上半身だけで這い、肘で音を立てて追ってくる女。北国の踏切の話として語られる。
テケテケとはどんな妖怪か
テケテケは、都市伝説です。
北国で女性が線路に落下し、電車に轢かれて上半身と下半身に切断されたという話が語られます。
そこから先が、この話の要です。
あまりの寒さによって血管の先が凍り付いて止血され、暫くの間苦しみながら周りへ助けを求めたといいます。
すぐには死ねませんでした。
そして、駅員の判断によってブルーシートをかけられ、女性はその後しばらくして死んだとされます。
見捨てられました。
この話の場合、自分を見捨てた人間を恨んでいるため、足探しではなく、人間を殺すこと自体を目的としているといいます。
テケテケの漢字表記と読み方
読みは「てけてけ」です。
名は、音から来ています。
上半身だけになった体が、肘で地面を突いて進む音とされます。
「テケテケ」という乾いた音です。
この話には、決まった構成があります。
一つめは、テケテケが亡霊となった理由。 二つめは、その逸話を聞いた者に対するサプライズです。
まず逸話を紹介して恐怖心を煽ります。
その後に「この話を聞いた者のところにも現れる」と付け加えることで、さらに恐怖心を増幅させる仕組みです。
聞いた側が、話の中に引き込まれます。
テケテケ(てけてけ)
もっとも一般的な表記。
てけてけ(てけてけ)
ひらがなで書くこともある。
テケテケの姿と特徴
テケテケの姿は、次のように語られます。
体 … 上半身だけ。
移動 … 肘や腕で地面を突いて這う。
音 … 「テケテケ」。
目的 … 人間を殺すこと。
下半身がありません。
電車に轢かれて上半身と下半身に切断された、という因縁がそのまま姿になっています。
そして、速く動くとされます。
這っているのに、逃げきれません。
この落差が、この話の怖さの中心です。
テケテケの伝承物語
寒さで血が止まる
テケテケの因縁には、具体的な説明がついています。
「あまりの寒さに血管が収縮してしまい、出血が止まった(だから楽に死ねずに苦しんだ)」というものです。
理屈がついています。
しかし、現実にはそうなりません。
「冬の北海道」の寒さ程度では、そのようなことは起こらないとされています。 氷点下数百度で急激に冷却しない限り、人間の体温下で血管を止血するまで収縮させることはできません。
轢かれ方についても同じです。
電車に撥ねられた場合、上半身と下半身に切断されることはほとんどありません。 全身打撲による粉砕骨折、内臓破裂、脳挫傷になります。
仮に即死しなかったとしても、意識があることはまずありません。
それでも、この説明があるからこそ話は怖くなります。
サッちゃんの四番
テケテケと同じ筋の都市伝説が、別の名で語られています。
童謡「サッちゃん」に四番があるという話です。
北海道室蘭で女子中学生が、下校途中に通学路の踏切の線路の溝に足がはまって動けなくなり、そのまま人身事故に遭って胴体を真っ二つに轢かれて死亡したというものです。
その後も同じです。
寒さで露出した内臓や血管が収縮して一時的に出血が停止し、数分間激痛に悶え苦しみながら、自分の下半身を探しながら息絶えたといいます。
そして、話を面白がった者が罰を受けます。
その事故を面白がった男子生徒が「サッちゃん」の四番を作り、周りに言いふらすと、男子生徒が足なし死体で見つかったといいます。
話すこと自体が危険になる形です。
話が互いに影響し合う
テケテケは、ほかの怪異と混ざり合ってきました。
同じ形式の事故に由来しながら、その場で運転士をショック死させたり、事故現場で声が聞こえるという都市伝説も、もとは別の話として語られていました。
それが近づきました。
吉田悠軌は、テケテケやカシマさんと互いに影響を与え合った可能性を唱えています。
カシマさんも、足のない女の怪異です。
そして、漫画が広げました。
『地獄先生ぬ〜べ〜』にテケテケをもとにした「てけてけ怪の巻」という物語があります。 その描写と「三日以内に忘れないと目の前にてけてけが現れる」という触れ込みが、当時の読者に強い衝撃を与えました。
同作品を扱う各種サイトでも、必ずランキング上位に入る話になっています。
テケテケの伝承地域
テケテケは、都市伝説です。
舞台は「北国」「冬の北海道」と語られ、特定の踏切や駅の名は定まっていません。
「サッちゃん」の四番として語られる類話では北海道室蘭が舞台とされますが、これも噂として語られたもので、事実として確かめられた出来事ではありません。
実在の事故を指すものとして扱うことはしません。
碑も跡も、この名では見つかっていません。この欄は空のままにしてあります。
テケテケの正体と考えられているもの
テケテケについては、次のように整理できます。
一つめは、都市伝説です。北国で女性が線路に落下し、電車に轢かれて上半身と下半身に切断されたという話が下敷きになっています。
二つめは、二部構成です。亡霊となった理由と、その逸話を聞いた者に対するサプライズ。 まず恐怖心を煽り、「この話を聞いた者のところにも現れる」と付け加えて増幅させます。
三つめは、理屈のつく因縁です。「寒さで血管が収縮して出血が止まった」という説明がつきますが、冬の北海道の寒さ程度ではそうなりません。 轢かれて上下に切断されることもほとんどありません。
四つめは、混ざり合う怪異です。童謡「サッちゃん」の四番、カシマさん。 吉田悠軌は、これらが互いに影響を与え合った可能性を唱えています。
テケテケは、聞いた人を話の中に引き込む形をとっています。 そこが、古い妖怪との違いです。
テケテケをめぐる妖怪のつながり
テケテケが登場する作品
テケテケは、近年に生まれた怪異です。
古い言い伝えではなく、学校と口伝えと出版物のなかで形を得ました。 そのぶん、いつどこで語られたかを追える資料が残っています。
資料は都市伝説の研究書が中心です。
テケテケが登場する研究
日本の都市伝説大事典
朝里樹、2020年。テケテケを都市伝説として立項しています。
謎解き「都市伝説」
ASIOS・廣田龍平、2022年。話の成り立ちを検証しています。
最強の都市伝説
並木伸一郎、2007年。テケテケの筋を紹介しています。
テケテケが登場する漫画・アニメ
地獄先生ぬ〜べ〜
テケテケをもとにした「てけてけ怪の巻」があり、当時の読者に強い衝撃を与えました。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
テケテケについてよくある質問
テケテケとは何ですか。
北国で女性が線路に落下し、電車に轢かれて上半身と下半身に切断されたという都市伝説です。上半身だけになった女が這って追ってくると語られます。
なぜ人を襲うのですか。
自分を見捨てた人間を恨んでいるためとされます。助けを求めたにもかかわらず駅員の判断によってブルーシートをかけられたという筋から、足探しではなく人間を殺すこと自体が目的とされます。
寒さで血が止まるのは本当ですか。
起こりません。 「冬の北海道」の寒さ程度ではそのようなことは起こらないとされ、氷点下数百度で急激に冷却しない限り、人間の体温下で血管を止血するまで収縮させることはできません。
似た話はありますか。
童謡「サッちゃん」に四番があるという都市伝説が、ほぼ同じ筋です。カシマさんとも互いに影響を与え合った可能性が唱えられています。
テケテケと併せて覚えたい言葉・用語
都市伝説(としでんせつ)
近代以降、口伝えや出版物で広まった出所の不確かな話。
カシマさん(かしまさん)
足のない女の怪異。テケテケと影響し合ったとされる。
吉田悠軌(よしだゆうき)
怪談の研究者。テケテケとカシマさんの関係を論じた。