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京都府

七歩蛇(しちほだ)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品・伝承地域

七歩蛇  / シチホダ

病の妖怪蛇と竜 怪談・百物語

浅井了意『伽婢子』で京都東山の屋敷に現れ、噛まれると七歩も進まぬうち死ぬと恐れられた小蛇。

七歩蛇の姿を描いた図

浅井了意 「伽婢子 七歩蛇の妖」 1666年 / パブリックドメイン 出典

七歩蛇とはどんな妖怪か

七歩蛇は、『伽婢子』に登場する毒蛇です。京都東山の麓にある宇良井という人物の屋敷で、奇妙な小蛇が見つかります。噛まれた者は七歩も歩かないうちに死ぬとされるため、この名で呼ばれました。「七歩」は種類を表す学名ではなく、毒が回る速さを歩数で示した説話上の名です。

七歩蛇の漢字表記と読み方

読みは「しちほだ」です。『伽婢子』では「七歩蛇の妖」という章題で語られます。名の「七歩」は、噛まれた者が七歩も進まないうちに死ぬという毒の激しさに由来します。

七歩蛇(しちほだ)

『伽婢子』巻十一の怪異に用いられた名。

七歩蛇の妖

『伽婢子』の章題として用いられる呼び方。

しちほだ

七歩蛇の読みを仮名で表したもの。

七歩蛇の姿と特徴

長さは四寸ほど、現在の換算で約十二センチとされます。頭は龍に似て四本の足があり、体は鮮やかな赤、鱗の間は金色、耳は立つと描写されます。普通の蛇に足はないため、本文自身が異様さを強調しています。実在の毒蛇へこの特徴を当てません。

七歩蛇の伝承物語

  1. 東山の屋敷に現れた異形の蛇
  2. 七歩の名は毒の速さを表す
  3. 木枯れと石割れを伴う怪異

東山の屋敷に現れた異形の蛇

物語の舞台は、京都東山の麓にある宇良井の屋敷です。屋敷では木が枯れ、石が割れる異変が起こり、その下から見慣れない小蛇が現れました。

蛇は長さ四寸ほどしかありませんが、頭は龍に似て四本の足を持ちます。体は鮮やかな赤、鱗の間は金色で、耳まで立つとされました。小ささと、蛇にはないはずの手足や耳が同居することで、普通の毒蛇とは異なる姿になっています。

七歩の名は毒の速さを表す

「七歩蛇」という名は、噛まれた者が七歩も歩かないうちに死ぬという説明から付いています。時間ではなく歩数で毒の速さを表すため、逃げる猶予さえないという恐ろしさが直接伝わります。

一方、四足、龍のような頭、赤と金の体色という姿は、現実の蛇の特徴とは一致しません。七歩蛇は、実在種の同定よりも、致死性と異形を極端に組み合わせた怪談の存在です。

木枯れと石割れを伴う怪異

七歩蛇の話は、蛇だけを見つけて終わりません。屋敷の木が枯れ、石が砕け、その場所から怪蛇が現れるという順で異変が重なります。

木・石・蛇はいずれも屋敷の内部にあり、怪異は家全体へ及ぶ凶兆として描かれます。小蛇を殺しても異変の原因が解決したとは言い切れない不安が残り、宇良井の屋敷そのものが怪談の舞台になります。

七歩蛇の伝承地域

『伽婢子』が示す舞台は京都東山の麓にある宇良井の屋敷です。人物名と広い地域までは記されますが、現在のどの番地に当たるかは分かっていません。

東山山麓(ひがしやまさんろく)

『伽婢子』が示す七歩蛇の物語地域

地図で開く

東山山麓の所在地:京都府京都市東山区

宇良井の屋敷を現在の個人宅へ比定せず、東山の山麓までを示します。

私有地や住宅を探索地点にしません。

七歩蛇の正体と考えられているもの

七歩蛇は、四寸ほどの小さな体に、龍のような頭、四足、耳、赤と金の色彩、七歩以内に死ぬ毒を集めた説話上の怪蛇です。小さなものほど逃げる間もないほど危険であるという逆転と、屋敷に続く凶兆を組み合わせた怪談です。

七歩蛇をめぐる妖怪のつながり

七歩蛇が記録された資料

浅井了意の『伽婢子』は、寛文六年(一六六六)に刊行された十三巻の怪談集です。七歩蛇は巻十一の「七歩蛇の妖」に登場し、京都東山の宇良井の屋敷を舞台にします。

物語では、木が枯れ、石が割れ、その場所から異形の小蛇が現れます。四寸ほどの体、龍に似た頭、四本の足、立った耳、赤い体と金色の鱗の間という描写は細かく、七歩以内に死ぬという名の由来とともに記されています。怪蛇だけでなく、屋敷で続く異変の順序までが一話の核です。

七歩蛇が記録された原典・記録

浅井了意『伽婢子』巻十一「七歩蛇の妖」

京都東山の屋敷で、木枯れと石割れの後に四足の小蛇が現れる一話を収める。

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七歩蛇についてよくある質問

七歩蛇とはどんな妖怪ですか。

浅井了意『伽婢子』で、京都東山の屋敷に現れる怪蛇です。四足と龍のような頭を持ち、噛まれると七歩も進まないうちに死ぬと恐れられました。

七歩蛇は何と読みますか。

「しちほだ」と読みます。名の「七歩」は、噛まれた者が七歩も歩かないうちに死ぬという毒の激しさを表します。

七歩蛇はどの資料にありますか。

浅井了意『伽婢子』巻十一の「七歩蛇の妖」に、京都東山の屋敷で起きた怪異として収められています。木枯れ、石割れ、怪蛇の出現が続きます。

七歩蛇の正体は分かっていますか。

怪談のなかの蛇です。四足、龍のような頭、立った耳、赤と金の体色を持ち、七歩以内に死ぬ毒を備えた説話上の怪蛇です。

七歩蛇と併せて覚えたい言葉・用語

七歩蛇(しちほだ)

浅井了意『伽婢子』で京都東山の屋敷に現れ、噛まれると七歩も進まぬうち死ぬと恐れられた小蛇。

四寸(よんすん)

約十二センチ。『伽婢子』が記す七歩蛇の体長。

宇良井(うらい)

『伽婢子』で、京都東山の麓に屋敷を持つ人物として記される名。

七歩蛇の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. CiNii Books「伽婢子」