鉄屑を撒かれて怒った水神の大蛇。村を荒れ野にした。
鍛冶ヶ野の蛇とはどんな妖怪か
鍛冶ヶ野の蛇は、高知県に伝わる地名由来譚です。
高知県幡多郡西土佐村(現・四万十市西土佐地区)に伝わります。
話は、猟から始まります。
昔、山奥の鍛冶屋にいた猟師が、何十貫もある大猪を仕留めました。
大きな猪です。
運べませんでした。
だが、重すぎて持ち帰ることができなかったので、水神の大蛇が棲んでいるという蛇渕(じゃぶち)の渕の端に猪を置き、手伝いを呼びに村へ向かいました。
そして、戻ると取られていました。
村人を連れて戻ってみると、蛇渕から現れた大蛇が猪を飲み込みかけていました。
鍛冶ヶ野の蛇の漢字表記と読み方
読みは「かじがののへび」です。
鍛冶ヶ谷の蛇とも書きます。
この名は、地名の由来を語るものです。
鍛冶屋が荒れ野にしたも同然のその地を、鍛冶屋にちなんで鍛冶ヶ野または鍛冶ヶ谷と呼んだといいます。
鍛冶屋のせいで荒れ野になりました。
そこから、地名がつきました。
渕の名も残っています。
蛇渕(じゃぶち)です。
水神の大蛇が棲んでいたとされます。
鍛冶ヶ野の蛇(かじがののへび)
もっとも一般的な表記。
鍛冶ヶ谷の蛇(かじがやのへび)
もう一つの表記。
蛇渕(じゃぶち)
水神の大蛇が棲んでいたという渕の名。
鍛冶ヶ野の蛇の姿と特徴
鍛冶ヶ野の蛇の姿は、大蛇です。
水神の大蛇とされます。
大きさは、猪でわかります。
何十貫もある大猪を飲み込みかけていたといいます。
何十貫は、百キロを超えます。
それを飲み込みかけました。
そして、天気を変えます。
すると大蛇が激怒し、暴風雨が起き、洪水によって山が崩れ、家も流されました。
暴風雨と洪水です。
嫌うものも決まっています。
大蛇が嫌う鉄屑です。
鍛冶ヶ野の蛇の伝承物語
渕の端に猪を置いた
猟師は、大物を仕留めました。
昔、山奥の鍛冶屋にいた猟師が、何十貫もある大猪を仕留めました。
何十貫もあります。
一人では運べません。
だが、重すぎて持ち帰ることができなかったので、蛇渕(じゃぶち)の渕の端に猪を置き、手伝いを呼びに村へ向かいました。
渕の端に置きました。
そこは、危ない場所でした。
水神の大蛇が棲んでいるという蛇渕です。
そして、戻ります。
村人を連れて戻ってみると、蛇渕から現れた大蛇が猪を飲み込みかけていました。
鉄屑を撒いた
猟師は、怒りました。
猟師は怒り、大蛇が嫌う鉄屑を鍛冶屋から持って来ました。
鉄屑です。
鍛冶屋にはいくらでもあります。
ところが、遅すぎました。
既に大蛇はおらず、鉄屑を蛇渕に撒きました。
大蛇はいませんでした。
それでも、撒きました。
これが、取り返しのつかないことになります。
すると大蛇が激怒しました。
渕を汚されたからです。
猪を取られた腹いせが、村全体に返ってきます。
村が荒れ野になった
大蛇の怒りは、天気になりました。
すると大蛇が激怒し、暴風雨が起き、洪水によって山が崩れ、家も流され、村はすべて荒れ野になってしまいました。
村がすべて荒れ野です。
山が崩れ、家が流れました。
一人の腹いせが、村を潰しました。
そして、地名が残ります。
以来、鍛冶屋が荒れ野にしたも同然のその地を、鍛冶屋にちなんで鍛冶ヶ野または鍛冶ヶ谷と呼んだといいます。
鍛冶屋の名がついています。
やった者の名を、土地につけました。
責めが、地名として残る形です。
鍛冶ヶ野の蛇の伝承地域
鍛冶ヶ野の蛇は、高知県幡多郡西土佐村(現・四万十市西土佐地区)に伝わります。
水神の大蛇が棲んでいるという蛇渕(じゃぶち)が舞台です。
鍛冶屋が荒れ野にしたも同然のその地を、鍛冶屋にちなんで鍛冶ヶ野または鍛冶ヶ谷と呼んだといいます。
四万十市西土佐地区は、四万十川の上流にあたる土地です。
渕の現在地は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。
鍛冶ヶ野の蛇の正体と考えられているもの
鍛冶ヶ野の蛇については、次のように整理できます。
一つめは、種類です。高知県幡多郡西土佐村に伝わる地名由来譚です。
二つめは、きっかけです。重すぎて持ち帰ることができなかったので、蛇渕の渕の端に猪を置き、戻ると大蛇が猪を飲み込みかけていました。
三つめは、鉄屑です。猟師は怒り、大蛇が嫌う鉄屑を鍛冶屋から持って来るが既に大蛇はおらず、鉄屑を蛇渕に撒きました。
四つめは、報いです。大蛇が激怒し、暴風雨が起き、洪水によって山が崩れ、家も流され、村はすべて荒れ野になってしまいました。
五つめは、地名です。鍛冶屋が荒れ野にしたも同然のその地を、鍛冶屋にちなんで鍛冶ヶ野または鍛冶ヶ谷と呼んだといいます。
この話は、地名に責めを残しました。 やった者の名が、土地についています。
鍛冶ヶ野の蛇をめぐる妖怪のつながり
鍛冶ヶ野の蛇が登場する作品
鍛冶ヶ野の蛇は、地名に責めが残った話です。
鉄屑を撒かれた大蛇が怒り、村はすべて荒れ野になりました。
資料は高知の民俗の記録が中心です。
鍛冶ヶ野の蛇が登場する漫画・アニメ
大蛇を扱う作品
水神の大蛇として、ヤマタノオロチと並べて取り上げられます。
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鍛冶ヶ野の蛇についてよくある質問
鍛冶ヶ野の蛇とは何ですか。
高知県幡多郡西土佐村(現・四万十市西土佐地区)に伝わる地名由来譚です。
何が起きたのですか。
猟師は怒り、大蛇が嫌う鉄屑を鍛冶屋から持って来るが既に大蛇はおらず、鉄屑を蛇渕に撒きました。
その後どうなりましたか。
大蛇が激怒し、暴風雨が起き、洪水によって山が崩れ、家も流され、村はすべて荒れ野になってしまいました。
地名の由来は何ですか。
鍛冶屋が荒れ野にしたも同然のその地を、鍛冶屋にちなんで鍛冶ヶ野または鍛冶ヶ谷と呼んだといいます。
鍛冶ヶ野の蛇と併せて覚えたい言葉・用語
貫(かん)
重さの単位。1貫は約3.75キログラム。
渕(ふち)
川の深くよどんだところ。
鉄屑(てつくず)
鍛冶で出る鉄のくず。蛇が嫌うとされる。