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京都府

尻目(しりめ)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品・伝承地域

尻目  / シリメ

人型の妖怪 各地の伝説妖怪絵巻

京都の帷子辻に現れ、顔には目鼻がなく、尻にある一つ目を光らせると描かれた妖怪。

尻目の姿を描いた図

与謝蕪村 「蕪村妖怪絵巻 尻目(ぬっぽり坊主)」 1754年 / パブリックドメイン 出典

尻目とはどんな妖怪か

尻目は、京都の帷子辻に現れたとされる人型の妖怪です。顔には目鼻口がなく、衣をまくって尻にある大きな一つ目を見せ、その目が雷のように光ると描かれます。与謝蕪村の妖怪絵巻では「ぬっぽり坊主」と記され、現在よく知られる「尻目」とは名前が異なります。

尻目の漢字表記と読み方

「尻目」は しりめ と読みます。与謝蕪村の妖怪絵巻では、この姿に「ぬっぽり坊主」と添えられています。「尻目」は尻にある目をそのまま名にした呼び方です。

尻目(しりめ)

尻に一つ目を持つ姿から広まった呼び名。

ぬっぽり坊主

与謝蕪村の妖怪絵巻に記された名。

尻目の姿と特徴

人の姿で衣を持ち、顔はのっぺらぼうのように平らです。最大の特徴は尻にある一つ目で、振り向く代わりに背後側から光を放ちます。襲って食べる場面ではなく、常識外れの位置に目がある驚きと滑稽さが中心です。

尻目の伝承物語

  1. 帷子辻に現れるぬっぽり坊主
  2. 目が尻へ移っている
  3. 怖さより意表を突く造形

帷子辻に現れるぬっぽり坊主

蕪村の絵巻では、京都の帷子辻に現れた「ぬっぽり坊主」として描かれます。夜道で武士の前に人影が現れ、衣をまくって尻の目を見せるという場面です。

帷子辻は京都の西、現在の右京区太秦に残る地名です。絵巻が場所の名を添えたことで、姿だけの妖怪画ではなく、京都の夜道で起きた一場面として記憶されました。

目が尻へ移っている

顔に目鼻口がない点は、のっぺらぼうと共通します。しかし、のっぺらぼうは顔が平らなこと自体で相手を驚かせるのに対し、尻目には尻へ移された大きな一つ目があります。しかも、その目は雷のように光ります

顔の欠落だけで終わらず、見る器官が身体の反対側へ移っていることが尻目の特徴です。のっぺらぼうと似た入口から、まったく別の驚かせ方へ進みます。

怖さより意表を突く造形

尻目の話には、人を食べる、呪いを残す、追いかけて殺すといった結末がありません。突然衣を上げ、予想外の場所にある目で相手を見返す一瞬が見せ場です。

目は本来、顔の正面に二つ並ぶものです。尻目はその約束を、顔には何も置かず、背後に一つだけ光らせる形で反転します。恐怖と滑稽さが同時に成立する、妖怪絵巻らしい造形です。

尻目の伝承地域

絵巻に記された場所は京都の帷子辻です。現在も右京区太秦に帷子ノ辻の地名と駅名が残りますが、尻目の話が示すのは近世の絵巻に置かれた夜道の舞台です。

帷子辻(かたびらのつじ)

蕪村妖怪絵巻に記された場所

地図で開く

帷子辻の所在地:京都府京都市右京区太秦帷子ケ辻町

作品に名が出る京都の辻です。絵巻が舞台として記した地名です。

通行や周辺施設へ怪異を結びつけません。

尻目の正体と考えられているもの

尻目の正体を特定の人物や現象へ結びつける記録はありません。顔を空白にし、尻へ一つ目を移して光らせる姿は、身体の前後と「見る・見られる」の関係を反転させたものです。襲撃の物語より、予想外の場所から見返される一瞬を描いた妖怪です。

尻目をめぐる妖怪のつながり

尻目が記録された資料

『蕪村妖怪絵巻』は、俳人・画家の与謝蕪村に関わる妖怪絵巻です。尻目の図には、現在一般的な「尻目」ではなく「ぬっぽり坊主」と記され、出現場所として京都の帷子辻が挙げられています。

絵の要点は三つあります。顔に目鼻口がないこと、衣をまくった尻に一つの大きな目があること、その目が雷のように光ることです。尻目という後世の呼び名は姿を端的に表します。原図では「ぬっぽり坊主」です。

尻目が記録された原典・記録

与謝蕪村『蕪村妖怪絵巻』

帷子辻に現れる「ぬっぽり坊主」として、顔のない姿と尻の一つ目を描いた絵巻。

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尻目についてよくある質問

尻目とはどんな妖怪ですか。

京都の帷子辻に現れたとされる妖怪です。顔には目鼻口がなく、衣をまくると尻に大きな一つ目があり、その目が雷のように光ります。

尻目は何と読みますか。

「しりめ」と読みます。尻に一つ目を持つ姿から広まった呼び名で、『蕪村妖怪絵巻』では「ぬっぽり坊主」と記されています。

尻目はどの資料にありますか。

与謝蕪村に関わる『蕪村妖怪絵巻』に、帷子辻の「ぬっぽり坊主」として描かれています。顔のない姿、尻の一つ目、雷のような光が図の要点です。

尻目の正体は分かっていますか。

分かっていません。人を殺す怪物というより、顔を空白にし、尻へ一つ目を移して光らせた絵画的な造形として伝わります。

尻目と併せて覚えたい言葉・用語

尻目(しりめ)

京都の帷子辻に現れ、顔には目鼻がなく、尻にある一つ目を光らせると描かれた妖怪。

ぬっぽり坊主(ぬっぽりぼうず)

『蕪村妖怪絵巻』で、尻に一つ目を持つ姿へ添えられた名。

帷子辻(かたびらのつじ)

絵巻がぬっぽり坊主の出現場所として挙げる京都の地名。

尻目の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国立国会図書館サーチ「蕪村妖怪絵巻」