘗女の姿と特徴

嘗女の姿は、です。

それ以外は、多くが語られていません。

垢嘗の女版のようなものとされます。

垢嘗の姿は、石燕が描いています。

鳥山石燕画図百鬼夜行』(1776年)に描かれ、風呂桶に足をかけ、長い舌を出した子どものような姿です。

ぼさぼさの髪と、鉤爪があります。

嘗女は、それが女になったものとされます。

風呂場という場所と、舐めるという動作だけが共通しています。

姿の記録は、乏しいものです。

嘗女の伝承物語

  1. 掃除をすれば来ない
  2. 嘗の一族
  3. 女になった理由

掃除をすれば来ない

嘗女には、はっきりした対処法があります。

風呂をよく洗っておくとよいとされました。

掃除です。

これは、垢嘗と同じです。

風呂を長く使わずにいると現れるといい、風呂桶や風呂の蓋についた垢を舐めます。

汚れがあるから、来ます。

汚れがなければ、来ません。

妖怪の話が、そのまま掃除の理由になっています。

「風呂を洗いなさい」と言うより効きます。

そして、これは実際に理にかなっています。

風呂の垢を放置すれば、ぬめりが出て、滑って転びます

カビも生えます。

掃除には、実利があります。

嘗の一族

」のつく妖怪は、日本各地にあります。

垢嘗(あかなめ)… 風呂場の垢を舐める。
天井嘗(てんじょうなめ)… 天井を舐める。
塵嘗(ちりなめ)… 塵を舐めるとされる。
嘗女(なめおんな)… 風呂場の垢を舐める女。

どれも、放っておくと汚れる場所に現れます。

天井嘗は、鳥山石燕『百器徒然袋』(1784年)に描かれ、天井の染みは天井嘗が舐めた跡だとされます。

染みに、説明がつきました。

天井の染みは、雨漏りの跡です。

妖怪の名がつくと、気に留めるようになります

そして、直します。

女になった理由

嘗女が女の姿をしているのは、なぜでしょうか。

風呂は、女の仕事場でした。

湯を沸かし、桶を洗い、蓋を掛ける。 家の中で、風呂を管理するのは多く女でした。

そして、風呂は女が最後に入る場でもありました。

夜、家族が入り終えた後の風呂場です。

そこに、女の妖怪が出ます。

これは、推測です。

資料に、女である理由は書かれていません

ただ、風呂場に現れる妖怪が女の姿をとることは、各地にあります。

風呂場の妖怪湯屋の女 水回りには、女の妖怪が多く語られます。

確かなことは、わかっていません。

嘗女の伝承地域

嘗女は、徳島県などに伝わります。

家の風呂場そのものが舞台であり、特定の場所に結びついた伝承ではありません。

風呂を長く使わずにいると現れるとされ、どの家の風呂場にも出うるものとして語られました。

碑も祠も、この名では見つかっていません。

無い場所を、あるように書くことはしません。この欄は空のままにしてあります。

嘗女の正体と考えられているもの

嘗女については、次のように整理できます。

一つめは、垢嘗の女版です。風呂場に現れて垢を舐めるといわれ、女性の姿をしているとされます。

二つめは、掃除の話です。風呂を長く使わずにいると現れるといい、風呂をよく洗っておくとよいとされました。 妖怪が、そのまま掃除の理由になっています。

三つめは、「嘗」の一族です。垢嘗天井嘗塵嘗嘗女 どれも、放っておくと汚れる場所に現れます。

四つめは、実利です。風呂の垢を放置すれば、ぬめりが出て滑ります カビも生えます。掃除には理由があります。

嘗女が何であったかは、わかっていません。 ただ、汚れを放っておくと何かが来るという言い方は、子どもによく効きます。

嘗女をめぐる妖怪のつながり

嘗女が登場する作品

嘗女は、家の中の妖怪です。

風呂場という、どの家にもある場所に出ます。 そして、掃除をすれば来ません。

資料は徳島の民俗の記録と、石燕の垢嘗が中心です。

嘗女が登場する古典

画図百鬼夜行

鳥山石燕、1776年。垢嘗を描きます。嘗女の元になった妖怪です。

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百器徒然袋

鳥山石燕、1784年。天井嘗を描きます。

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嘗女が登場する研究

妖怪事典

村上健司編著、2000年。徳島の伝承として整理しています。

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嘗女が登場する漫画・アニメ

妖怪をまとめて扱う作品

家の妖怪として、垢嘗や天井嘗と並べて取り上げられます。

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嘗女についてよくある質問

嘗女は何をするのですか。

風呂場に現れて垢を舐めるといわれます。風呂桶や風呂の蓋についた垢を舐めるとされます。

防ぐ方法はありますか。

風呂をよく洗っておくとよいとされました。風呂を長く使わずにいると現れるといわれるためです。

垢嘗とどう違うのですか。

垢嘗の女版のようなもので、女性の姿をしているとされます。垢嘗は鳥山石燕『画図百鬼夜行』に風呂桶に足をかけ、長い舌を出した子どものような姿で描かれます。

ほかに「嘗」のつく妖怪はいますか。

天井嘗(天井を舐める)、塵嘗(塵を舐める)などがあります。どれも、放っておくと汚れる場所に現れます。

嘗女と併せて覚えたい言葉・用語

垢嘗(あかなめ)

風呂場の垢を舐める妖怪。鳥山石燕が描いた。

天井嘗(てんじょうなめ)

天井を舐める妖怪。天井の染みはその跡とされる。

画図百鬼夜行(がずひゃっきやこう)

鳥山石燕の妖怪画集。1776年。垢嘗を収める。