三つの目と八つの顔を持つ化け物。山を焼かれて死んだという。
三目八面とはどんな妖怪か
三目八面は、高知に伝わる妖怪です。
土佐郡土佐山村高川(現・高知県高知市)に伝わります。
その名の通り3つの目と8つの顔を持つ化け物です。
目が三つ、顔が八つです。
住む山も決まっています。
申山(さるやま)という山に住みました。
そして、道行く人を襲いました。
隣りの森村(現・土佐町土居)へ行く通行人を襲って食らっていたといいます。
峠道です。
あるとき、退治する者が現れます。
土佐山の豪族・水野若狭守の弟である注連太夫という者が、この妖怪の話を聞きつけました。
三目八面の漢字表記と読み方
読みは「さんめやづら」です。「みつめはちめん」とも読みます。
三目は三つの目、八面は八つの顔です。
数がそのまま名になっています。
そして、似た名が同じ県にあります。
高知県に伝承される8つの頭の大蛇・八面頬(やつらお)です。
「やつら」の音が重なります。
妖怪探訪家・村上健司は、この二つの関連性を指摘しています。
八という数が共通します。
ヤマタノオロチも、八つの頭を持ちます。
三目八面(さんめやづら)
もっとも一般的な読み。
三目八面(みつめはちめん)
字の通りに読んだ形。
八面頬(やつらお)
高知県に伝わる8つの頭の大蛇。関連性が指摘される。
三目八面の姿と特徴
三目八面の姿は、名の通りです。
3つの目。
8つの顔。
それ以外は伝わっていません。
ただし、死骸の大きさが語られています。
焼け死んだ死骸は隣り村へまたがるほどとてつもなく大きかったといいます。
村から村へまたがります。
そこから、推測が立てられました。
妖怪探訪家・村上健司は、このことから蛇のような長い体のものと推測しています。
長い体です。
同じ高知県に伝承される8つの頭の大蛇・八面頬(やつらお)との関連性も指摘されています。
三目八面の伝承物語
御幣を立てて山を焼く
注連太夫の退治は、山ごと焼くという手でした。
山鎮めの御幣を立て、申山に火を放ったのです。
御幣は、神に捧げる紙や布を垂らした串です。
まず、山を鎮めます。
それから、火をつけます。
三目八面は炎の中で暴れに暴れまくった末、焼け死んでしまいました。
逃げられませんでした。
そして、御幣は残りました。
このとき山は焼けたが、注連太夫が立てた御幣だけは残っていたといいます。
山が焼けても、御幣は焼けませんでした。
山鎮めが効いていたことを示す形です。
鎮め石、鎮め所
この退治は、地名を残しました。
現在でも高川集落には鎮め石、鎮め所という名が残されています。
二つの名です。
これらはこの山鎮めの御幣に由来するといわれます。
焼く前に立てた御幣です。
名前が残っているということは、場所も残っているということです。
妖怪を焼いた話が、土地の名として続いています。
そして、死骸の大きさが語られます。
焼け死んだ死骸は隣り村へまたがるほどとてつもなく大きかったといいます。
土佐山から森村までです。
峠を越えるほどの長さになります。
八つの頭の大蛇
三目八面の正体には、推測があります。
焼け死んだ死骸は隣り村へまたがるほどとてつもなく大きかったことから、妖怪探訪家・村上健司は蛇のような長い体のものと推測しています。
蛇です。
そして、同じ県に似たものがいます。
高知県に伝承される8つの頭の大蛇・八面頬(やつらお)です。
村上健司は、この関連性を指摘しています。
「八面」と「八面頬」。
数と字が重なります。
八つの頭を持つ大蛇といえば、もう一つあります。
ヤマタノオロチです。
八岐、つまり八つに分かれた尾を持ちます。
八という数が、大蛇と結びつく形は各地にあります。
三目八面の伝承地域
三目八面は、土佐郡土佐山村高川(現・高知県高知市)に伝わります。
住んだとされるのは申山(さるやま)で、隣りの森村(現・土佐町土居)へ行く通行人を襲ったといいます。
そして、地名が残っています。
現在でも高川集落には「鎮め石」「鎮め所」という名が残されており、これらは注連太夫が立てた山鎮めの御幣に由来するといわれます。
鎮め石と鎮め所の正確な位置は確かめられていません。
訪ねる際は、高知市や地元の案内をご確認ください。
三目八面の正体と考えられているもの
三目八面については、次のように整理できます。
一つめは、名の通りの姿です。3つの目と8つの顔を持つ化け物で、申山という山に住み、通行人を襲って食らっていたといいます。
二つめは、山ごと焼かれたことです。注連太夫が山鎮めの御幣を立て、申山に火を放ち、三目八面は炎の中で暴れに暴れまくった末、焼け死んでしまいました。
三つめは、残った御幣です。このとき山は焼けたが、注連太夫が立てた御幣だけは残っていたといいます。
四つめは、地名です。現在でも高川集落には鎮め石、鎮め所という名が残されており、この山鎮めの御幣に由来するといわれます。
五つめは、大蛇です。焼け死んだ死骸は隣り村へまたがるほどとてつもなく大きかったことから、村上健司は蛇のような長い体のものと推測し、8つの頭の大蛇・八面頬との関連性を指摘しています。
三目八面が何であったかは、わかっていません。 ただ、鎮め石と鎮め所という名が、この話を土地につなぎとめています。
三目八面をめぐる妖怪のつながり
三目八面が登場する作品
三目八面は、地名を残した妖怪です。
鎮め石、鎮め所。退治のために立てた御幣が、土地の名になりました。
資料は高知の郷土の記録が中心です。
三目八面が登場する研究
三目八面が登場する漫画・アニメ
妖怪をまとめて扱う作品
多くの目と顔を持つ妖怪として、百目や八岐大蛇と並べて取り上げられます。
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三目八面についてよくある質問
三目八面とはどんな姿ですか。
その名の通り3つの目と8つの顔を持つ化け物です。それ以外の特徴は伝わっていません。
どうやって退治されたのですか。
土佐山の豪族・水野若狭守の弟である注連太夫が、山鎮めの御幣を立て、申山に火を放ちました。 三目八面は炎の中で暴れに暴れまくった末、焼け死んでしまいました。
鎮め石とは何ですか。
現在でも高川集落に残されている名で、注連太夫が立てた山鎮めの御幣に由来するといわれます。「鎮め所」という名も残っています。
正体は何ですか。
焼け死んだ死骸は隣り村へまたがるほどとてつもなく大きかったことから、村上健司は蛇のような長い体のものと推測し、高知県に伝承される8つの頭の大蛇・八面頬(やつらお)との関連性を指摘しています。
三目八面と併せて覚えたい言葉・用語
御幣(ごへい)
神に捧げる、紙や布を垂らした串。山鎮めに立てられた。
申山(さるやま)
三目八面が住んだとされる山。
八面頬(やつらお)
高知県に伝わる8つの頭の大蛇。三目八面との関連が指摘される。